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2020年、政府が推進する「テレワーク」は定着するか?ある意味ブラックな一面も

LIMO / 2020年1月2日 19時15分

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2020年、政府が推進する「テレワーク」は定着するか?ある意味ブラックな一面も

2020年は、東京五輪開会の年。このオリンピック開催時の混雑対策の一環として、政府は、出社をしない働き方である「テレワーク」の推進を掲げました。2020年までの毎年7月24日を「テレワーク・デイ」と定めて、企業等による全国一斉のテレワーク実施を呼びかけるなどの取り組みをしてきました

しかし、国土交通省が公表した「平成29年度 テレワーク人口実態調査(http://www.mlit.go.jp/common/001227706.pdf)」(2018年3月)によると、勤務先にテレワーク制度等があると回答した割合は、雇用者全体のうち16.3%。まだまだ少ないですが、今後は増えていくと想定されています。

では、実際にテレワークを行っている人の生活とは、どのようなものなのでしょうか?

(1) テレワークはメリットが多い?

テレワーク歴5年のRさんは、幼稚園児2人のお子さんを持つお母さん。以前、勤務していた会社などから、今までオフィス内で行っていた仕事を、在宅で行っています。子どもの預け先の確保が難しく、自宅で働くという働き方を選択した結果でした。

「メリットはたくさんあります。出産前は、無駄だなあと思っていた通勤時間を家事や仕事に充てられますし、他のワーママさんがなかなか参加できないと嘆く学校・園の行事に行けます。それに、子どもの調子が悪くなった時に、小児科をすぐに受診できることも大きいです」

でも、一方でこんなことも。

「家で集中して仕事に取り組むのが難しいんです。子どものお世話に家事もありますし、家にいるからと、夫にいろいろ用事を頼まれるんです。振り込みに行ってきてとか、郵便を出しておいてとか。細切れの時間を見つけては仕事をするんですけど、仕事関連のメール対応をしているだけでタイムアップになることもあります。できなかった仕事?もちろん夜中や早朝ですよ。睡眠時間を削ります。だから、ほとんど毎日が寝不足状態ですね

(2) 時間のコントロールが難しい

「納期は当然あります。事情があってのテレワークというのを会社も承知していますので、だいぶスケジュール的に余裕のあるものを割り振ってはくれていますが…。気が緩むと、その余裕すら食いつぶしてしまうこともあって。

だから、オフィスに行っていた時より、常に時間に追われながらの仕事になっていると感じます。オフィスと違って、私が働いている姿を見ている人がいないので、思いのほか時間がかかってしまうと、逆に成果が上がっていないとみられてしまうのでは?という不安もあるので、よほどのことがない限り、納期だけは意地でも守りますね

Rさんは続けます。

「でも、自宅なので、どうしてもいろんなことに気が散ってしまうんです。キッチン、トイレ、洗面所に行ったついでに、家事を思い出して『やらなくちゃ』ってなることもあるし、訪問販売やら宅配やらが訪ねてきて中断されることもあるし。だから、時々、子どもが幼稚園に行っている間、家ではなく、コワーキングスペースに『通勤』して仕事をすることもあります」

気分転換を心掛けつつ、時間をコントロール。テレワークを続けるには、こういった工夫も必要なようです。

(3) 意思の疎通の難しさ

テレワーク導入企業では、自宅やコワーキングスペースで仕事をして、業務上のやりとりはメールやチャット中心。Rさんも、会社とはそのように連絡を取っています。

「グループウェアで連絡を取り合っているのですが、仕事上のニュアンスが伝わりにくいと感じることがあります。見落としが起きたり、誤解による手戻りが出たり。できるだけ、軌道修正がしやすいように、会社に人がいる日中に連絡を心がけるのですが、相手が残業をすれば、その時間もあわせて仕事になります。意思合わせが一番時間のかかる作業といったところでしょうか。先ほども言ったように、家の用事で仕事が進まなければ、深夜・早朝・休日を問わず仕事になりますし、常時稼働状態だなあと感じることが多いです」とRさん。

メンバー同士が同じ場所にいない状態での仕事の進め方には、難しさもあるようです。

まとめ

Rさんは苦笑いをしながら話します。
「テレワーク職で働いていることを周囲になかなか理解してもらえない点も悩みかな。保護者の役員も回って来るし、保護者同士の連絡にも追われ、時間があっという間に過ぎてしまいます。これなら通勤して働いた方がましなのではと思うこともあります」

政府には、時代のニーズにあった柔軟な働き方としてテレワークを定着させたいという狙いがあるようです。ただし持続的にテレワーカーとして働くには、「時間の確保」と「自己管理能力」が重要です。

自分で仕事も生活時間も管理できる人、自分のペースを保てる環境にある人であれば、テレワークは優れた働き方となりそうです。一方、働く場所を容易に切り替えることができない人、量的な時間の確保が難しい立場の人もいます。

今後テレワークが広く普及していくためには、このような課題を解決していくことが重要になるのかもしれませんね。

【参考】
「平成29年度 テレワーク人口実態調査」国土交通省
「テレワークの推進 テレワークの意義・効果 テレワークの主な形態(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/telework/18028_01.html)」総務省
「テレワークとは(https://japan-telework.or.jp/tw_about/)」一般社団法人 日本テレワーク協会 

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