結局、老後2000万円不足しないの?老後に慌ててしまう前に…できることとは

LIMO / 2019年11月5日 19時15分

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結局、老後2000万円不足しないの?老後に慌ててしまう前に…できることとは

金融庁の「老後資金は年金プラス2000万円が必要」という提言(※1)が大きな話題になりました。しかしその後「議題にしない」という事実上の撤回。では、老後に2000万円不足しないということなのでしょうか。

いいえ、老後資金問題はとても深刻な問題として今もなお存在しています。今後も高齢化が進んでいく日本、年金制度をどう改革していくのか、認知症患者の金融資産をどうするのか、問題は山積しています。

総合旅行プラットフォームを運営する㈱エアトリが実施した調査(「老後の貯金」に関するアンケート※2)によると、「老後2000万円問題」の報道を見聞きしても「何もしていない」が74.2%にも上り、大半の人はあまり深刻に受け止めていないようです。

不足するだろうと気づいてはいるものの、実際の老後資金の準備は後回し。しかし、歳を重ねてから短期間で老後資金を貯めるのは簡単なことではありません。また、同調査の60代以上の貯蓄額についても、2000万円以上ある人は約3割という結果でした。退職金も減少傾向にある中で、はたしてどれだけの人が自助で老後資金を準備できるのでしょうか。老後資金は早めに計画していくことが重要です。老後資金の準備をしていくコツについて見ていきましょう。

老後資金を貯める計画を立てよう! 時代に合ったお金のふやし方

まず、老後資金2000万円という金額(※1)は、このような根拠に基づいています。

・60代以上の支出(生活費)は、現役期と比べて2~3割程度減少する
・年金給付に頼っている高齢夫婦無職世帯では毎月の赤字額は約5万円(平均)
・老後の不足額は20年間で5万円×20年=約1,300万円となる。30年間の場合は5万円×20年=約2,000万円

毎月の生活費だけではなく、医療費や住居費が臨時で必要になる可能性もあります。旅行やレジャーなどの予定も含めると、各自で老後の生活を試算していくことが重要になるでしょう。そこから貯蓄の設計について考えてみましょう。

(1) 老後生活のビジョンを描く

老後に必要な資金を算出するため、ライフプランを作っていきます。老後までの予定や金額をリストアップしていきましょう。マイホーム購入や教育費、旅行、車の買い替えなど、どのタイミングでいくら必要となるのかを書き出していきます。自分の年齢を含めて年表形式でまとめてみると将来にわたって必要となる資金が見えてきます。一覧表にすることで、出費が続く時期やムダを省いて貯めるべき時期がはっきりしてきます。貯蓄が苦手という方でも予算を決めてやりくりをしたり、先取り貯蓄を増額したり、家計管理のリズムを身につけていきましょう。

(2) 自分が選べる「選択肢」を増やそう

必要な金額が分かったら、貯蓄を増やす方法や収入アップの方法など、資金を確保する選択肢を広げていきます。お金を増やす方法は貯蓄や投資だけではありません。副業を始めたり、固定費を削減したり、毎年の年末調整で医療費控除、保険料控除の手続きをきっちり行うことも、広い意味でお金をふやすことにつながります。

家計の改善の中でも、とくに固定費は節約効果が継続的に発揮される項目です。携帯電話の料金も、続々と新サービスが登場しています。スマートフォン(スマホ)代やインターネットプロバイダーサービスの見直しにより通信費が大幅に下がるケースもあります。また、英会話教室などの習い事をスマホの無料アプリを利用して練習する方法もあります。このように、「ほかの手段で代用できないか」といった目線で費用を抑える手段を探してみましょう。

今後、できるだけ長期間、仕事を続けて年金の繰り上げ受給をしていくことも有効な方法です。在職老齢年金についても支給額引き上げの方向で見直しが始まっています(※3)。このような、もしもに備えた個人の知識がこれからは切り札となってくるでしょう。

(3) 税制メリットを生かす『iDeCo』『NISA』『つみたてNISA』

銀行の預金は超低金利が続いています。そこで、税制面の優遇制度のあるiDeCoやNISA・つみたてNISAを利用して老後資金を貯めるのもおすすめです。

個人型確定拠出年金のiDeCoは20歳以上60歳未満の方なら加入できる制度です。原則60歳まで引き出せませんが、積立資金は全額所得控除となりますので住民税と所得税が軽減されます。また運用益は非課税なので、一般的な預金利子よりお得感が得られるでしょう。さらに、60歳になって資金を受け取る際にも控除があります。年金で受け取る方は「公的年金等控除」、一時金で受け取る方は「退職所得控除」が適用され、いずれも所得税が軽減されます。

NISAには一般NISAとつみたてNISAがあり、毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品(株や投資信託など)から得られる利益が非課税になる制度です。一般とつみたてのどちらかを選択し、途中解約も可能です。ただし運用を行う以上、元本割れを起こす可能性もゼロではありません。メリットとデメリットのバランスを考えながら、利用を検討してみてくださいね。

まとめ

今の時代、住宅費も教育費も家計の大きな負担となっています。さらに老後に向けてまとまった資金を蓄えるのはかなり難しいことだといえるでしょう。それでも自分の力でなんとかしなければならない時代が到来しています。

老後のライフプランを早めに想定し、できるだけ長期間貯蓄を継続したり、NISA・iDeCoなどを利用して計画的に準備していきましょう。情報収集をしながら収入・貯蓄の選択肢を広げていくことが老後資金を賢く貯めていくコツだといえます。

【参考】
(※1)『市場ワーキング・グループの報告書「高齢社会における資産形成・管理」(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603.html)』金融庁
(※2) 『「老後の貯金」に関するアンケート(https://www.atpress.ne.jp/news/187318)』 (10~70代の男女959名)旅行サイト「エアトリ」調べ
(※3)『「在職老齢年金」65歳超支給 月収62万円まで全額に(https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201910/CK2019100802000128.html)』東京新聞 2019年10月8日 朝刊

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

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