曾祖父に溺愛されて育った父の末路。いまこそ考えたい、「子どもの自主性」の重要性
LIMO / 2019年10月4日 11時15分
曾祖父に溺愛されて育った父の末路。いまこそ考えたい、「子どもの自主性」の重要性
子どもが中年になったとしても、親からすればいつまでも「子ども」であることは間違いありません。
しかし、親の中には「子どものためだ」といって、何から何まで世話を焼いてしまうケースも少なくありません。
年金を受給できる年齢は一般的に65歳とされていますが、少子高齢化などの影響で年金の財源を確保することが難しくなり、支給開始年齢が引き上げられるとの見方もあります。
先行きが不透明な現代社会、これからを生き抜いていかなければならない子どもたちには、一体どのような力が必要なのでしょうか?
親の過保護の先にあるものとは?
私の実家は明治の頃から商売を行っていたため、地元でもそこそこ有名な地主として知られています。
自分の代で財を築いたのは私の曽祖父で、父からすると祖父にあたります。
父は待望の長男ということもあり、曽祖父から溺愛されて育ったのだそうです。とにかく全て父のいうことが通る状況だったらしく、父はわがまま放題で我慢を覚えることも少なかったと祖母(父の母)から聞いています。
父は何事も飽きたり嫌になったら逃げ出したりしていたため、ほとんどのことが中途半端。勉強にも興味を示さず、高校はバイク事故で入院したことをきっかけに中退。その後は料理人として独立しましたが、とても経営者と名乗れるレベルではありませんでした。
結局、度重なる起業に次々と失敗し、曽祖父や祖父が築いてきた財をほとんど借金返済に使ってしまうという有様です。
こうした家庭で育った私が実感していることは、親が子どものためだと思って過保護に育てることで、子どもは人生の荒波を突破していく力が付きにくいということ。
人間はピンチから学ぶことが非常に多く、どうやってこの荒波を越えていこうかと考えたときに成長していくものだと感じています。
父の尻拭いを何十年にも渡ってし続けている祖母は、85歳を過ぎた今でも父に厳しく接することはありません。
子どもに「考える力」を付けさせるには?
不透明な社会をしっかりと自分の足で歩くためには、自分がこれからどうしたらいいのか?何をすべきなのか?をしっかりと考えることができ、かつ行動に移すことができる力。
考える力を付けさせるためには、日常生活の中で子どもが「自分で考えるチャンス」を与えることが大切なのではないでしょうか。
例えば、朝ごはんの内容から来ていく服・学校の宿題をするのかしないのか・兄弟喧嘩をどのように和解するのか…。
日常生活の中で、私たち大人はついつい子どもに「喧嘩はやめなさい」「宿題済んだの?」「早く寝なさい」などといった指示を出してしまいがちです。
そうした指示を出される子どもも出す大人も、決していい気持ちはしませんよね。
宿題を忘れていって先生に怒られたり、恥ずかしい思いをしたりする。または、あえて子どもに失敗をさせることで、這い上がる力を養わせていく。
子どもが自ら考える力を「引き出す声かけ」に加えて、柔軟性のある子ども時代から世間の荒波を見せていくことも大切だと思えてなりません。
「かわいい子には旅をさせよ」の本当の意味
私の父は世間の荒波どころか、ほとんど波風のこない湖で手取り足とりお世話されて育った人間です。
そんな父ももうすぐ還暦。
今さら波がキツい大海原に放り投げることはありませんが、過保護の親に育てられた子どもがどのような考え方になるのか…身をもって体験することができました。
「かわいい子には旅をさせよ」ということわざのように、自分の力で自立して生きていく子どもを育てたいのであれば、大人が一歩引いて子どもの自主性を引き出す接し方をしてみましょう。
喧嘩はあえて仲裁せず、思いっきりやらせてみる。いじわるや仲間はずれも、成長の糧になる貴重な経験です。
もちろん、いき過ぎたいじめなどにはしっかりと対応すべきですが、日常の中の些細ないざこざであれば、大人は黙って子どものすることを見守ってみませんか?
すると子ども自らが「どうしたらいいのか?」を考え始めるようになっていくでしょう。
自分がやったことの責任は自分で!
事業失敗や借金など、父の失敗をことごとくサポートしていた祖母や母。
もはや父は起業者としての責任を放棄したといっても過言ではなく、その姿に幼いながら衝撃を受けた記憶があります。
3〜4歳くらいになれば、多少の善悪の区別が付くようになる年齢です。できればそのくらいから、子どもが犯した過ちは子ども自身に償わせるようにしてみましょう。
「自分がこぼした牛乳は自分で拭く」「誰かを叩いてしまったら親と一緒に謝りに行く」など、たとえ小さな行いでも、だんだん「自分の尻は自分で拭く」ということが身に付いていくはず。
子どもに不憫な思いをさせたくないという親心はとても素敵ですが、子どもの自立心を養うためには、あえて突き放すことも必要なのではないでしょうか。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「いらないから堕ろしたいなら堕ろして」待望の第2子懐妊も不倫発覚の不肖夫から離婚と中絶迫られる修羅場
プレジデントオンライン / 2024年4月20日 10時16分
-
「いちばん辛い言葉は『いい旦那さんだったのにね』でした」自死遺族・乳がんサバイバーの彼女が立ち直れた「きっかけ」
OTONA SALONE / 2024年4月18日 21時0分
-
「わたしの人生、なぜ弟に縛られなきゃいけないの?」障がい者の”きょうだい”に生まれて 弟を溺愛した母の遺品整理で気づいた「ああ、私は傷ついていたんだ」
RKB毎日放送 / 2024年4月12日 16時1分
-
「実はプライドが高い?」子どものメンタル育成法 12歳までの環境が大きく影響する
東洋経済オンライン / 2024年4月10日 15時0分
-
生ごみを触れない生徒が増加、家庭科教員の嘆き 洗濯やトイレ掃除は「宿題」に出て初めて体験
東洋経済オンライン / 2024年4月4日 11時0分
ランキング
-
1平均月23万円だが…〈初給与〉に心躍る大卒新入社員〈給与明細〉を見て愕然「天引き額が多すぎる!」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月25日 7時15分
-
2「いつまでも結婚できない40代男性」の勘違い…高年収でも女性から選ばれない“深刻な原因”
日刊SPA! / 2024年4月25日 11時11分
-
3初期から老眼鏡をかけっぱなしにすると「老眼」が早く進む【一生見える目をつくる】
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年4月25日 9時26分
-
4「健康食品は健康に悪い」という不都合な事実…紅麹サプリ問題で明確になった健康食品の恐ろしいリスク
プレジデントオンライン / 2024年4月25日 9時15分
-
5ビジネスシーンでの「方言」どう思う? 「標準語にすべき」「方言でも問題ない」意見真っ二つ! マナーコンサルタントの見解は
オトナンサー / 2024年4月25日 7時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください