専業主婦世帯と共働き世帯の「収入差」は月10万円!共働きでも「貯金できない」理由とは

LIMO / 2019年12月8日 19時15分

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専業主婦世帯と共働き世帯の「収入差」は月10万円!共働きでも「貯金できない」理由とは

世帯年収1000万円と聞くと、「生活に余裕がありそうだ」と感じる人も多いことでしょう。ところが、実際には「年収1000万円でも貯蓄ゼロ」の世帯があります。

一般的に、お金がたまりやすいといわれている共働き世帯のなかにも、「貯金が増えない」と悩んでいる人が少なくありません。どういうことなのでしょうか。

年収1000万円で貯蓄ゼロの世帯

はじめに、金融広報中央委員会が2018年に公表した『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成30年)(https://www.shiruporuto.jp/public/data/movie/yoron/futari/2018/18bunruif001.html)』(各種分類別データ)から、「金融資産を持たない年収1000万円以上の世帯」がどのくらいあるのかを紹介します。

この調査では、預貯金や株式、債権や保険などの金融商品をまったく持たないか、運用または将来に備えるための預貯金を持っていない世帯を「金融資産を保有していない世帯」と定義しています。

本調査によると、年収1000~1200万円未満の世帯に7.3%、1200万円以上の世帯に3.8%の金融資産非保有世帯が存在します。年収1000万円でも貯蓄ができない世帯が少なくないことがわかりますね。

共働き世帯と専業主婦世帯の割合

「いまや共働き世帯は珍しくない」といわれていますが、実際にはどのくらいの割合を占めているのでしょうか。

独立行政法人 労働政策研究・研修機構の調査(※1)によると、2018年時点の共働き世帯の数は約1219万世帯、専業主婦世帯は約600万世帯になっています。約3分の2が共働き世帯です。一方、「専業主婦世帯も意外に多いな」と感じた人もいるでしょう。

家事や子育てに専念しやすいのが専業主婦(夫)世帯のメリットの1つです。共働き世帯では、夫婦がお互いに時間をやりくりしなければならない場面も増えがちです。「家事分担が原因でしょっちゅうケンカをしてしまう」という夫婦も多いのではないでしょうか。

とはいえ、老後の生活を考えると共働き世帯のほうが断然有利です。ダブルインカムで夫婦ともに定年まで無事に過ごせれば、2人分の厚生年金が入ってくるので安心でしょう。

貯蓄がしやすい共働き世帯

つぎに、共働き世帯と専業主婦世帯とでは、収入や支出にどのくらいの差があるのかをみていきます。

総務省統計局が2018年に公表した『家計調査 家計収支編[二人以上の世帯](https://www.stat.go.jp/data/kakei/2018np/index.html)』をもとに、妻の就業状態別に1カ月あたりの収入と支出をまとめたグラフを下記に記載します。(表「妻の就業状態別 世帯収入と支出」参照)

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「妻の就業状態別 世帯収入と支出」(総務省統計局のデータをもとに編集部作成)

共働き世帯のデータは、「夫婦共働き世帯のうち有業者が夫婦のみ」の数値です。一方、専業主婦世帯は、「夫のみ有業」のデータです。

実収入は、共働き世帯のほうが1カ月あたり10万円以上多くなっています。税金や社会保険料などを差し引いた後に残る「可処分所得」や預貯金に回すお金、そして黒字も共働き世帯のほうが専業主婦世帯を上回っている状況です。

一方、世帯から出ていくお金を示す「消費支出」はさほど変わりません。共働き世帯のほうが、圧倒的に貯蓄がしやすく、経済的に余裕がある環境だといえそうです。(表「妻の就業状態別 消費支出の内訳」参照)

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妻の就業状態別 消費支出の内訳(総務省統計局のデータをもとに編集部作成)

共働きなのにお金がたまらないワケとは

お金がたまりやすい共働き夫婦のなかにも、「貯金が増えない」と悩んでいる人がいます。その原因は、家計管理の方法にあるのかもしれません。

共働き世帯の家計管理のやり方はさまざまです。生活費を費目別に分けて、「住宅ローンは夫、食費は妻」などと分担しているケースもあるでしょう。生活費用の口座を作って夫婦がそれぞれお金を入れて、そこから生活費やおこづかいを拠出する方法も広く使われています。

とはいえ、夫婦の財布を別々にしていて相手のふところ事情がわからないと、家計の全体像が見えにくくなりがちです。「生活費以外の部分は自分が自由に使えるお金だ」と感じやすい点が、共働き世帯の大きな問題といえるでしょう。

お互いに相手がお金を貯めていると思っていたが、実は我が家には貯金がまったくなかった」という事態にもなりかねません。

財布が別の共働き夫婦は離婚しやすい?

夫婦が一緒に安心して老後を迎えるためには、できる限り共働きで稼いでおくほうが安心です。シングルインカムの場合、稼ぎ手に万が一のことがあると困ったことになりがちですが、共働きならリスク分散ができるのです。

とはいえ、共働きでも離婚をすれば、状況が大きく変わってしまいます。子どもを抱えたシングルマザー(ファザー)が貧困に陥りやすいことはよく知られています。2人で支えていた家計が回らなくなるので、女性だけではなく男性の生活が苦しくなることもまれではありません。安心して老後を迎えるためには、夫婦円満を維持することが重要になってくるでしょう。

自分の収入の詳細を配偶者に知られたくない人もいるかもしれませんが、配偶者の不平不満が蓄積しないように配慮することも大切です。「財布が別の夫婦は離婚しやすい」といわれることもあるため、十分注意しましょう。

夫婦仲良く老後を

人の幸せを決めるのはお金だけではなく、専業主婦世帯と共働き世帯の「どちらかが良い」というわけでもありません。家計管理についても、貯金ができて夫婦がお互いに納得できるなら、どんなやり方をしても良いのです。配偶者を尊重して意見をすり合わせながら、協力しあって老後に備えましょう。

【参考】
『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成30年)』金融広報中央委員会(知るぽると)
(※1)『専業主婦世帯と共働き世帯1980年~2018年(https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0212.html)』労働政策研究・研修機構
『家計調査 家計収支編[二人以上の世帯]』総務省統計局

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

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