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大塚家具はヤマダ家具になってしまうのか? 大赤字を有価証券売却でしのいできたが…

LIMO / 2019年12月21日 11時20分

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大塚家具はヤマダ家具になってしまうのか? 大赤字を有価証券売却でしのいできたが…

2015年のお家騒動から4年、大塚家具は年間▲40億円を超える営業赤字が続いた結果、ヤマダ電機の傘下入りを発表しました。

大塚家具はこの間、有価証券の売却などでしのいだ状態です。しかし遂に売れる有価証券にも底が見え、ヤマダ電機から再建資金約66億円を受け取ることになりました。この資金支援で大塚家具は再建を果たすことができるのでしょうか?

大塚家具がヤマダ電機の傘下に

2015年にお家騒動が勃発した大塚家具(8186)が、12月12日にヤマダ電機(9831)の傘下入りを発表しました。ヤマダ電機は増資と新株予約権の行使で約66億円の出資を行い、大塚家具を子会社化する計画です。

ヤマダ電機は本業の家電量販店のみならず住宅販売なども手掛け、”家中丸ごとヤマダ電機”戦略を取っています。大塚家具の買収はその企業戦略に沿ったもので、今後の成否が注目されます。

3期続けて大幅な赤字を計上、今期も赤字が続く大塚家具

大塚家具の直近の決算は下記のように推移しています。

2018年12月期 売上高374億円、営業利益▲52億円、当期純利益▲32億円
2017年12月期 売上高411億円、営業利益▲51億円、当期純利益▲73億円
2016年12月期 売上高463億円、営業利益▲46億円、当期純利益▲46億円

2015年のお家騒動の後、同社は3期連続で▲40億円以上の営業損失を計上し、累計約▲150億円の赤字を計上しています。また今期(2019年12月期)も第3四半期(累計)の営業利益は▲29億円であり、業績回復の目途は立っていません。

なお、今回ヤマダ電機が大塚家具の子会社化に投じる資金66億円は、大塚家具のこれまでの状態から見ると、約1年半分の赤字額に相当します。

家具よりも有価証券の売却で生き延びた大塚家具

お家騒動が勃発する前の大塚家具は、万全の財務体質を誇る企業として知られていました。

家具販売という大量の在庫を抱える事業ながらも、ぶ厚い自己資本に加え大量の有価証券の保有により、独特の接客スタイルと巨大店舗を維持していたと言えます。

そしてお家騒動の後、大赤字の同社を支えたのは、遺産ともいうべき強固な財務体質と有価証券の存在です。特に前期(2018年12月期)は、家具よりも有価証券の売却で生き延びた一面があります。

前期のキャッシュフロー計算書を見ると、営業活動によるキャッシュフローは▲48億円のマイナスである反面、投資活動によるキャッシュフローは投資有価証券の売却により+31億円のプラスと、本業の大赤字の中で資金的に持ちこたえています。

ただしお家騒動前の2015年12月期に70億円を超えていた有価証券は(現預金も110億円を保有)、2018年12月期末には6億円(現預金18億円)にまで減少しており、同社を支えた有価証券も今期中には底が尽きる状態が迫っていました。

大塚家具の正念場はこれから

お家騒動後の大塚家具の経営は決して褒められたものではありません。ただし過去の遺産の取り崩しにより、どうにか食いつなぐことはできた状態です。

ヤマダ電機傘下に入ることで新たに再建資金を手にする大塚家具ですが、社長続投の大塚久美子社長にとっては会社建て直しの最後の資金となります。ヤマダ電機が資本の過半数を取得した後、久美子社長に次はありません。

生活部門の強化を図るヤマダ電機にとって大塚家具との資本・業務提携は、当然ビジネス判断を踏まえてなされています。その中で大幅な赤字を解消できないままでの大塚社長の続投は、お手並み拝見、との意味合いがあると考えられます。

大塚家具の再建まで残された時間はせいぜい1〜2年でしょう。大塚家具はヤマダ電機の支援により再建に成功するのか、それとも再建に失敗して最後はヤマダ家具となってしまうのでしょうか? 今後の大塚家具の行方が注目されます。

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