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「何もしない」のも効果あり!?塾講師が教える子供を待つことのススメ

LIMO / 2019年12月6日 7時15分

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「何もしない」のも効果あり!?塾講師が教える子供を待つことのススメ

今さらですが、便利な世の中ですね。わからないことはスマホ検索ですぐに答えが出ます。人間の代わりにAIなどが何かをすることもできます。

便利になった反面、待てないことも増えているように思います。特に答えのなかなか見えない子育ての場合、とにかく待たないといけないことは多いはずなのですが、親が待てないものだから口出し・過干渉になるケースがよく見られます。

子供のケンカに親が入り込むものだから子供に判断力が養われず友達がいなくなる、子供の就職説明会に親が出席したり子供の就職先を決めたりする、など親が干渉するゆえに子供の自立をさまたげているのではと思われる話もよく聞きます。

そこで今回は、親が子供にしてしまうことの影響と子育てに必要な「待つ」気持ちをあらためて考えてみます。

待てない親、オロオロする親

親子の三者懇談をしていてよく思うのですが、親の前では表情がかたく、しゃべってくれない子供が多いです。ところが、授業など親のいないところでは、いい笑顔を見せてよく話をしてくれることもあります。親に遠慮しているのかもしれません。

昔、このような子がいました。小学生低学年の男の子、オドオドした様子でなかなか目が合わせられないという印象でした。少し上にしっかりしたお兄ちゃんがいて、比べられているところがあったのかもしれません。

筆者が企画した子供向け史跡巡りツアーにその子が参加したときのことです。電車で移動するのでもよりの駅に集合、子供達は各自切符を買うようにしていました。自分で切符を買ったり自分の財布を管理したり時刻や行き先を確かめたりすることも大切な勉強だからです。

子供を駅まで送った後、親はたいてい「お願いします」と言ってすぐに去ります。ところが、その子が母親とともに駅に着いてから、母親は心配だからかなかなか去ろうとしません。切符を買おうとするときにも母親はその子に「早く財布を出して」「早く」と何度も言ってくるのです。

その子は決して器用なタイプでなかったために財布を取り出すにも時間はかかるのですが、出発まで余裕もあったので時間をかけて自分で切符を買えばよかったのです。

それが母親にとっては見ていられなかったのでしょうね。「早く」をくり返すし子供の財布を取ろうとする様子。「待って」と止めたものの「早くしなさい」のセリフは止まりませんでした。ようやく切符を買えたところで母親は帰っていったのですが、心配でたまらないようすはありありと伝わりました。息がつまりそうです。

子供は何をするにも時間はかかります。親の立場になると、そのような子供を見て「早くして」と言いたくなってしまい、子供の代わりに親がやってしまうこともあります。しかし、親がしてしまうと子供が自らするという「学び」の機会を奪ってしまうことになるのです。

結局、目に見える成果が出なかったとのことでその子は入会から4か月でやめてしまいました。成果が出せなかった塾の責任は大きいのですが、まだ4か月しかたっていなかったことと小学校低学年であったことを考えると、もう少し待つべきだったと思います。親に待つ姿勢があったら、子供もいきいきして長い目で見て成果も出せたのかもしれません。

見守るだけで上達

では、親は子供に何をしてあげればいいのでしょうか。何かしないと親の責任が果たせないと思われる方が多いかもしれません。

ここは逆に「何もしない」ことを選ぶのも一策だと思います。おそらく子供がうまれながらにして持っているであろう「判断力」を信じて何も言わずに、何もせずに待ってみるのです。

これは無視することとはちがいます。子供にベッタリ寄り添っていたところから少し離れて「遠くから眺める」のです。親が近いところにいると子供は親の言動を気にしてオドオドしてしまいますが、子供は親の見ていないところではのびのびして思わぬ才能を見せることも多いです。その姿を遠くから見て楽しむのです。

勉強や他の習い事でも、親が干渉してなかなか上達しなかったのが、親が入らず祖父母など第三者がそばにいるだけで子供は勉強や練習をするようになり成果を見せるようになったという話もよく聞きます。

どうしても何か言っておきたいのなら、「あなたを信じているから、自分で決めて行動しよう」と伝えてもいいでしょう。子供が何をするべきかわからないときは、たとえば「遊びに行ってから宿題する?それとも先に宿題をしてから遊びに行く?」と選択肢を与えて、少しずつ自分で判断できるように導いてもいいと思います。ただし、くどくならないように、いちど伝えたら待つという約束も親は守らないといけません。

おわりに

最終的には覚悟らしきものになりますが、親自身が「きっとだいじょうぶ」「子供を信じて待とう」と言い聞かせることが肝心であるようにも思います。

たとえば、子供ってなかなか靴をそろえませんよね。「靴をそろえなさい」と言ってもなかなか言うことは聞きません。だけど、いつまでもそろえられないということはないはずですし、よその家に行ったときには不思議とそろえているものです。

子供には本能的に「できる」力を持っています。それを信じて気長に待ってみてはいかがでしょうか。肩の力を抜いて今だから味わえる子供の変化を見守れたら何よりかと思います。

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