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夫婦の「逆」有給消化格差…「有給取得義務化」は妻の負担を減らす?

LIMO / 2019年10月15日 19時15分

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夫婦の「逆」有給消化格差…「有給取得義務化」は妻の負担を減らす?

2019年4月1日からスタートした「有給休暇取得義務化」。働き方改革の一環として始まったこの制度。基準をクリアしていない企業には罰則も定められています。

今回は、ある夫婦のケースから、「有休休暇の義務化」を考えてみましょう。

ある夫婦のケースより

K子さんは、中堅企業にフルタイムの正社員として働く小学生(低学年)と保育園児のお母さんです。ご主人は、別の会社に管理職として勤務しています。

K子さんは毎日、上の子を小学校に送り出した後、下の子を保育園に預けてから出社します。子どもが病気をした時は、K子さんが早退をして迎えに行き、体調が回復しなければ、有給休暇を使って会社を休みます。そのほかにも、子どもの通院や検診など、育児に関する用事があれば、やはり有給休暇を使います。

独身時代から勤務している会社のため、有給休暇は年間15日ほどもらえていますが、なんだかんだで、年度末までには使い切ってしまいます。

一方、ご主人の有給休暇は、使い切れずに余っている状態。K子さんは、せめて、保育園からの呼び出しがあったときだけでも、その余っている有給休暇を使ってもらえないだろうかと思っていましたが、ご主人の返答はいつも「そんなに急には休めない」。だから、黙って自分の有休休暇を使って対応してきました。

でも、義務化と聞いてK子さんは思います。

「有休休暇が義務化になったし、今度こそ、主人にも負担してもらえないかしら?」

有給休暇の現状

まずは、有給休暇の義務化を考える前に、日本の有休休暇の取得率についてみてみましょう。

労働基準法では、フルタイム(正社員や有期雇用)の場合、半年以上勤務し8割以上出勤している人に10日間の有給休暇を与えるよう定めています。有給は働く人の権利であり、取得するタイミングも本人の自由。決算期や月末締めといった特別な事情があれば会社が変更できるものの、基本的には会社の承認も必要ありません。

それなのに、「有給休暇をすべて使い切っている」という人はそう多くありません。厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/18/dl/gaikyou.pdf)」(2018年)によると、2017年(または2016会計年度)の1年間の有給休暇取得率(取得日数/付与日数)は51.1%となっています。

実際問題、「有給を取ろうとすると、上司が『俺がお前くらいのときは、有給なんて取れなかったぞ』とブツブツいってきます」「周囲が誰も有給を取らないため、自分だけ休みたいなんて言い出せません。上司が積極的に取ってくれたらいいのに」といった具合に、会社に休みを取りにくい雰囲気が漂っているというのも多いようです。

誰でも対象になるわけではない

さて、本題である「有給休暇の義務化」についてです。

「有給休暇取得義務化」といっても、働いているすべての人が対象になるわけではありません。この制度の対象者は「年次有給休暇を10日付与される人」です。

先述の通り、会社に半年以上フルタイム勤務し8割以上出勤すると、10日間の有給休暇が与えられます。

義務化の対象となる日数は5日間で、付与日から1年以内の取得と決められています。本人の意志で自由に取得できる通常の有給休暇とは違い、会社が指定した日に休ませるという流れ。すでに5日以上の有給を取得済み、または計画年休制度で5日間付与済みという場合は対象外となるので注意が必要です。

まとめ

なかなか休みが取れない人にとっては、とてもありがたく感じる「有給休暇の義務化」。せっかく休めと会社が言うのですから、リフレッシュや自分自身のメンテナンスなど、有効に使いたいものです。

ただ、K子さんのように、ご主人の余っている有給休暇で、夫婦で負担を分け合えたらと考える人にとってはどうなのでしょう。この有給休暇の義務化をきっかけに、男女問わず、もっと休みを取りやすい雰囲気にかわっていくことこそが、本当の「働き方改革」なのかもしれませんね。

【参考】
「平成30年就労条件総合調査の概況」厚生労働省

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