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BLの世界へようこそ GWにおすすめの作品3選

LIMO / 2019年5月1日 12時0分

BLの世界へようこそ GWにおすすめの作品3選

BLの世界へようこそ GWにおすすめの作品3選

2018年春クールで放送された『おっさんずラブ』(テレビ朝日)は、低視聴率でありながらも話題作となり今夏『劇場版 おっさんずラブ~LOVE or DEAD~』がロードショーされます。また19年のドラマ春クールには『きのう何食べた?』(テレビ東京)や『腐女子、うっかりゲイに告る。』(NHK)など、同性愛にクローズアップされた作品が放送中です。

最近では、「BL」(ボーイズラブ)という言葉をよく目にするようになりました。意味もご存じの通り「男性同士の恋愛を題材とした小説や漫画、ドラマなど」です。話題になっているとはいえ、「何が良いのかさっぱり…」という方もいるかもしれません。今回はその魅力に迫るため、性描写の少ない作品をセレクトしてみました。ぜひGW中にお手に取ってみてください。

BLオタクってどれくらいいるの?

㈱矢野経済研究所は19年1月、『「オタク」に関する消費者アンケート調査(https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2047)』を実施しました。日本国内在住の15~69歳までの男女1万408人を対象にインターネットアンケートを実施し、そこから推計したものです。

これによると「ボーイズラブ」オタクは推定50万人とされています。もっとも多い「アニメ」が598万人とすごい数ですが、「プロレス」の30万人よりは多いということになります。「ボーイズラブ」オタクの1人当たり年間消費金額は約1万3000円なので、その市場規模は単純計算で65億円となります。昨今のドラマ放送の影響を考慮すると、もう少し多そうです。

なぜハマるのか…理由はない!

現代女性がなぜBLに熱中するのか、様々なメディアで推測され議論されたりしています。ざっと目にするものを列挙すると、

・純粋な愛(性差も超えて愛し合う純粋性に惹かれる)

・ファンタジー性(自分自身が経験することのない、ファンタジー性の高い恋愛に惹かれる)

・好きなキャラを男性に取られるのは許せる(好きな男性キャラがヒロインと結ばれるのを好まない)

・日常生活で感じる女性という抑圧の発散(男性同士の恋愛に性差の抑圧はないから)

などでしょうか。

確かに上述したものに心当たりがない、とは言い切れないBLオタクは多いのかもしれません。しかしこんなことを言ってしまっては元も子もないのですが、好きになるのに理由なんて必要なのでしょうか。「オタク」とは本来、理由など考える必要がないくらい心底好きだから「オタク」になるのではないでしょうか。そのため、この記事ではBL作品を何作品かご紹介します。「あれ、なんだか好きかもしれない・・・」と思っていただけたら、光栄です。

『セブンデイズ―MONDAY→THURSDAY』

『セブンデイズ―FRIDAY→SUNDAY』

著者:橘 紅緒 イラスト:宝井 理人

大洋図書

2冊に分かれているのですが、とても絵がきれいで話も清らかでさらっと読めてしまいます。映画化したことでも話題となりました。

主人公の篠 弓弦(しの ゆづる、高校3年生)は、同じ弓道部に所属する後輩芹生 冬至(せりょう とうじ、高校1年生)に好奇心だけで告白をします。この芹生、学校1の人気者で「月曜日の1番最初に告白してきた人と必ず付き合い、週末に必ず別れる」という噂のある謎な人物。篠は月曜の1番初めに告白したので、2人は付き合うことになります。

2人のやり取りはとても爽やかで、BL漫画だということを忘れてしまうほどです。とても丁寧に描かれた一週間で、「人を好きなるってどういうことなんだろう」という問いに、1つの答えを提示してくれる作品となっています。

 『美しいこと(上)』

 『美しいこと(下)』

著者:木原 音瀬 イラスト:日高ショーコ

スコラマガジン(蒼竜社)

こちらは小説です。講談社文庫からも出版されていますが、ぜひイラスト付きの上下別れている本を手に取って頂きたいです。

主人公の松岡 洋介(まつおかようすけ、会社員営業)は、仕事が休みの日に女装して外出するという趣味があります。小説の中ではものすごい美人の設定です。周囲の男性の視線を一身に集めて快感を覚えていたのですが、ある日軽い気持ちでナンパについて行き男性だとバレて殴られてしまいます。路上で座り込んでいる女装した松岡に、手を差し伸べたのが同じ会社に勤める寛末 基文(ひろすえ もとふみ、会社員総務課)でした。

声で男性だとバレてしまわないように、松岡は喋られない体で接します。寛末は女装した松岡(松岡の母の名「葉子」を名乗る)を好きになり、松岡もまた寛末に惹かれていきます。

寛末の『もし君がどんな秘密を抱えていても、それがいけないことであっても、僕は君と一緒にいたい』という言葉を信じて、松岡は男性であることを告白します。

一般的なBL小説であれば、「それでもいい!付き合おう!」となるのがセオリーです。しかし寛末は松岡を拒みます。

切ないです。とてつもなく切ない恋愛小説です。それでも松岡は寛末が好きなので、本当の姿(男性の姿)で好きになってもらわなくてはなりません。この2人、最後はどうなると思いますか?ぜひ読んでみて下さいね。

『晴れのち四季部』

著者:ひのた

KADOKAWA

最後に、4コマBL漫画をご紹介します。主人公の野原 日乃(のはら はるの、高校1年生)は、桜の木の下で泣いている一瀬 大和(ひとせ やまと、高校1年生)と出会います。一瀬は転校してきて早々「四季部」という謎の部活を立ち上げ、野原はその一員になります。

作者さんがイラストレーターということもあり、フルカラーでとても綺麗な絵です。BLということを抜きにしても、日本の四季がとても鮮やかに表現され、見ているだけで癒される本だと思います。

帰国子女である一瀬は、日本の折々の四季を確認するように丁寧に生活します。「こんな風に1日1日を丁寧に生きることが、幸せということなんだ」と感動すら覚えます。そして2人の距離の縮め方もかわいく、癒されます。続編も出版されているので、気になる方はチェックしてみて下さい。

まとめ

いかがでしたか、気になる作品はありましたか。BLとは、ファンタジーです。現実とは異なる点がいくつもあると思います。それでも、『性』を考えるきっかけづくりに大いに貢献していると思います。ぜひ読んでみて下さいね。

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