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秋は株価暴落の季節?「ブラックマンデー」から32年、米株式暴落の歴史を振り返る

LIMO / 2019年10月19日 11時45分

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秋は株価暴落の季節?「ブラックマンデー」から32年、米株式暴落の歴史を振り返る

ブラックマンデーから32年、風化しつつある大暴落

今年もこの時期がやってきました。今日、10月19日は世界の金融史で絶対に忘れることができない重要な日です。今から32年前の1987年10月19日、米国NY市場で株価が空前絶後の暴落となりました。いわゆる「ブラックマンデー(Black Monday)」と呼ばれるこの日、たった1日における下落率▲22.6%は、今も破られていない“不滅の大記録”です。

1日の下落率が▲22.6%、今も破られていない不滅の大暴落

若い世代の方々の中には、当時のことを知らない人も多いはずですから、まずは、改めて「ブラックマンデー」を振り返ってみましょう。

1987年10月19日、ごく普通の週末が終わり、ごく普通の週明けを迎えていました。信じられないかもしれませんが、何の怪しげな予兆もありませんでした。しかし、NY市場が開くと大量の売り注文が殺到し、全く値が付かない状況となります。そして、寄り付いた後も“売りが売りを呼ぶ”連鎖となり、史上最大の暴落を記録しました。

この日のNYダウの終値は、前週末比▲507.9ドル安の1,738.7ドル。下落率▲22.6%は、それまでの暴落記録を大幅に更新したのです。

ちなみに、現在までの1日におけるNYダウ下落率トップ5は以下の通りです(小数点第2位切り捨て、以下同)。

第1位:1987年10月19日 ▲22.6%

第2位:1929年10月28日 ▲13.4%

第3位:1929年10月29日 ▲11.7%

第4位:1931年10月  5日 ▲10.7%

第5位:1929年11月  6日 ▲  9.9%

間接的な第2次世界大戦の発端とも言われている1929年の世界大恐慌は、10月に起きた一連の株価暴落から始まりました。実際、この歴代記録を見ても、1929年10月の株価暴落が凄まじかったことが分かりますが、ブラックマンデーはそれを遥かに上回る暴落でした。

投資家や証券会社・銀行など市場関係者はもちろん、一般の人々も大パニックに陥った歴史的な暗黒の日だったことは間違いありません。

「下落率」に比べて重要度の低い「下落幅」を見てみる

なお、ご参考までに、現在までの1日におけるNYダウ下落幅トップ10も掲載しておきましょう。カッコ内は下落率です。

第1位:2018年 2月 5日 ▲1,175ドル(▲4.6%)

第2位:2018年 2月 8日 ▲1,033ドル(▲4.1%)

第3位:2018年10月10日    ▲832ドル(▲3.1%)

第4位:2019年  8月14日    ▲800ドル(▲3.0%)

第5位:2018年12月  4日    ▲799ドル(▲3.1%)

第6位:2008年  9月29日    ▲778ドル(▲7.0%)

第7位:2019年  8月  5日    ▲767ドル(▲2.9%)

第8位:2008年10月15日  ▲733ドル(▲7.9%)

第9位:2001年  9月17日  ▲685ドル(▲7.1%)

第10位:2008年12月 1日 ▲680ドル(▲7.7%)

下落幅で議論するのはあまり意味がなく、当然、下落率で見るべきです。ただ、それでも、昨年から株価の大幅下落が目立ちます。また、11年前のリーマンショック時にも大きな下落幅と下落率が記録されたことが分かります。

ブラックマンデーで日本も空前の大パニックに

さて、32年前のブラックマンデーは世界に波及しました。日本も例外ではなく、翌日(10月20日)の東京市場は大暴落となりました。この日の日経平均株価の下落率▲14.9%は、今でも1日に記録した最大の下落率として記録されています。そして、日本だけでなく、世界中の金融市場を大混乱に陥れました。それが、この「ブラックマンデー」でした。

ちなみに、あくまでも仮定の話になりますが、現在のNYダウがブラックマンデーと同じ下落率になると、1日で約▲6,100ドルの下落、日経平均株価の場合は約▲3,400円の下落となります。

ただし、現在では個別株の値幅制限が強化されたため、ここまでの大暴落発生はあり得ないと考えられます。仮に、当時のような大暴落が起きそうならば、サーキットブレーカー(強制的な取引停止)が発動される可能性もあります。

現在でも不明なブラックマンデーを引き起こした主要因

ここで重要なことは、ブラックマンデーを引き起こした理由が未だに不明ということです。

確かに、今となっては、米国の「双子の赤字」に対する懸念、FRB金融政策の不透明さ、ドル高に対する不安などが背景とされていますが、ハッキリ言って後づけの理由(こじつけ)に過ぎません。

これらの懸念材料は、ブラックマンデー発生のずっと以前から指摘されており、しかも、当時は“過度な懸念は不要”という楽観的な見方が大半でした。その意味で、ブラックマンデーは何の前触れもなく、突然起きたと言えましょう。

実は、1929年10月の株価大暴落も(10月24日の「ブラックサースデー」)、始まりはある日突然に起きたものでした。

NY発の株価暴落は10月を含めて「秋」が多い

ブラックマンデーから32年が経ち、大暴落の記憶も薄れつつあります。しかし、この32年間を振り返っても、ブラックマンデーほどではないにせよ、株価暴落は度々起きています。11年前のリーマンショックがそうでしたし、昨年2018年に起きた一連の大幅下落もそれに該当するかもしれません。こうした株価下落は、いつまた起きるかわかりません。

最後に、前掲したNYダウ下落記録(下落率、下落幅)を見ると、ブラックマンデーを含めて10月の日付が意外に多いことが分かります。少し広義に見ても、その大半が「秋」に起きています。また、もう一つの特徴は、一度暴落が起きると、短期間に何度か起きていることです。

NYダウが史上最高値を更新するのが珍しくなくなり、日経平均株価も再び23,000円台をうかがう今だからこそ、年に1度はブラックマンデーを思い出すことが必要と言えましょう。そして、今年は「暴落の秋」にならないことを祈るばかりです。

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