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国公立大進学でも1000万円以上必要? 教育費であなどれない支出とは

LIMO / 2019年3月21日 19時15分

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国公立大進学でも1000万円以上必要? 教育費であなどれない支出とは

文部科学省(文科省)の「平成30年度(2018年度)学校基本調査」によると、大学・短大進学率が58%と過去最高を記録しました。今後も進学率は上昇傾向にあることを考えると、親としては子どもの教育費をいくら用意するべきなのか気になるところです。かわいい子どもの教育費ですが、身の丈に合わない教育投資をしてしまっては家計を圧迫し、大学進学のための資金を貯めることができなくなります。

今回はどのタイミングで公立・私立を選ぶべきなのか、教育投資への支出など、かかる教育費を比較しながら考えてみましょう。

習い事や学習塾代はあなどれない?

まずは幼稚園から大学までの教育費が、公立と私立でどれくらい異なるのか比較してみましょう。文科省の「平成28年度(16年度)子供の学費調査 調査結果の概要」によると、幼稚園から高校にかかる公立・私立の教育費は次のような数字になります。

※「学習費総額」は「学校教育費」「学校給食費」「学校外活動費」の合計。「学校教育費」の内訳は授業料や修学旅行・遠足費、児童会・生徒会費、PTA会費、納付金、教科書・学用品費、通学費、制服、通学用品費など。「学校給食費」は完全給食や補食給食、ミルク給食等給食の実施形態に関わらず、給食費として徴収した経費。「学校外活動費」は家庭内学習費や家庭教師費用等、学習塾費等、体験活動・地域活動、芸術文化活動、スポーツ・レクレーション活動、教養・その他。

幼稚園の学習費総額(年額)

公立:23万3,947円(うち学校外活動費9万2,983円)
私立:48万2,392円(うち学校外活動費13万3,705円)

小学校の学習費総額

公立:32万2,310円(うち学校外活動費21万7,826円)
私立:152万8,237円(うち学校外活動費61万3,022円)

中学校の学習費総額

公立:47万8,554円(うち学校外活動費30万1,184円)
私立:132万6,933円(うち学校外活動費32万9320円)

高校の学習費総額

公立:45万862円(うち学習外活動費17万4,871円)
私立:104万168円(うち学校外活動費28万5,067円)
※高校は全日制の場合

大学の学習費総額

国立:53万5,800円(+入学金28万2,000円)
私立:108万1,388円(+入学金25万2,030円)
※国立大学は平成16年度(04年度)以降の国の標準額、私立大学は文科省の「私立大学等の平成29年度(17年度)入学者に係る学生納付金等調査結果について」から記載。

公立と私立を比較してみると、幼稚園では私立が公立の2.1倍、小学校では4.7倍、中学校では2.8倍、高校では2.3倍、大学では2倍という開きがあります。

ここで着目すべき点は、学習塾費などを含む学校外活動費が学習費総額に占める割合です。私立小学校の学校外活動費は学習費総額の40%、私立中学校は20%となっています。しかし公立小学校と中学校は、60%をも占めています。公立では学校教育費や給食費が安く抑えられ一番の貯めどきといわれる時期ですが、学校外活動に多く投資しており学習費総額を押し上げているのが現状のようです。

年収によって変わる公立・私立選択のタイミング

それぞれ必要な費用がわかったところで、どういった選択がベストなのでしょうか。まずは高校までの公立・私立選択のタイミングを考えてみましょう。

文科省の「平成28年度(16年度)子供の学費調査 調査結果の概要」によると、幼稚園3歳から高校(全日制)3学年までの15年間の学習費総額は以下の通りです。

すべて公立の場合(公→公→公→公)  :540万716円
幼稚園だけ私立の場合(私→公→公→公):616万3,984円
高校だけ私立の場合(公→公→公→私) :715万9,185円
幼稚園と高校が私立(私→公→公→私) :792万2,453円
小学校だけ公立の場合(公→私→公→公):1,046万8,884円
すべて私立の場合(私→私→私→私)  :1,769万9,339円

すべて私立を選択した場合の教育費は、すべて公立を選択した場合の3.28倍です。家計における教育費の理想的な割合は、約10%までといわれています。また兄弟姉妹の人数も考慮しましょう。ご自分の家計が投資できる教育費はいくらなのかを考え、公立・私立を選択する必要があります。

また、大学進学で必要となる費用のことも忘れてはいけません。日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査結果(平成29年度)」(17年度)から、国公立大学、私立大学(文系・理系)、私立短期大学の費用を見てみましょう。

※「入学費用」は受験費や入学金、寄付金、学校納付金、入学しなかった学校に対する納付金など。「在学費用」は学校教育費(授業料、通学費、その他:教科書・教材・学用品・施設設備費など)と、家庭教育費(参考書代や習い事の費用など)。

入学費用

国公立大学   :69万円
私立大学(文系):92万円
私立大学(理系):87万円
私立短期大学  :59万円

4年間の在学費用(短期大学は2年)

国公立大学   :503万円
私立大学(文系):738万円
私立大学(理系):808万円
私立短期大学  :384万円

仮に国立大学に合格したとしても、入学費用+4年間の在学費用は572万円かかります。また忘れてはならないのが、進学先が自宅から離れている場合です。入学後、家賃や生活費も必要になってきます。子どもの進路希望など、前もって相談する機会を作っておくことをおすすめします。

教育投資の見直しが肝心

今回は、子どもの大学卒業までに教育費がいくらかかるのか調べてみました。昨今の奨学金未納問題を鑑みると、学費を用意できなければ子どもの大学進学が難しくなる場合もあります。どこにお金をかけるべきなのか、正しい取捨選択をしましょう。

教育費は聖域になりがちです。しかし学習塾などの学校外活動費は、工夫することで抑えることができます。今はインターネットで講義を受けるなど、塾の形態も様々です。子どもと塾の相性などもありますので、成績の伸びや本人の感想などを考慮して塾を選択してみましょう。

今は習い事も多種多様です。「本当に今、習う必要があるのか?」「本人が継続を望んでいるのか?」など、定期的に今後の方針について考える必要があります。

また、早めに子どもと進路について話し合うことも大切です。将来を見据えた教育費の使い方を考えることで、増えがちな学校外活動費を抑えることも可能です。そして、子ども自身の自覚を高めることにも繋がるでしょう。

【参考】
「平成30年度学校基本調査(確定値)の公表について」(文部科学省)
「平成28年度子供の学習費調査 結果の概要」(文部科学省)
「世帯年収に占める在学費用の割合が2年連続で低下~平成29年度「教育費負担の実態調査結果」~」(日本政策金融公庫)

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