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ある男性の告白。「年収1000万円。余裕で家族を養うことができると思っていた…」生活が苦しいのはなぜ?

LIMO / 2019年9月25日 19時15分

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ある男性の告白。「年収1000万円。余裕で家族を養うことができると思っていた…」生活が苦しいのはなぜ?

某有名企業に勤務するIさん。彼は、多くのサラリーマンが憧れる、いわゆる年収1000万円プレーヤーです。しかし、親友と飲みに行った席で、酔ったIさんが、こんなことを言いだしました。

「結婚する前、これだけ稼ぎがあるなら、妻は専業主婦、子どもは幼稚園から大学までオール私立なんて生活が余裕でできると思っていた。だけど、実際に結婚して、子どもが生まれてみると、妻に事あるごとに『お金が足りない。生活が苦しい』みたいなことを言われるんだよね。子どもは今、小学生だけど公立。中学も高校も公立の予定」

「年収1000万円もあれば、さぞや贅沢な暮らしをしているのだろう」と思いがちですが、Iさんのような「生活が苦しい」1000万円プレーヤーは、意外にたくさん存在するようです。これはいったいなぜなのでしょうか。

年収1000万円の手取り額は?

国税庁が2018年9月に公表した「民間給与実態調査(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2017/minkan.htm)」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の4945万人のなかで1000万円以上の年間給与所得額を得ているのは、約200万人という結果でした。割合にすると、給与所得者のうち4%ほどが年収1000万円以上となります。

とはいえ、年収1000万円の人が丸々その金額を手にしているわけではありません。日本の税制は累積課税制度を採用しており、高年収であるほど、税金や社会保険料も大きくアップするという仕組みです。

年収1000万円の場合、手取りベースにすると、だいたい700万円ほどといわれています。

年収1000万円世帯の貯蓄額は?

続いて、年収1000万円世帯の貯蓄状況もチェックしておきましょう。総務省統計局が2019年7月30日に公表した「家計調査 貯蓄・負債編・二人以上の世帯(2019年(平成31年)1~3月期平均結果)(https://www.stat.go.jp/data/sav/1.html)」をもとに見ていきます。

この調査の結果、2人以上世帯の1世帯当たり貯蓄現在高(平均値)は1,755万円でした。そして、年収ごとの貯蓄額は以下の通りです。

年収1,000万円 ~ 1,250万円 世帯…2,389万円以上
年収1,250万円 ~ 1,500万円 世帯…2,769万円
年収1,500万円 ~ 世帯…4,759万円以上

(「貯蓄額」には預貯金だけではなく有価証券(株式、債券、投資信託など)、積立型の生命保険・個人年金なども含む)

金融広報中央委員会(知るぽると)の「平成30年(2018年)家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](https://www.shiruporuto.jp/public/data/movie/yoron/)」によると、「預貯金や有価証券、保険などの金融商品をいずれも保有していない世帯」は全体の1.6%となっています。年間収入1000万円以上の世帯においては0%です。

しかし、「金融資産なし世帯」を「預貯金以外の金融商品や、預貯金があってもそのうち運用または将来の備えを保有していない世帯」と定義した場合は、様相が変わってきます。

年間収入1000~1200万円未満の2人以上世帯のうち、金融資産を持たない世帯は7.3%、また1200万円以上の世帯においては3.8%存在するようです。「年収が高くなったから」と生活水準も上げてしまい、結果それがアダとなって貯蓄が難しくなるというケースも珍しくないのでしょう。

年収2000万円世帯の状況は?

では、年収が2000万円になったらどうなのでしょうか?

ここでは、専業主婦の妻、18歳と15歳の2人の子どもがいると仮定します。また、年収を12カ月で割った約166万円を月収としています。

年収1000万円以上なら、社会保険料(健康保険、雇用保険、国民年金、厚生年金保険料など)はすでに上限の約15万円ほどに達しているでしょう。そのため、年収1000万円の世帯と大きく異なるのは税金の金額。毎月の給与からは、だいたい35万円くらいが引かれると予想されます。

つまり、合計で月50万円ほどが給与から差し引かれることに。月収は166万円でしたが、実際の手取りは110万円ほどになってしまいました。こうみると、やはり収入が2倍に増えたからといって、今までの2倍使ってしまうと、それはそれで苦しくなってしまうということになるのかもしれません。

まとめ

年収が上がると、ついつい増えた分で贅沢をしたくなるものですが、そのようなことを続けていると、貯蓄にまわすお金が残らず、「生活が苦しい」という状況になる可能性があります。どんなに高年収でも、支出は適切な割合に抑え、貯蓄に対する意識は常に持っておくようにしたほうがよいということなのかもしれませんね。

【参考】
「民間給与実態調査」国税庁
「家計調査 貯蓄・負債編・二人以上の世帯(2019年(平成31年)1~3月期平均結果)」総務省統計局
「平成30年(2018年)家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」知るぽると

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

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