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高校生の娘の疑問「年収1000万円と貯金1000万円、どっちが良い?」結婚相手に求める経済力とは

LIMO / 2019年9月27日 18時45分

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高校生の娘の疑問「年収1000万円と貯金1000万円、どっちが良い?」結婚相手に求める経済力とは

ある日のこと。Aさんは、現在高校生の娘であるN美さんと、将来どんな人と結婚するのがよいかという話をしていました。『やっぱり、ある程度の経済力は必要よね』とAさん。すると、N美さんは「ある程度の経済力って、年収1000万円?」と、言いました。そして「お母さん、同じ1000万円でも、年収1000万円と貯金1000万円、どっちの男性の方がいいのかな?」

年収1000万円と貯金1000万円。どちらにしてもこれまでの人生には縁のなかった数字です。『うーん、どっちだろう?』Aさんは返答に困ってしまいました。

年収1000万円の人と貯蓄1000万円の人は、世の中にどのぐらいいるもの?

さてAさんが返答に窮した、娘さんの『1000万円に対する疑問』。実際問題、世の中にはどのぐらいの人が該当するのでしょうか。

まずは、年収1000万円から。2018年9月に国税庁が公表した「平成29年分 民間給与実態統計調査(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2017/minkan.htm)」では、1年を通じて勤務した給与所得者は4945万人と示されています。そのうち、1000万円以上の年収を得ている人は222万人。つまり全体の4.4%となります。

なお、この調査で算出された平均給与は432万円です。これらを踏まえると、年収1000万円がいかに少数派であるかが分かりますね。

一方、貯金1000万円を達成している割合はどのくらいなのでしょうか。金融広報中央委員会(知るぽると)の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]平成30年調査結果(https://www.shiruporuto.jp/public/data/movie/yoron/tanshin/2018/)」をみてみましょう。

この調査では、金融資産の保有額(平均値)は744万円となっています。また、「データを順番に並べて真ん中にある数値」である中央値は、50万円です。なお、この平均値・中央値は「金融資産を保有していない世帯」を含んでおり、「金融資産保有世帯」だけの金融資産保有額(平均値)は1234万円と1000万円を超えています(中央値は350万円)。金融資産保有額が1000万円以上あるのは、全体の29.8%となっています。

※ここでいう「金融資産」とは、家計が保有する金融商品のうち、貴金属や現金、事業のために保有している金融商品、預貯金のうち日常的な出し入れや引落しなど生活費に対応する部分を除いた「運用のため、または将来に備えて保有している部分」となっています。これに対して「金融商品保有額」とは、上記に加えて「運用目的ではない預貯金(日常的な出し入れや引落しなど生活費に対応する部分)」を含んでいます。

※「金融資産を保有していない世帯」とは、預貯金や株式などの金融商品を保有していない世帯と、預貯金のみは保有していてもそのうち「運用または将来の備え」がゼロの世帯を指します。

こうみると、給与所得者の4.4%しか達成していない年収1000万円より、1000万円を貯めている人が多いように感じます。年収1000万円以上の男性よりも、貯蓄1000万円以上の男性のほうが、出会いの数は多いかもしれません。

年収1000万円でも貯蓄があるとはかぎらない

年収1000万円以上あれば、将来も安心!とは言い切れない厳しい現実があります。金融広報中央委員会(知るぽると)の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]平成30年調査結果(https://www.shiruporuto.jp/public/data/movie/yoron/futari/2018/)」を参照してみましょう。

「金融資産なし世帯」を「預貯金以外の金融商品や運用または将来の備えを保有しない世帯」と定義した場合、年間収入1000万円以上の世帯でも、「11.1%」は金融資産を保有していないようです。

この調査では、銀行口座に残高があっても、運用や将来の備えがないと「金融資産ゼロ世帯」としてカウントしていますが、「10世帯に1世帯で余剰資産としての貯蓄がない」という状況には、驚いた方もいるのではないでしょうか。

年収1000万円あっても、支出が多ければ当然ながら貯蓄は増えません。それでも、「私がお金の管理をするから大丈夫」という方もいれば、「堅実なお金の使い方ができる人が良い」という人もいるでしょう。

いずれにせよ、将来を考える場合は「稼ぐ・使う・貯める」すべてのお金の能力について、よく見ておくことが重要と言えそうです。

まとめ

年収1000万円にしろ、貯蓄1000万円にしろ、実現させるのは簡単なことではなく、かなりの努力が必要です。まずは自身の将来について、「どんな仕事でお金を稼ぐのか」「使い方」「貯め方」について、考えた方が良いかもしれません。他人に求めるのではなく、自身の手でつかみ取った方が早く確実…という場合は往々にしてあります。

また、「類は友を呼ぶ」ともいいます。自身の努力次第では、素敵な方と出会える可能性も高まるかもしれません。

【参考】
「平成29年分 民間給与実態統計調査」国税庁
「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]平成30年調査結果」金融広報中央委員会(知るぽると)
「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]平成30年調査結果」金融広報中央委員会(知るぽると)

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

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