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日本のイチゴ消費量はどのくらい減ったのか

LIMO / 2019年3月29日 11時45分

写真

日本のイチゴ消費量はどのくらい減ったのか

生鮮果物全体も減少

女子カーリングで話題になった「もぐもぐタイム」のイチゴ

先日開催された「カーリング女子世界選手権2019」で日本代表は惜しくも第4位、メダルを逃してしまいました。NHK(BS放送)で生中継されたのでご覧になった人も少なくないかもしれません。NHKが生中継するくらいですから、カーリング人気も根強いものがあります。

そのカーリング、とりわけ、女子カーリングが一躍人気となったのが昨年の平昌オリンピックでの銅メダル獲得でしょう。そして、その際に注目を集めたのが、ハーフタイム(通称「もぐもぐタイム」)中に栄養補給として摂取していたイチゴでした。

彼女達が美味しそうに頬張っていた苺(イチゴ)を見て“あー、美味しいイチゴが食べたい”と思った人も少なくないのではないでしょうか。

3月と4月はイチゴの年間販売の約50%を占める最盛期

さて、スーパーマーケットの生鮮果物売り場に行くと、様々なイチゴが並んでいます。日本国内におけるイチゴの販売は、毎年11月に始まって翌年6月まで続くようですが、3~4月はまさしく旬です。実際、平成28年の統計数値によれば、イチゴの年間販売に占める3~4月分の割合は51%(数量ベース)、46%(金額ベース)に上りました。

金額ベースがやや少ないのは、クリスマスケーキ向け需要が多い12月に高値を付けるケースが多いと推測されるためです。

減少傾向に歯止めがかからない国内のイチゴの消費量

ところで、国内のイチゴの消費量(=購入量)はどのように推移しているかご存知ですか? 結論から言うと、減少傾向が続いており、特にここ数年間は過去にない低水準となっています。まずはその推移を見てみましょう。左から、年、世帯当たり年間購入量、購入金額、100gあたり単価です。

1986年:4,806(g)、4,442(円)、92.4(円/100g)

1990年:4,511(g)、4,770(円)、105.7(円/100g)

1995年:3,817(g)、4,509(円)、118.1(円/100g)

2000年:4,060(g)、4,969(円)、122.4(円/100g)

2005年:3,594(g)、4,153(円)、115.6(円/100g)

2010年:2,952(g)、3,242(円)、109.8(円/100g)

2015年:2,542(g)、3,353(円)、131.9(円/100g)

2016年:2,269(g)、3,215(円)、141.7(円/100g)

2017年:2,336(g)、3,237(円)、138.6(円/100g)

このように、購入数量、購入金額ともに減少傾向にあることが見て取れます。特に、購入数量の落ち込みは大きく、2016年は過去最低水準を更新し、確認できる範囲でピークだった1986年の半分にも満たない状況でした。

最新数値(2017年)はやや回復しましたが、低水準であることに変わりはありません。一方で、単価は上昇基調が続いており、高級品への関心が強いことがうかがえます。

いずれにせよ、少なくとも統計データを見る限り、日本人が年々イチゴを食べなくなっていることは間違いないのです。

イチゴ以外の生鮮果物の摂取高はどうなっている?

ところが、摂取高(=購入)が減ったのはイチゴだけではありません。家計調査が統計対象とする果物全てが減っているのが実情です。実際に「生鮮果物」という分類で見ると、数量・金額とも減少が続いており、2017年の購入数量(75,060グラム)はピークだった1983年(151,871グラム)の半分以下でした。

日本人は生鮮果物を食べなくなったことが統計上からも明らかです。

ジュースや加工品へのシフトによる影響は限定的

なぜ日本人はイチゴを含めた生鮮果物を摂取しなくなったのでしょうか?

ジュースや加工品(果実入りゼリーなど)にシフトしたのでは?という見解があるかもしれません。しかし、家計調査にある「果物加工品」はほぼ横ばい、もしくは、微増程度に止まっていますし、「果実・野菜ジュース」に限っては、生鮮果物以上の減少トレンドにあります。ジュースや加工品へのシフトによる影響は限定的と言えましょう。

「獲れないから食べない」ではなく、「食べないから獲れなくなった」

また、果物の収穫量そのものが減っているのでは?という見解もあるでしょう。確かに、種類によって異なりますが、収穫量は漸減傾向にあります。

しかし、これは「収穫が少ないから食べなくなった」ではなく、「食べなくなったから収穫が減っている」という表現の方が適切かもしれません。ただ、理由はともかく、収穫が少なくなったことで、価格が上昇していることは否めないでしょう。

こうして考えてみると、結局は“食生活の変化”という理由に辿り着かざるを得ません。皆さんはいかがでしょうか。“そう言えば、以前より果物を食べなくなったなぁ”と感じる人が多いと思われます。果物を摂取しなくなった何か大きな理由がありますか?

昨年の冬季五輪で“もぐもぐタイム”でイチゴが注目された今だからこそ、果物を食べなくなった理由を今一度考えてみるのもいいでしょう。

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