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主婦の正答率は女性平均よりも高い!「金融リテラシー」は家計管理の中で身につく

LIMO / 2019年11月30日 17時45分

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主婦の正答率は女性平均よりも高い!「金融リテラシー」は家計管理の中で身につく

みなさんは、お金に関する知識や判断力に自信がありますか?金融商品のことはよくわからない、家計管理が苦手といった方もいるのではないでしょうか。でも色々な決済手段や金融商品が登場している現代。お金に関する基礎知識「金融リテラシー」は見過ごすことができません。

今回の記事では、金融リテラシーをどうやって身につけるのか解説していきます。

金融知識に自信がある日本人はわずか12%。アメリカと大きな差

金融広報中央委員会が個人の金融リテラシーの現状把握のために行った「金融リテラシー調査(2019年)(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy_chosa/2019/)」によると、18歳以上の個人の金融リテラシーの現状は、アメリカを対象にした同様の調査の結果と大きな差が見られました。

たとえば、「金融教育を学校で受けた人の割合」はアメリカが21%だったのに対し、日本は7.2%にとどまっています。家庭でのお金の管理などを含めた金融教育を受けたと認識している人は、20.3%となっています。また、「金融知識に自信がある人の割合」はアメリカが76%だった一方、日本はわずか12%という結果でした。

これは、「お金の話は控えるべき」「お金儲けはよくない」といった、日本人ならではの思考も原因の1つと考えられます。

日常生活で金融経験なんて保険の比較や投資信託くらいしかない…。そう思うかもしれませんよね。でも、金融庁の報告書で、老後には年金とは別に2000万円が必要とされた問題もありました。もはや他人事ではなくなっているのが、お金の問題です。家族や生活を守るためにも、お金にまつわる知識を身につけていきましょう。

主婦の金融リテラシーの特徴とは

金融広報中央委員会「知るぽると」による「金融リテラシー調査2019年(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy_chosa/2019/)」)によると、正誤問題の正答率は、全体で56.6%となっており、前回(2016年)の55.6%よりわずかに上昇しています。

全体として、年齢階層が上がるほど金融リテラシーは高い傾向にあります。また、生活設計や家計管理などの「金融教育」を受けたことがあると認識している人は、そうでない人と比べると正答率が高くなっています。

ここで主婦(18~79歳)のデータを見てみましょう。

同調査による主婦層の正答率は57.0%で、全サンプルの正答率(56.6%)とほぼ同程度。年代別でも全サンプルと同じように年齢と正答率がリンクしています。(表「《金融知識・判断力に関する特徴》主婦の正答率比較(年齢階層別)」を参照)

(/mwimgs/d/5/-/img_d53997c5c2c6696d0c339a44fe3cbe6e22435.png)

拡大する(/mwimgs/d/5/-/img_d53997c5c2c6696d0c339a44fe3cbe6e22435.png)

《金融知識・判断力に関する特徴》主婦の正答率比較(年齢階層別)(金融広報中央委員会の資料をもとに編集部作成)

※統計表では男性(主夫)も含まれていますが(主婦・主夫の正答率は57.1%)、この中から女性(主婦)のみを抜き出しています。

主婦層が全サンプルより高い得点を示している項目

ここで主婦層において良好な得点を示している項目を見てみましょう。 (全サンプル/主婦)としてパーセンテージを示します。

・緊急時に備えた資金を確保している人の割合(54.4/66.5
・1カ月の支出を把握している人の割合(72.6/77.6)
・老後の生活費について資金計画を立てている人の割合(34.9/40.8)
・損失回避傾向が強い人の割合(77.3/87.3)

主婦層が全サンプルより低い得点の項目

反対に主婦層で得点の低かった項目は以下のようになっています。(全サンプル/主婦)としてパーセンテージを示します。

・消費者ローンを利用している人の割合(4.8/1.8
・お金を借り過ぎていると感じている人の割合(12.8/6.1)
・株式を購入したことがある人の割合(32.2/28.4)
・学校等で金融教育を受けた人の割合(7.2/4.1)

このように、主婦層においては借入や株式購入などの機会が少なく、支出管理や資金の計画的確保の面では良好な成績となっていることが分かります。

金融リテラシーは大きな資産を持っている人や投資家だけのものはありません。日常生活の中で「金融・保険分野の知識」や「家計管理」「ライフプラン設計」などにより、金融知識や判断力も上昇していくのです。

「金融リテラシー」と資産や投資経験の関係

(1) 資産額の大きさとの関連

参考として、資産の大きさや投資経験の有無との関連性についても見てみましょう。
フィデリティ退職・投資教育研究所が実施した「高齢者の金融リテラシー調査(https://invest-navi.fidelity.co.jp/reports-and-whitepapers/survey-reports)」によると、保有資産の大きさと金融リテラシークイズの平均得点との関連性は以下のようになりました。

「金融資産が0円」の人:36.2点
「500万円未満」の人:48.6点
「500-1000万円未満」の人:55.6点
「1000万円を超える」人:平均で60点を超える

金融資産1000万円を超える層では、資産1億円以上であっても得点は60点台となりました。しかし、おおよそ資産額の上昇と平均得点には関連があることが分かります。

(2) 投資経験と金融リテラシーとの関係性

投資経験との関係性については
「現在投資をしている人」:65.2点
「以前投資をしていたが今はやめた人」:57.0点
「これまで投資をしたことがない人」:44.7点

このように投資経験者ほど得点が高くなっています。

しかし、表「《金融知識・判断力に関する特徴》主婦の正答率比較(年齢階層別)」でもわかるように、高齢者の金融リテラシーが若者よりも高い傾向にある点に注目してみましょう。年長者ほどお金に関する様々な経験を繰り返してきた人生経験があります。そのため、お金に接する経験値が大きな意味を持つのだといえます。

自分にあった家計管理方法でお金の経験を積むことが大切

家計を管理する主婦層も日頃からお金に関わる機会がたくさんあります。試行錯誤することでお金との経験値が高まるはずです。

家計管理も長続きする方法や年間を見通す視点で工夫してみましょう。

エアコンは節約しすぎない代わりに、携帯電話の料金プランを見直す

 エアコンを使わなければ電気代の節約になりますが、室温が調整されていないと体調が悪くなることもあります。そうなると、逆に医療費がかかってしまうかもしれませんよね。エアコン代を節約する代わりに、携帯電話のキャリアや料金プランを見直せば年間で5万円以上も節約できるケースもあります。

保険料やNHKの受信料を年払いに切り替えて割引を受ける

今、月払いにしている保険料やいろいろなサービスの料金は、年払いにすることで安くなることもあります。見直しをして、契約内容を変更するなどしてみましょう。

自動車保険の更新前に各社を比較。保障内容をしっかり調べながら検討する

自動車保険は更新前に他との比較をしましょう。安くなるなら切り替えも検討していくといいですよね。ただし、保険料が安くても保障内容がしっかりしていないと不安になってしまいます。保障内容と料金をきちんと調べるようにしましょう。

塾は夏期講習など追加料金も必要。年間ベースで計算して通塾先を決める

子どもの教育費の中には塾代も含まれることがあります。基本料金の他に、講習代など追加料金がかかることもあるので、年間のスケジュールと料金を確認した上で、塾を決定することが大切ですね。

家計管理には「この方法でなければ」という決まりはありません。調べながら検討していくことで金融感覚も研ぎ澄まされていきます。

おわりに

金融リテラシーが高い人は、結果として金融トラブルが少なく、借り入れの負担感が低く、経済ショックへの耐性も強い傾向があるようです。お金に関する知識は人生に関わってきます。自分や家族の将来のため、金融トラブルから身を守るためにも、日常の家計管理を通して金融リテラシーの向上につなげていきましょう。

【参考】
「金融リテラシー調査(2019年)」 金融広報中央委員会(知るぽると)
「最低限身に付けるべき金融リテラシー(4分野・15項目)について(https://www.fsa.go.jp/news/25/sonota/20131129-1.html)」金融庁
「高齢者の金融リテラシー〜生活に不安を抱えながらも資産の持続力に楽観的〜(2019年12月)」フィデリティ退職・投資教育研究所

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