1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

「年収400万円の彼不安」にみる、パートナーの年収と結婚のイマドキ事情

LIMO / 2019年8月7日 19時15分

写真

「年収400万円の彼不安」にみる、パートナーの年収と結婚のイマドキ事情

結婚するとき、相手の年収は気になりますよね。ある電子掲示板に投稿された「年収400万円の彼に不安」という女性の相談も話題になりました。

人生の伴侶について他人があれこれ言う筋合いはないと思いますが、収入面について気になるポイントをピックアップしてみました。ここでは、パートナーの収入の捉え方や高収入の女性における悩みなどをご紹介します。

若くして「年収1000万円」の彼氏は安泰?

「年収400万円」がはたして「低収入」なのかさまざまな意見があると思いますが、結婚相手が高収入の男性であれば「安心」と言い切れるのでしょうか。

国税庁の調査(※1)によると、1年を通じて勤務した給与所得者4945万人の平均給与は432万円となっています。これを性別にみると、男性は532万円、女性は287万円となっています。

また年収1000万円超の人は国内に4.5%しか存在しません。独身層に限ると、さらに少ない人数となるでしょう。まず出会うことが難しい状態です。

しかし中には、金融業界勤務で30歳手前で年収1000万円に達する人もいます。金融機関は「規制業種」に該当することもあり、全体的に高収入です。

しかし金融機関はフィンテックなどの急速なAI化や、構造改革による大規模な人員削減も行われています。大きな変革を迎えつつあり、将来性を考えると「安泰」とは言い切れないでしょう。

また、これはどの職種にもいえることですが、終身雇用制度の維持も難しくなっている時代ですから、「この企業で働いているから大丈夫」という人はなかなかいないかもしれません。

「年商〇億円」の人は本当にすごい?企業の手元に残るお金はどのくらい?

メディアには「彼氏が社長」「年商〇億円」という話も登場します。企業を動かす才能ある人物は素晴らしいですよね。しかし、最終的にどのくらいの金額が手元に残るものなのでしょうか。

年商(売上)と利益の違い

まず、「年商」は「年間の売上」のことで、経費や税金が引かれた後、会社の純粋な利益として残るのは「最終(税引後)利益」です。

モノを販売している企業を例にしてみると、まず、年商から仕入れなどの費用を引いて残った金額が「売上総利益(粗利)」となります。粗利から店舗の賃貸料や従業員給与など、営業に必要な費用が引かれた後のお金が「営業利益」となります。

営業利益から借入利子の支払などが引かれたものが、よく耳にする「経常利益」となります。
経常利益から在庫の欠損などを引いた残りが「当期純利益」となり、この段階で税金が引かれるのです。業種により仕入れなどのコストには大きな差がありますので、最終的には赤字になることもあります。

「お金持ち」の判断基準になる?

社長個人としては役員報酬がありますが、会社に残るお金としては、最初の売上金額とは大きくかけ離れたものになることがあります。

ただし、当年度の収支が厳しいからといって即、倒産ということにはなりません。業績には波がありますし、所有不動産や借入金の調整により、当面の損失に対応していきます。

このように会社の利益については、表面的な話からは到底判断できません。つまり、単なる「年商」の話だけでお金持ちかどうかは判断できないということになります。

高収入の女性「自分より収入が少ない彼氏」への不安

一方、社会でバリバリと働く女性の中には、「パートナーは収入よりも性格の良さ、優しさが大切」「自分がその分稼げばいい」と感じている人もいます。自立的で割り切った考え方ですが、葛藤を抱えている面もあるようです。どのような悩みがあるのでしょうか。

男性のプライドへの影響

女性が相手の収入を気にしていなくても、男性にとって「彼女・妻との収入格差」は頭に浮かびやすくなっています。ケンカの際など言葉の端に出やすいものです。

そのため、女性の側はそんなつもりがなくても自分の昇給や昇格について話しづらいこともあります。男性にとって当てつけのような雰囲気になってしまうため、嬉しいはずの話題を共有できないこともあるようです。

「お金目当ての交際ではないか」という葛藤

誰でも、収入や金銭感覚には違いがあり、同じ金額でも収入に対する負担感は違います。そこで余裕のある方が負担すればいいと考えていると、高収入の女性の方がお金を出す機会が多くなるかもしれません。

しかし女性ばかりが支払っていると、それが当たり前のようになってくることがあります。男性が当然のようにお金を出さなくなってくると、「私のお金目当てでは」と疑ってしまうこともあるようです。

しかしこれは、高収入の男性にとっても同じ悩みかもしれませんね。

一般的なレッテルとの葛藤

一般的には、収入が高い男性と付き合うことが安心でもあり、優越感にもなっています。そのため、自分より収入が低い男性と付き合っている女性の場合、変な邪推をされたり、見下されたり、女性同士で非難の対象になることもあります。

「稼ぐ力」を身につけている女性でも、従来の常識を打破していくのは難しいようです。

高収入女性の結婚…妻・母の役割と仕事の両立の難しさ

労働政策研究・研修機構の『若者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状』(2014年)によると、25~29歳の有配偶率(在学者除く)は全体で34.5%となっていますが、個人年収別では50~99万円がもっとも多く55%となっています。600~699万円だと12%、700~799万円だと26%となっており、平均以下という結果に。

これは30~34歳の女性においても同様で、平均有配偶率は59.6%となっており、50~99万円がもっとも高く77.7%となっています。600~699万円はわりと高く51.5%となっていますが、700~799万円は15.1%と下がっています。しかし900万円以上になると51.5%とまた高くなりますが、平均以下という状態は変わりません。

これが男性になると、25~29歳の平均有配偶率は26%ですが、900万円以上は54.7%と2倍以上になっています。30~34歳の平均有配偶率は50%ですが、900万円以上は78.4%です。

これは、家事・育児を主に女性が担うことが多いことや、家事・育児と仕事の両立が難しいという社会的な背景も影響があるでしょう。

また、妊娠・出産が仕事へ与える影響は大きなものです。高収入であればあるほど、「仕事」か「結婚」か「子ども」か…悩むことが多いのかもしれません。

パートナーの収入の重要性と捉え方

結婚を考えると、パートナーの収入は気になるところですよね。

「年収400万円の彼に不安を感じ、結婚を躊躇する…」そもそも平均給与が400万円台なので、「低収入」と感じている人が多いとは言い切れないでしょう。しかし、専業主婦を希望している女性にとっては「厳しい…」と感じるのかもしれませんね。

また、共働き世帯が増加しているとはいえ、子どもを産むことを考えているならば、どちらか一方の収入が減る時期もあると考えるのが自然です。子育てにはお金がかかりますから、「パートナーの年収が400万円は少ない」と感じる人もいるかもしれません。

しかしパートナーの収入が重要だとしても、数字ばかりにとらわれるのも良くありません。

「大企業に就職したから安泰」という時代ではないからこそ、「個人のスキル」「将来性」も考慮するべきでしょう。

また、勤めている会社が「子育てしやすい会社」かどうかも考えてみると良いかもしれません。

「男性は女性よりも稼がなきゃ」「女性の方が年収が高いなんて…」という価値観も、そろそろ薄れてくるかもしれません。

結婚における収入の重要性は今も変わりませんが、その内容は変化しているでしょう。

今の時点での年収だけではなく、「パートナーの稼ぐ力」「自分自身の稼ぐ力」「子育て環境」などを総合的に判断して、結婚するかしないかを決める人が増えているのではないでしょうか。

【参考】
「若者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状」労働政策研究・研修機構
※1 「平成29年分 民間給与実態統計調査」国税庁

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください