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年賀状が減っても初詣に行く人は減らないシンプルな理由

LIMO / 2020年1月3日 20時20分

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年賀状が減っても初詣に行く人は減らないシンプルな理由

新年あけましておめでとうございます。新しい年、令和2年(2020年)です。

今年はいよいよ東京オリンピック・パラリンピック(以下、東京五輪)が開催されます。東京が開催地に選ばれたあの興奮から、早くも7年が過ぎようとしています。月日が経つのは本当に早い。来年の今頃は、東京五輪の大成功を振り返っていることを期待しましょう。

そして、前回の東京五輪からは実に56年が経とうとしています。残念ながら、56年前のことを覚えている人は年々少なくなっているのが実情ですが、この間に日本を取り巻く国内外の社会構造に大きな変化が起きたことはご承知の通りです。それは年末年始における行動様式でも同じと言えましょう。

大晦日の定番だったテレビ番組の視聴率は軒並み大幅低下

行動様式が変化した具体例は数多くあります。お歳暮の贈呈の減少や、年賀状を書くことが減ったのもその代表例です。また、昨今は「#忘年会スルー」という言葉が流行ったように、忘年会や新年会を敬遠する傾向も強まりました。

こうした行動様式の変化は、大晦日の過ごし方でも見て取ることができます。一昔前まで、年越し蕎麦を食べながら「日本レコード大賞」を見た後で「NHK紅白歌合戦」を見て、そのまま「ゆく年くる年」で除夜の鐘を聞くというのが、大晦日の1つの典型的パターンだったと考えられます。

しかし今日、これら大晦日の代名詞的存在だった各番組の視聴率は大きく落ち込んでいます。既に13年前から12月30日の放送へ変更している「日本レコード大賞」は、ピーク時の50.8%(1977年)が16.7%(2018年、後半)へ低下。

「NHK紅白歌合戦」も、都はるみ(敬称略)引退時の78.1%(1984年)から41.5%(2018年、第2部)へ大きく落ちています。ちなみに、紅白の過去最高視聴率は、前回の東京五輪開催前年である1963年に記録した81.4%でした。

もちろん、視聴率だけで全てを判断するわけではありませんが、大晦日の定例パターンが崩れているのは間違いありません。また、最近では年末恒例だったNHK「ニュースハイライト」や「スポーツハイライト」のような、1年間を振り返る総集編も2015年を最後に放送がなくなりました。

年末年始の海外旅行は“ぜいたく”の象徴だったが…

さらに、年末年始を海外で過ごす人の増加も行動様式の変化と言えます。一昔前までは、海外でお正月を迎えることは相当なぜいたくであり、お正月をハワイなどで過ごす芸能人並みのステータスと考えられていたと思われます。

しかし、現在は年末年始のプレミアム(価格高騰)はあるものの、ホテルや航空券の予約さえ取れれば、海外で年末年始を過ごすことが一般化しつつある時代になりました。

ちなみに、JTBによる最新調査では、この年末年始(2019年~2020年)に見込まれる海外旅行者数(日本からの出国者数)は約76万2千人で過去最高になる見通しです。

初詣への参拝は、今も変化することなく残る数少ない伝統行事

そのような状況において、今も変わることなく行われている“日本らしい“伝統的な年末年始の習慣の1つが、初詣ではないでしょうか。いや、実は、“変わることなく”どころか、初詣参拝者は今も増えている可能性があるのです。

警察庁が公表していた統計値「初詣参拝者数」を振り返ると、2008年には過去最高の9,818万人を記録し、翌2009年も最高となる9,939万人を記録しました。

ところが、警察庁は2010年から初詣参拝者数の公表を取り止めたため、その後の正確な推移はわかりません。2010年から減っていることは考えられるでしょうか?

初詣の参拝者数は今も増えている可能性あり

確かに、2008~2009年はリーマンショック発生による不景気を脱したいと願う人が、例年以上に多く参拝した可能性はあります。一般的に、人は困難な状況にある時、何かにすがりつきたいようです。

しかし、主要な神社や寺の参拝者数には大きな落ち込みは見られないようです(たとえば、東京の明治神宮の初詣参拝者数は2015年310万人、2016年317万人、2017年320万人、2018年316万人、2019年318万人と推移)。

また、統計公表を止めた2010年以降も復興を願わざるを得ない自然災害(東日本大震災、西日本豪雨、台風災害など)が多かったこと等から、参拝者数が減っているとは考え難い状況にあります。

少なくとも、2009年の記録から大幅減少となっている可能性は非常に低いと見ていいでしょう。

初詣の参拝者が減らない理由は意外に単純?

しかし、なぜ初詣の参拝者だけが極端に減らずにいるのでしょうか?

初詣に行く人が、他の伝統的な行動様式に比べて減っていないと推察される理由の1つとして、年賀状のようにSNSで代替できないことが挙げられます。

また、忘年会などとは異なり、元々、個人個人が単独で行える様式であることも見逃せないでしょう。

さらに、初詣はお歳暮やお年賀のような費用がかかりません。必要なのはお賽銭だけです。その他、日程を年始の期間内でフレキシブルに変更できるという利点もあります。

これらは、いずれも難しい理由ではなく、非常にシンプルな理由です。

新年に清々しい気持ちで手を合わせて願い事をする

実際、皆さんの周辺でも、参拝する神社の規模などを考慮しなければ、何らかの形で初詣に行く人が多いのではないでしょうか。新しい年を迎えて、清々しい気持ちで手を合わせて願い事をするという日本伝統の行動様式は、今もしっかりと保たれているようです。

社会構造が益々変化していくと思われる今後も、この“初詣参拝”という日本の伝統が守られることを、2020年の初詣でお願いしようかと考えています。

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