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新入社員の教育係が犯した失敗と成功体験。仕事を教える難しさとは?

LIMO / 2019年11月18日 20時15分

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新入社員の教育係が犯した失敗と成功体験。仕事を教える難しさとは?

新入社員が部署に配属されると、その教育に頭を悩ませるのが毎年の恒例行事、という人も多いのではないでしょうか。新人とはもはや世代が違って、どう言えば伝わるのか、どう言ったら彼らの心に届くのだろうかと悩むこともありますよね。そこで今回は、新人教育係を経験したアラサー4人に聞いた成功例と失敗例について紹介します。

「作業」しかさせてくれないと会社をやめてしまった

とある広告代理店で働くAさん。Aさんの部署に配属された新人は、自分よりも高学歴ではるかに優秀そうな新卒だったと言います。最初は新人もAさんについて回って、OJTで仕事を覚えることに。

基本的な日報やクライアントに見せるレポートの数字を見ることから教えようと思ったAさん。しかし、あまりに忙しくゆっくり教える時間もなかったため、マニュアルを渡してとりあえず日報とクライアント提出用のレポート作成の方法を簡単に説明。「あとはマニュアルを見て作って」と、前年の新入社員が作ってくれたマニュアルを渡したのだそう。

2~3週間経った頃、マニュアル通りに日報やレポートの作成が一通りできるようになった新人と話をしていたときのこと。Aさんは新人から「このくらいの作業ならできます」と言われてなんとなく違和感を覚えたのだそう。

しかし、忙しくて分析ツールの使い方もマニュアル、各種手続きの申請方法もマニュアル、とりあえずマニュアルを見てと言っていたAさん。結果として、新人はそれぞれのやり方は覚えても「その作業の意味」を考えておらず、半年経つ頃にも作業はできるけれどやっていることや言葉の意味を理解していなかったことが判明。

そして1年経っても、できることがルーティン業務しかなく、自発的な行動がなかったのだと言います。営業であれば、数字を取るために様々な戦略を練るのですが、新人は「今月は数字が厳しいです」と報告するだけで、具体的に何の進捗が悪いのか、その状態から脱するために何をするのかを考えておらず、挙句の果てには「Aさんが作業しかやらせてくれないから辞める」とAさんに対する不満をあらわにして会社を去ったと言います。

Aさん曰く、「マニュアルを見せて、数字が出てくれば自分で色々と考えるだろうと思っていたのが間違いだった。数字の見方や意味からきちんと教えるべきだった」と反省していました。

厳しい指導で新人の心が折れてしまった

金融機関勤務のBさんの部署にも新人がやってきました。彼は非常に聡明で愛嬌もあり、Bさんは心から期待していたと言います。

Bさんは極力新人に多くのことを経験させようと積極的に仕事を振っていました。「自分でやらないとわからない」と思い、事務仕事から営業まで色々とやらせ、詳しく諸業務を教え、期待しているからこそ厳しく叱り、時には褒めつつうまくやっていたつもりだったと言います。

しかし、新人は会社から去ってしまいました。理由は明言しなかったものの、新人の同期社員が言うには「いつもBさんの文句を言っていた。何をしても叱られるし仕事が楽しくない」とのこと。Bさんは、期待しているからといって厳しくしすぎるのがダメだった、時々は褒めているつもりだったがそれが伝わっていなかったと嘆いていました。

モチベーションを刺激して自発的に動く力をつける

一方、IT企業に勤めるCさんは、部署の新人のモチベーションを刺激することを意識したと言います。Cさんの部署に入ってきた新人は、一見のんびり屋のようでCさんは少し心配していました。

新人の彼女に、営業の仕事としてまずは「競合他社の分析」をしてみるよう伝えたCさん。その仕事の中で、「競合他社を知ることで、顧客にアプローチするときも自社の強みをしっかりアピールできるようになる。商談の場をイメージしながら、うちのサービスのどこが他社より優れていて、何が足りないかを調べてみて」と伝えたのだそう。

それまでは何をやらせてものんびりとした進行だった彼女は、その分析については非常に熱心に取り組んだと言います。そこで「彼女は、その仕事をやる理由とその先に何が見えるかというところをきちんと伝えてあげれば目的意識を持って熱心に取り組むんだということがわかった」とCさんは話します。

つまり、今やっている仕事が何の役に立つのかわからなければ、やる気にもなりにくく締め切りを意識しません。結果としてのんびり取り組むうえ、資料の内容はまとまりに欠けたものになってしまうということです。

この気付きはCさんの新人教育を変えたのでした。いつ、どういうふうに、いま手元でやっている仕事が役立つのか、そこを明確に伝えて取り組ませることでCさんと新人は良好な関係を築くことができていると言います。

仕事に対する誇りを持たせることが責任感につながる

最後は金融機関で働くDさん。Dさんの後輩として入社してきた新人は、何でも割と器用にこなし飲み込みは早いけれど、細かいミスがあったり、とりまとめたレポートの内容をいまひとつ理解していなかったのだそう。

新卒だから仕方ないと目をつぶるところも多々あったのだそうですが、新人の彼に一番欠けているのはやる気でした。金融機関に入社したところまではいいのですが、Dさんの部署は会社で一番の収益部門。営業でしっかり稼ぐ部署でした。

Dさんは彼のモチベーションを何とか高めようと、彼と一緒に毎日収益のグラフを見ながら「もう12月のボーナスはないかもなあ」とか「今日は少し持ち直した。来週もこの調子ならボーナスゼロではないな」などと自分事として話をしていたのだそう。

すると新人は数字に少し興味を持って、「今日は何でこんなにダメだったんですか?」「今日は日経平均が上がったがらよかったですね」などと言うようになったと言います。

そして、あるときから新人の態度が変わり、今まで以上に仕事に熱心に取り組むように。そのワケを聞いたところ、Dさんが飲み会の席で「一番の収益部門に配属されたんだから、誇りを持って仕事をしなさい。ここには選ばれた人間しか来られないんだから」と伝えたことが理由だと答えたのだそう。

「自分事だと思ってもらうこと」そして「自信を持たせること」。この2つが新人教育には非常に重要だと感じたと教えてくれました。

まとめ

新人教育は本当に大変ですし、一人ひとり考えていることが違うので、ある人に対してはうまくいったアプローチも、他の人はピンと来ない、ということも多々あります。しかし、うまくいかない場合はすぐにやり方を変え、色々と試行錯誤しながら新人社員と自分が、お互いに成長していけるといいですね。

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