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年収1000万円でも貯蓄ゼロ世帯が1割!? 老後に向けて貯める方法とは

LIMO / 2019年11月8日 20時20分

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年収1000万円でも貯蓄ゼロ世帯が1割!? 老後に向けて貯める方法とは

「老後2000万円問題」で話題となった金融庁の報告書(2019年6月)により、老後への備えとして資産形成が注目されています。

厚生労働省の簡易生命表(令和元年7月発表)によると、日本人の平均寿命は男性81.25年、女性87.32年となり過去最高を更新しました。

現在60歳の約4分の1が95歳まで生きるという試算もあり、まさに「人生100年時代」を迎えています。長生きするほど資産が減り、老後に困窮するという「長生きリスク」を意識している人が増えているのです。

この記事では、将来に備えて資産形成をするにはどのようにしたらいいのか、特に40代以下の若年層に焦点をあてて解説します。

貯蓄は世代間格差・収入間格差がある

総務省の家計調査報告(2018年度)では、二人以上の世帯における1世帯当たり貯蓄現在高の平均値は1,752万円。年間収入は622万円で、貯蓄年収比(貯蓄現在高の年間収入に対する比率)は281.7%でした。

それでは、世代別の貯蓄現在高を確認しましょう。以下の表をご覧ください。二人以上の世帯について、1世帯当たり貯蓄現在高を見ると、40歳未満の世帯が600万円と最も少なく、60歳以上は2,000万円を超えています。さらに、50歳未満の世帯では、負債現在高が貯蓄現在高を上回っている状況です。

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出典:家計調査報告(貯蓄・負債編)-2018年(平成30年)平均結果-(二人以上の世帯)(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2018_gai4.pdf)(総務省)


このように、金融資産が高齢者に偏在するという「世代間格差」が存在していることがわかります。また、現役世代でも金融資産保有のバラツキは大きくなっています。

二人以上の勤労者世帯の年間収入5分位階級別貯蓄、負債現在高は以下の通りです。

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拡大する(/mwimgs/b/e/-/img_be49c69ef12ee23128edfbed08eeba7d57327.jpg)

出典:家計調査報告(貯蓄・負債編)-2018年(平成30年)平均結果-(二人以上の世帯)(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2018_gai4.pdf)(総務省)


第Ⅰ階級は平均年齢50.8歳 収入が325万円未満
第Ⅱ階級は平均年齢48.0歳 収入325~452万円
第Ⅲ階級は平均年齢48.3歳 収入452~617万円
第Ⅳ階級は平均年齢49.3歳 収入617~861万円
第Ⅴ階級は平均年齢51.1歳 収入861万円~

このように、所得が増えるほど貯蓄現在高も増えていることがわかります。第Ⅴ階級(年収861万円~)の世代では、2,000万円を超えています。

年収1000万円以上でも「貯蓄ゼロ」が1割

しかし、最近は金融資産を保有しない「貯蓄ゼロ」の世帯も増えているのです。金融広報中央委員会では、毎年「家計の金融行動に関する世論調査」を行っています。以下のグラフは「金融資産を持っていない」二人以上世帯の比率です。

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出典:家計の金融行動に関する世論調査(https://www.shiruporuto.jp/public/data/movie/yoron/)(金融広報中央委員会)よりLIMO編集部作成


アンケートにおける金融資産には、日常生活に使われる資産は含まれていないので、「金融資産を持っていない世帯」でも何も資産を保有していないわけではありません。しかし、将来に備えるための貯蓄を保有していない世帯が3割を超える水準になっているのです。

さらに驚くべきは、年収1000~1200万の世帯で7.3%、1200万円以上の世帯で3.8%の世帯が貯蓄ゼロと回答していることです。

年収1000万を超える人は、給与所得者の4.5%しかいません。一般的には高給取りで金融資産もたくさん持っているというイメージですが、中には家計が火の車という世帯もあるのです。

年収と貯蓄は必ずしもイコールになりませんが、年収が多いほど貯金を貯めやすいという事実はあります。しかし、年収1000万円以上あっても、身の丈以上の支出をすると、生活が苦しくなる可能性があるのです。

資産形成の基本はコツコツと長期積立投資

「年収が高くても貯蓄ゼロの世帯がいるのなら、将来のための貯蓄などムリなのでは」と思う人もいるかも知れません。しかし、40代以下の若い世帯なら、時間を味方につけることで将来への資産形成を行うことができます。

しかし、大手銀行の定期預金金利は0.01%。お金を預けているだけでは、ほとんどお金は増えません。そこで、時間をかけてコツコツと資産を増やす「長期積立投資」が脚光を浴びています。

長期積立投資はつみたてNISAとiDeCo(イデコ)で始める

そうした長期積立投資を促す制度も充実してきています。たとえば、2018年から「つみたてNISA」が始まりました。年間40万円を上限に、本来は約20%取られる投資信託の分配金や値上がり益が非課税になります。また、非課税期間は20年と長期です。

個人型確定拠出年金であるiDeCo(イデコ)も、2017年から対象者が大きく拡大し、原則、現役世代が全員入れるようになりました。iDeCoでは、掛け金がまるまる税金の計算から控除されます。運用時は、つみたてNISAと同じように非課税ですし、60歳以降の受給時にも税制優遇があります。

会社員がこれらの非課税制度を使って20年間資産運用した場合のシミュレーションを考えてみます。

つみたてNISA 月額3.3万円

iDeCo 月額2.3万円

毎月5.6万円を向こう20年間にわたって年率3%で運用できれば、累計投資額1,344万円の投資に対し、1,838.5万円に増やせる計算になります(金融庁のサイトを活用して試算)。

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出典:資産運用シミュレーション(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html)(金融庁)


早くから投資を始めれば、老後資金の多くをつみたてNISAとiDeCoでまかなえることがわかります。

セカンドライフに向けて資金を貯めるためには、非課税制度を使って、早めに資産運用を始めることが大切なのです。

まとめ

「老後資金2000万円問題」によって、将来の資産形成への関心が高まっています。しかし、収入を増やすだけでは必ずしも貯蓄は増えません。年収1000万円を超える世帯でも約1割が貯蓄ゼロなのです。

日々の収支を見直し、資産形成への意識を高めなければなりません。また、高収入でなくても、時間を味方につけることで、まとまった資金を作ることが可能です。ただ、そのためには投資をする必要があります。

つみたてNISAやiDeCo(イデコ)など、長期投資を促す制度も充実してきています。ゆとりあるセカンドライフのために、すぐにでも投資を始めるようにしましょう。

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