ヨーロッパの食材を家庭で普段使いできる? EUと日本食材の組合せメニューを試食してみた
LIMO / 2019年12月11日 16時15分
ヨーロッパの食材を家庭で普段使いできる? EUと日本食材の組合せメニューを試食してみた
2019年2月1日、日本・EU経済連携協定(EPA)が発効されました。これは、日本とEU(欧州連合)間における貿易や経済活動の自由化や連携強化を目的とした協定です。
この発効を受け、EUは10月から「EUフードトラック・キャラバン」で6つの都市を巡るなど、EU食品を積極的に啓蒙してきました。ヨーロッパの食材と日本の食材を組み合わせたペアリングメニューを提供しています。
ヨーロッパの食材と日本の食材を掛け合わせた創作料理なんて、まったく普段の料理の参考にならない…。
一介の主婦としてそんな疑問を抱きつつ、12月5日に行われたイベント「Enjoy EU Village ~ヨーロッパと日本食材のパーフェクト・マッチを楽しむ10日間」の記者発表を取材しました。
EPA発効で関係が密になった日本企業とEU企業
12月6日~15日に表参道「COMMUNE」で行われている「Enjoy EU Village ~ヨーロッパと日本食材のパーフェクト・マッチを楽しむ10日間」は、日本食材とEU食材のペアリングメニュー全40種の中から毎日4品が毎日無料提供されるイベント。
5日に行われた記者発表には、女優の川島海荷さんと料理研究家のベリッシモ・フランチェスコさん、そして駐日欧州連合代表部 通商部 公使参事官部長のマリュット・ハンノネンさんが登壇しました。
EPAの発効により、2019年はEUと日本の企業がさらなる交流の機会を広げることになりました。ハンノネンさんによると、EUは「日本ではすでにたくさんのEU食材が流通していますが、この先数年の間に、まだまだ知られていない新しいヨーロッパ食材を日本市場で展開していきたい」と、今後いっそうの宣伝販促を考えているそうです。
さまざまな輸入食材を扱うカルディコーヒーファームの人気に表れているように、生ハムやスモークオイルサーディン、オレガノなどのEU食材はすっかり家庭でも定着しました。
しかし、それはあくまで「本場の食材を使って本格的な海外の料理を家庭で楽しめる」というのが目的。家庭で日本食材とEU食材のペアリングメニューを作るとなると、やはりハードルは低くありません。
食材の安心安全、品質の良さのレベルが近い日本とEU
そこで筆者は実際に「Enjoy EU Village ~ヨーロッパと日本食材のパーフェクト・マッチを楽しむ10日間」で食べられる、ペアリングメニューを試食してみました。
ドライイチジク(ギリシャ)とサンマを煮付けたペアリングメニューは、みりんや砂糖を使わないのにドライイチジクの芳醇な甘さが際立っていました。これは、パンにも麺にも白いご飯にも合います。
トッピングにバター(デンマーク)を乗せた豚汁は、まろやかでコクのある味わいに。味噌とバターが合うのだからみそ汁や豚汁とバターが合わないはずがありません。
オリーブオイル(イタリア)とオレガノ(ギリシャ)、そして日本食の代表格である豆腐を使ったカプレーゼを監修したベリッシモさんは、「豆腐がEU食材と合うのは、チーズの代わりになるから」と語りました。
なるほど、つまり洋食メニューの具材一つを日本食材に、和食メニューの具材一つをEU食材に置き換えていけば簡単だし、作るのが楽しそうです。
そのほかにも、海苔の佃煮をトッピングしたカマンベール・ド・ノルマンディというチーズ(フランス)、 シュバルツバルダーシンケンという燻製ハム(ドイツ)をトッピングしたサバ押し寿司、岩塩(ポーランド)をふりかけたお汁粉、スモークオイルサーディン(ラトビア)に大根とみょうがを合わせたメニューなどを試食。
総じて感想は「違和感がまったくなくおいしい」でした。これは、日本ではすでに様々な国の料理に親しむ機会があるため舌が慣れているというのもありますが、何世紀にもわたって培われた伝統に基づくEU食材の質の良さが、日本食材の持つ繊細さととても相性がいいというのも一つの理由でしょう。
日本食材×EU食材は特別感とお手頃感の両面を持つ
よくよく考えれば、醤油パスタやチーズ鍋など、勝手に日本人が「これ、美味しそう」と組み合わせたメニューはどんどん一般化しています。
一般化しつつも、伝統的な日本料理にはないちょっとした“特別感”や“新鮮さ”と、伝統的な海外料理にはない家庭でも簡単に作れる“お手軽感”の両方を味わえるのが日本食材×EU食材のペアリングなのかもしれません。スペイン産のちょっと贅沢なオリーブオイル「GOYA」をかけた納豆をつまみにワインと日本酒を飲みながら、そんなことを考えました。
2020年以降、EUはイオンと協同でペアリングメニューのキャンペーンを施行予定。またレシピ動画を配信するなど、より一般家庭の食卓に親しみやすい日本食材とEU食材のペアリングを推進していくとのこと。
2020年には今以上にスーパーにEU食材が並び、家庭のレシピにこうしたペアリングメニューが普及していくのかもしれません。
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