保育園建設に反対する人に知ってほしい、保育園の向かいに住んで日々感じること
LIMO / 2019年5月8日 20時15分
保育園建設に反対する人に知ってほしい、保育園の向かいに住んで日々感じること
いまだに大きな改善が見られていない待機児童問題。首都圏を中心に子どもを預けたいニーズに対して保育園の数は追いついておらず、各自治体では保育園建設が急務となっています。
その一方で問題となっているのが、近隣住民による保育園建設・開設への反対。反対理由の多くが「子どもの声がうるさい」「送迎の保護者のマナーが心配」「静かな住環境でなくなってしまう」といったもの。こうした反対の声によって、建設予定だった保育園の開設は中止や延期に追い込まれているケースも少なくありません。
しかし、近所に保育園ができると本当に子どもや保護者によって騒がしく、落ち着いて住めないのでしょうか。保育園の斜向かいに家を求めた筆者の経験をお伝えします。
子どもや保護者の声が騒音とは言うけれど…
筆者宅の斜向かいにあるのは認可保育園。距離にすると15メートルほどしかない近さです。
引っ越してくる前にはすでに建設されていたため、筆者は斜向かいに保育園があることを承知の上で住むことを決めました。筆者自身が子育て世代ということもあるかもしれませんが、社会に必要不可欠である保育園が近所にあることに、なんの疑問や嫌悪感も抱かなかったからです。
そもそも保育園には、主に就労している親が子どもを預けに来ています。送りに行く朝はこれから出勤するゆえに時間がなく、迎えに行く夕方~夜も帰宅後には夕ご飯やお風呂が待っているため時間がありません。
つまり、保護者は、毎日バタバタと保育園へ送迎しているケースが往々にしてあります。特に朝は、保育園の外でゆったりと保護者同士会話をしていたり園児同士が叫んだりしている様子はほとんど目にしないのが現状です。
保護者のマナーは保育園に求めるべき?
もちろん、全く子どもの声が聞こえないわけではありません。夕方17時、18時頃のお迎えの時間になると、たまに4~5歳の園児たちが「バイバ~イ!」「また明日ね」と互いに挨拶をしている声や園児と保護者が会話している声が聞こえてきます。
しかし、連日長時間ずっとうるさいわけではなく、だいたい週に1、2回聞こえてくるかどうか程度。想像してみればわかると思いますが、これは決して“騒音”とは言えないでしょう。通行人の会話や車が通る音と、大きな違いがあるとは思えないというのが筆者の実感です。
一方で、保護者のマナーや送迎する自転車や車の増加なども、近隣住民が懸念する要素です。筆者宅の向かいの保育園の例で言うと、敷地内に駐輪場や駐車場を確保し、入園の際には保護者に対して「送迎の際には近隣住民の迷惑にならないようにしてください」と呼び掛けていることを聞きました。
ただし保護者のマナーについては、保育園側が行う対策以上に、保護者ひとりひとりのモラルによる側面が大きいのではないでしょうか。電車内でマナー悪い人がいたら、鉄道会社ではなくその人個人に注意すべきなのと同じです。
筆者は現在のところ、マナーの悪い保護者を見たことはありません。しかし、もし迷惑をかけるような保護者がいた場合、保育園ではなくその保護者本人に配慮を求めると思います。
反対派に納得してもらうにはどうしたらいいのか
近隣住民の反対によって保育園建設が滞るケースがあるという日本社会の現状は、ただただ残念だと言わざるをえません。しかし、保育園建設に反対する人に、「自分たちも子どもの時は騒がしく、人に迷惑をかけてきたはずだ」「子どもは社会が育てていくべきなのに」といった正論は通用しないでしょう。
それどころか、反対する人たち自身は「誰かが我慢しなければいけない物事の“誰か”になってしまう」といった被害者意識さえ芽生えていると思われます。
この問題で最も大切なことは、保育園や自治体側が近隣住民に対して、防音対策や保護者へのマナー順守の取り組みについて事前にしっかりと説明すること。「子どもの未来のために」といったきれいごとではなく、外遊びに関する詳細や一般的な保育園における騒音レベルを具体的に提示するといった歩み寄りによって、耳を傾ける近隣住民もいるかもしれません。
今回ご紹介したことは、確かに筆者の経験による一例ではあります。保育園の規模やその地域の状況等によっても、大きく異なることもあるでしょう。ただ、今の保育園建設反対派の人たちの動きは、「きっと子どもの声がうるさくなるだろう」と、想像だけで頭ごなしに反対しているようにも感じられます。実際に保育園の近所に住んでいる人の経験談も参考にしてみてほしいところです。
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