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知られざる国際結婚の闇…出産・育児に対する考え方の違いに驚愕

LIMO / 2019年6月24日 10時45分

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知られざる国際結婚の闇…出産・育児に対する考え方の違いに驚愕

SNSなどが発達した今、国際結婚もかなり身近なものになりました。異国で育ったパートナーとの刺激的な日常生活、日本人離れしたキレイな顔立ちの子どもに恵まれる、など国際結婚に憧れを抱いているという人も多いのではないでしょうか?しかし…国際結婚はそんなに甘いものではありません。

特に、出産や育児に対する考え方のギャップを埋める作業は困難を極めます。今回はインド人と国際結婚をした妹を持つ筆者が、実際に体験したエピソードをもとに考えます。

インド人の夫と国際結婚した妹

筆者には、年子の妹がいます。彼女は美術大学在学中にインドのメヘンディというボディーアートに魅せられ、本場で技術を学ぶために度々インドを訪問する生活を送っていました。そんな妹が結婚を決めたのは25歳のとき。パートナーはインド滞在中に出会ったインド人で、約7年間の交際期間を経て、ついに念願の国際結婚を果たしたのです。

2人が長く遠距離恋愛を続けてきたこと、妹が義弟の家族とも深い信頼関係を築いていたこと、インド人のパートナーを持つことは妹のアーティスト活動にも有益であることなど、いろいろな条件を考慮し、一抹の不安はありつつも両親は反対することなく、異国生まれの男性に娘を託したのでした。

子どもが生まれて気付かされる文化の違い

妹夫婦は生活拠点を日本に置き、新生活をスタートさせました。実は義弟は敬虔なイスラム教徒であり、「ハラル」なものしか口にすることができません。しかしながら2人は東京に居を構えていたため、「ハラル」に対応したショップや飲食店も多数あり、住み慣れない日本での生活も特に不便な思いをすることはなかったようです。

ちなみに「ハラル」とは、イスラム教徒の教えで「許されている」もののこと。「ハラル」ではない食べ物として“豚”はよく知られていますが、鶏肉などもイスラムの方式で屠畜されてるものしか食べることはできません。さらにそれらのエキスが入っているだけでもNGなので、外食やインスタント食品、お菓子などもうかつに食べられないのです。

そんな生活の中、妹が女の子を出産しました。子どもが生まれたら、ムスリムとして育てるということは夫婦間で合意しており、ハラルフードでの育児がスタート。妹は子どもが「ハラル」以外のものを口にしないよう、細心の注意を払って育児をしているようでした。

第1子出産から5年後、妹が第2子を妊娠しました。そこで、大問題が勃発したのです!

実家での里帰り出産は許されず、出産のためだけにインドへ

妹は第2子も里帰り出産をする予定でした。また筆者を含めた家族もそのつもりでサポート体制を整えようとしていたところ、妹から「里帰り出産ができそうにない…」という驚きの連絡が入ったのです。

「里帰り出産は容認できない。なぜなら、娘がハラル以外の食べ物を口にする可能性が高いから。」これが義弟の言い分でした。里帰り出産するとなると、姪っ子は数カ月間にわたり筆者の両親宅で過ごすことになります。その期間、妹の目が届かないところで、筆者の両親やその他の人間が姪っ子に「ハラル」以外のものを与える可能性を義弟は恐れていたのです。

妹は切迫早産の症状が出ていたこともあり、安心して出産をするためにいくつかの選択肢を用意したのですがすべて受け入れてもらえず…。妹は妊娠36週のときに、わざわざ出産するためだけに、娘と一緒にインドの田舎町へと旅立って行きました。

妊娠後期に飛行機に搭乗するというだけでも、医師による承諾書の提出や万が一の際には自己責任であるという制約をいくつも交わしながらの大変困難な道のりです。無理が祟ったせいか、妹はインドの義実家に到着してわずか2日後(妊娠36週)…第2子を産み落としました。姉として、本当に生きた心地がしませんでした。

コーランを学ばせるために、娘だけをインドへ!

4人家族となった妹家族は、今も変わらず日本に住んでいますが、上の子どもの小学校入学に関して、またもや問題が勃発!

義弟の言い分はこうです。「日本の教育は必要ない。コーランを学ばせるために、娘だけをインドの家族の家で住まわせたい。娘の世話は両親や家族が手厚くサポートしてくれるから、心配ない。」日本人の感覚では、わずか6歳の女の子を単身インドへ送り込むなんて、到底考えられませんが、義弟はさも真剣に訴えるのです。

筆者家族全員で義弟を説得し、日本でコーランやアラビア語を学べる場所を用意することで納得してもらい、なんとか姪っ子のインド送りを食い止めることができました。そんな姪っ子は現在、日本の公立小学校に通いながら、インド人からコーランを学んだり、モスクに通ったりしながら、たくましく暮らしています。

国際結婚したこと自体を安易に否定してはいけない

妹夫婦の間に巻き起こる宗教や文化の違いによる問題は、まだまだ数え切れないほどあり、問題が起こる度に、家族として精一杯対応してきました。日本で生まれ育った我々にとっては、義弟の意見や言動は理解の範疇を超えていることもしばしば…。

しかし家族として、姉として、心に決めていることがあります。それは、“国際結婚したこと自体を否定しないこと”。妹の夫がインド人じゃなく、ごく一般的な日本人ならこんなことには…。と幾度となく思いますが、口には決して出しません。なぜなら国際結婚したことを否定する、イコール、妹の決意やこれまでの努力をも否定することになると考えるためです。姉として、妹が広い心で問題に立ち向かえるよう、最大限のサポートをすることを心掛けています。

国際結婚をした夫婦の間に子どもが生まれると、夫婦だけの生活では気付くことができなかった出産や育児に関する問題が発生するかもしれません。そんな悩みを抱える人をサポートする立場に立ったとき、国際結婚の事実を安易に否定するのではなく、悩みに寄り添う姿勢が大切なのではないかと考えます。

国際結婚は問題が起きるもの!度量の広さと諦めの心が肝心

国際結婚をした人の中には、納得や理解することが難しい大きな問題と対峙しているという人もいるのではないでしょうか。しかし残念ながら、その問題はいくら考えても日本で生まれ育った我々には相容れないことなのかもしれません。国際結婚を継続するためには、無理に相手を理解しようとせず、大きく構え、譲歩する姿勢も大切なのではないでしょうか。

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