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「わが子」というより「お客さん」 育児で褒められたい気持ちが子どもとの距離を広げていた

LIMO / 2019年8月27日 10時45分

「わが子」というより「お客さん」 育児で褒められたい気持ちが子どもとの距離を広げていた

「わが子」というより「お客さん」 育児で褒められたい気持ちが子どもとの距離を広げていた

毎日1~2回は子どもと外遊びをして、おもちゃには知育玩具を選び、暇さえあれば子どもと遊ぶ。隙を見つけては家事をこなし、ゆっくり椅子に座ってくつろいだり、自分の時間を過ごすことはゼロ。1人目の育児中は、今よりも「周囲から褒められるような家事育児」をしていたかもしれません。

しかし、3人の子を育てる今になって振り返ってみると、子どもに対して「わが子」というより、どこか「お客さん」と接しているような距離感でした。

「しっかり~すべき」でいっぱいの育児

1人目をワンオペ育児で育てていたときは、「この子の全てが自分にかかっている」という気負いがありました。外遊びをさせて運動神経を鍛えるのも、絵本や知育玩具で脳を育てるのも、ご飯を作り身体を育てるのも、生活リズムを整えるのも、全て自分一人にかかっている。

この重圧は、想像以上に「重い」もの。わが家にいるというのに、1日中気持ちがソワソワする日々でした。

ゆっくりソファでくつろぐような時間は、ほぼありません。少しでも子どもが暇そうだと、「しっかり」遊んであげる「べき」と思います。自分の育て方で本当に大丈夫だろうか、この子を100%活かしてあげられているだろうか、と不安に襲われることも。

1日中子どもと遊ぶのは、大人にとっては辛いところもあります。わが子とはいえ、朝から晩まで一対一でおままごとや電車遊びに付き合うのは難しいもの。児童館に行き、ふとした瞬間に「遊びに付き合うの疲れたなぁ」とボーっとしていると、同じような表情をしたママと目が合ったことも記憶に残っています。

最も評価対象になりやすい「母親」という役割

どこか「他人から褒められるような育児をしなければ」という気持ちもありました。なぜだか「母親」って、評価の対象になりやすいですよね。父親、祖母、祖父、子ども…の中でも、「母親」という役割は一番評価対象になりやすいのです。

生き物にとって、子孫繁栄は自然は欲求の一つ。それゆえ、他人から評価されることも多いのかもしれません。とはいえ、当の母親にとっては辛いところ。育児について知識も経験もない状態で「皆から認められる完璧な母親にならなければ」と励み、少しでもミスをすれば責められることもあるのですから。

だからこそ、わが子に対しても「身内」というより、「お客さん」に接している気分でした。お客さんがわが家に来て、気を遣ってアレコレ考えては尽くすものの、「本当に満足してもらえているかな?」と不安に思うあの気持ち…あれにそっくりなのです。

そういった意味では、あの頃の自分は、周囲には褒められても子どもにとって心地よい母親ではなかったと思います。

お客さんから、わが子へ

3児の母となった今は、1人目のときほど褒められるような育児をしていません。それでも子どもたちは「お客さん」でなく、「わが子」になりました。前よりダラけている私ですが、子どもたちとの距離が近くなりました。自分とは違う「1人の人間」という意味での距離感は変わりませんが、「家の人」になったのです。

1日の中でも上の2人が帰宅してからが本番なので、昼間、未就園児である末っ子と一緒にいるときはゆったりモード。仕事をしたり、おやつを食べたり、コーヒーを飲んだり、料理中に好きな音楽を聴いたりと、1日の中に何度も自分の時間を取り入れ、疲れたら無理をせず休みます。

家族であれば、素も見せます。私が大笑いすれば、子どもも嬉しそうに笑います。くつろいでいるときには、子どももゆったりのびのびとしています。私が疲れて怒ってしまったときは、「疲れてるんでしょ」と的確な意見を言う子もいます。

子どもたちがわが子になったのと同時に、自分も自分らしくなり、やっと家族になったような感じがしています。

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