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「生まれてくる子供は親を選べない」養子縁組・里親で家族になる親子の幸せ

LIMO / 2019年6月30日 20時45分

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「生まれてくる子供は親を選べない」養子縁組・里親で家族になる親子の幸せ

日本には約4万5千人のこどもが親子では暮らせない寂しい生活をしているといいます。そこにはさまざまな理由が存在しておりますがその中の8割のこどもが施設で暮らしております。ところが欧米は家庭で暮らすこどもが約8割で2割のこども施設で暮らしています。国は2016年にこうした児童福祉法の現状を変えていこうと改正を行いました。

■戸籍は「養子」ではなく「長男」「長女」と記載されます

精神的にも肉体的にも追い込まれた母親に対し、相談できたりサポート体制が整っている事を知らせたりすることで、赤ちゃん縁組という方法もあることを知って貰えれば、もっと救えた命があったかもしれないとの思う思いから、生みの親から育ての親への橋渡しをするのが家庭養育優先原則なわけです。

「里親」とは家庭で生活できなくなった子供を預かり、温かい愛情と家庭的な雰囲気の中で養育してくれるやり方です。新設された「特別養子縁組」とはこどもと生みの親との法律的関係は終了して、戸籍欄は「長男、長女」といった記載のされ方をします。これまでは「養子」と記載されていた関係でしたから、これからは養親からのこどもに対する離縁はできないということになります。

■子どもたちへの支援のあり方を考える

欧米では家庭で暮らすこどもが8割ですから日本のような集団型施設養護を少しでも改善したいとの思いから「特別養子縁組」をするにあたり民法制度では6歳未満の子どもが対象でしたが15歳未満の子どもに引き上げる検討を進めています。

2017年の社会的養育ビジョンでは、特別養子縁組をこれから5年以内に年間1,000件以上に増やす目標を掲げております。この数字は現在の約2倍の数になりますので非常に注目されています。

そんな中で注目されるのが愛知県でしている方法です。これまでの多くの場合では赤ちゃんはまず乳児院に入所し、その後から「育ての親」へと引き取られていくのですが、「愛知方式」の場合は子どもを乳児院で育てた後からではなく、時間をあまりかけないで短い間に「育ての親」へと託され新しい家族が誕生するというやり方です。

■新しいお母さん・お父さんに大事に迎えられる

「愛知方式」の良いところは、出産したお母さんから生まれて、すぐに新しい両親に大事に迎えられることで、早くその子どもとの愛着関係が作りやすいことが上げられます。この発想は養親さんも赤ちゃんも皆が幸せになれるプラス思考から生まれたものです。

そのために愛知県では赤ちゃん縁組をする際には新しいご夫婦さんに対しては厳しい心構えを求めています。そこで特別養子縁組に対する確認を書面で取り交わすことにしています。子どもの性別がどちらであっても、例え障害が合っても病気の有無で選ぶことはできない事になっています。それと裁判所の審判が確定する前に「実親の同意が得られなかった場合」には、子どもは返さなければならないことになっています。

その前に新しい家族を作るご夫婦さんは事前に児童相談所が行う研修にも参加をして心構えを刻んでいくことになります。その後乳児院を訪れた際の子どもたちの「親の愛情」をほしがっている姿を見ると「何とかしなければ」という思いが先になるのが人情なのではないかと思います。

■出産の無事を祈る新しい両親の祈り

新しい親になる人は児童相談所から、「そろそろ赤ちゃんが生まれそうです」という知らせから始まります。赤ちゃんの性別はこの段階ではまだわかりません。生まれるまでは毎日手を合わせてお祈りすることになります。明日には会えるかなとか早く顔が見たいね、といった心境だと思います。

しかしここでまだ大事な問題が残っています。出産した母親が「我が子を縁組に出すべきか」と迷い場合もあるからです。なので、出産後の児童相談所職員は母親に何度も足を運んで意思の確認をするのです。病院を訪ねては母親の本当の気持ちにじっくりと耳を傾けるのです。

乳児院に預けたほうが良いのか養子縁組にするか、あるいは自分で何とか育てる方がいいのか、そしてそれは可能なのかといった諸々のことを短い期間で選択しなければならのです。

■何よりも子どもの幸せを願っての制度

勘違いしてはいけないのは、この制度はあくまでも子どもの幸せを願っての制度だということです。子どもが欲しい親の制度では無いということです。そして親になる覚悟とは親の側から育てている途中で子に対して離縁の申し立はできないという制度であることを本気で認識しなくてはいけません。

なので、養子にだす親の側の環境が、例えば予期せぬ妊娠をした「10代の未婚」の方の子どもであっても育てる覚悟が必要になりますし、あるいは、「中学生や高校生」が産んだ赤ちゃんも中にはおります。

生まれてくる子どもは親を選べないので、もっと過酷なのは精神障害のある母親から生まれてくる場合もあるといった、知的障害者が性被害を受けて妊娠出産というケースもあります。育てる側はもろもろの事情を飲みこんだ上で覚悟を決めてそして何よりも愛情を込めて家族になっていくことになるのです。

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