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年収1000万円でも貯蓄ゼロ?収入も貯蓄もあるお金持ちになるには

LIMO / 2019年11月10日 19時15分

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年収1000万円でも貯蓄ゼロ?収入も貯蓄もあるお金持ちになるには

「年収がアップすれば、それだけ生活にも貯蓄にも余裕がでるのに」と考えたことはありませんか?しかし実際は、年収1000万円という大台を実現しても、「生活が楽にならない」という人も、意外に多いようです。一方で、年収350万円にもかかわらず、貯蓄800万円を達成したという人もいます。

年収と貯蓄額は必ずしも比例するわけではなく、年収1000万円でも貯蓄ゼロというケースも存在するのです!高収入でも貯蓄が難しい実情と、貯めていくポイントについて見てみましょう。

年収1000万円以上の人ってどのくらいいるの?

2019年9月に国税庁が公表した「民間給与実態統計調査(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2018/pdf/001.pdf)」では、全国5026万人の給与所得者のうち、年間給与所得額が1000万円以上の人は248万人と示されています。つまり、年収1000万円の壁を越えているのは、全体のわずか5%程度という少なさです。では、高収入家庭の貯蓄状況はどのようになっているのでしょうか。

高収入家庭の貯蓄額は…

総務省統計局が発表した「家計調査 [貯蓄・負債編] 二人以上の世帯(2019年(平成31年)4~6月期平均結果)(https://www.stat.go.jp/data/sav/1.html)」によれば、「2人以上かつ年収1000万円以上の世帯」における1世帯当たり貯蓄現在高は以下のようになっています。

《貯蓄額》
年間収入1000~1250万円 世帯 … 貯蓄現在高 2189万円
年間収入1250~1500万円 世帯 … 貯蓄現在高 2605万円
年間収入1500万円以上〜世帯 … 貯蓄現在高 4154万円

2018年度の同調査では平均貯蓄額が1752万円なので、高収入に比例した貯蓄額に感じます。けれど高年収世帯のすべてがこのような金額を貯ためているわけではないのです。次に「高収入でも金融資産を保有していない人」のデータについて見てみましょう。

年収1000万円以上の10世帯に1世帯は「余剰資金」なし?

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]平成30年調査結果(https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2018/)」(2018年)のデータによると、年収別の金融資産ゼロ世帯は以下のような割合となっています。(表「年間収入別「金融資産なし世帯(2人以上世帯)」の割合」参照)

(/mwimgs/f/e/-/img_fecd58ed84914e3df0960ac61ebf9fc038119.png)

拡大する(/mwimgs/f/e/-/img_fecd58ed84914e3df0960ac61ebf9fc038119.png)

年間収入別「金融資産なし世帯(2人以上世帯)」の割合(金融広報中央委員会の資料をもとに編集部作成)

この表を見ると、1000万円以上の年間収入がある世帯でも、計11.1%の世帯が「金融資産ゼロ」となっています。この場合、銀行口座に残高があっても当面使う予定の金額程度であることはありますが、将来への備えとしての「資産」を持っていないということになります。

平均貯蓄額の倍以上の貯蓄がある高収入世帯もあれば、貯蓄ゼロの世帯もあるように、収入が多くても支出が多ければ貯蓄をキープできません。人生においては「賢いお金の貯め方・使い方」が重要になるといえそうです。

※ここでいう「金融資産」とは、家計が保有する金融商品のうち、貴金属や現金、事業のために保有している金融商品、預貯金のうち日常的な出し入れや引落しなど生活費に対応する部分を除いた「運用のため、または将来に備えて保有している部分」となっています。
また、「金融資産を保有していない世帯」とは、預貯金や株式などの金融商品を保有していない世帯と、預貯金のみは保有しているがそのうち「運用または将来の備え」がゼロの世帯を指します。

収入も貯蓄もあるお金持ちになるには

このように将来に備えた貯蓄を保有するには、年収の多さだけではカバーできない面があるとわかりました。収入も貯蓄もある生活を実現するには、どのような工夫が必要なのでしょうか。

(1)ルールを決めて生活

高収入と高貯蓄を両立させている人の特徴として、使うときには使っても普段は思いのほか地に足のついた生活をしているという特徴があります。ついつい使い過ぎてしまう人は「食費は月に4万円まで」「買い物は3日に1回」と生活スタイルに応じたルールを決めるのがおすすめです。買い物・外食の上限回数や食費の上限金額など制限内で生活する癖をつけましょう。

(2)財布の見直し

お財布の残金やレシートを習慣的にチェックしていますか。支出した内容は家計簿や手帳、家計アプリに記録しておきましょう。週末にまとめてなど、財布の中をチェックするタイミングを決めておくと忘れにくくなりますよ。

また、「ポイントカードは5枚、クレジットカードは2枚まで」と、カード類はよく利用するものだけに限定すると、財布の中もスッキリします。

(3)クレジットカードの利用を控える

クレジットカードは便利な支払方法ですが、利用時から引き落としまで間隔があるため金額を把握しにくく、使いすぎを起こしやすいというデメリットもあります。引き落としに追われがちな場合は意識的に利用を控えてみましょう。
現金を持ち歩きたくない人は、利用時に銀行口座のお金が引き落とされる「デビットカード」を使うと、残高の範囲に限られるため使いすぎを防げます。同様の理由で、チャージした金額内で利用する「電子マネー」もおすすめです。

(4)クレジットカードの「リボ払い」のメリット・デメリット

毎月の返済額が一定になる「リボ払い」は返済に金利がかかります。「お金の管理がしやすい」「支払いが楽」というイメージですが、年利が15%前後の場合もあり、結果的に返済期間が長期化することもあるのです。また、返済が長期間になると毎月の利用額を把握しにくくなります。

資金に余裕があるならクレジットカード会社へ連絡の上で繰り上げ返済することもできます。通常通りの一括払い方法に変更しておくと安心です。

(5)自己投資代はケチりすぎない

高収入を得ている人は、収入を得ることに意欲的で努力家でもあります。資格取得やキャリアアップのための勉強に自己投資している人も少なくありません。もちろん、目標もないままやみくもに自己投資をするのは本末転倒ですが、将来的な昇給や昇格に繋がる分野については節約せず、積極的に取り組んでみてはいかがでしょうか。

さいごに

収入の額を問わず、万が一の備えや老後のために欠かせないのが貯蓄です。年収の上昇に合わせて生活水準も上がってしまうと、将来への備えが難しくなってきます。高収入の家庭であっても、住居や車、教育費などの支出が時期的に重なってしまう可能性もあります。年収を上げる努力とともに日々の生活も見直して、将来への備えを意識していきましょう。

【参考】
「平成30年分 民間給与実態統計調査」国税庁
「家計調査 [貯蓄・負債編] 二人以上の世帯(2019年(平成31年)4~6月期平均結果)」総務省統計局
「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]平成30年調査結果」金融広報中央委員会

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

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