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「生命保険」の加入者は減少傾向…「もしもの時」のお金、多様な備え方

LIMO / 2020年1月3日 19時15分

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「生命保険」の加入者は減少傾向…「もしもの時」のお金、多様な備え方

生命保険は家族にもしものことが起きた時に生活を支える重要な保険です。かんぽ生命保険の不正販売問題で、契約時の取り扱い方などが大きな問題になり、日本郵政グループ3社(日本郵政、かんぽ、日本郵便)への3カ月間の業務停止命令(新規の保険販売などが対象)が発表されました。

生命保険は、世帯加入率が約9割にも迫るほど私たちにとってはなじみのある金融商品です。ただし、この契約金額が近年、低下傾向にあるといいます。家族のもしもの時に重要となるお金の備えについて見てみましょう。

約9割の世帯が加入「生命保険」の減少傾向

生命保険文化センター「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査(速報版)(https://www.jili.or.jp/press/2018/nwl4.html)」によると、生命保険(個人年金保険を含む)の世帯加入率は88.7%(うち、個人年金保険は21.9%)と高い水準が続いています。この加入率は、がん保険などを含む「医療保険」の加入率(88.5%)と同程度です。
しかし前回調査では89.2%となっており、それ以前は90%を超えていました。減少傾向となっています。

また、契約している保険金額や毎年の払込保険料(一世帯あたり平均値)については
・普通死亡保険金額…平均2,255万円
・年間払込保険料…平均38.2万円(うち個人年金保険は20.1万円)
このように2000万円超という金額になっていますが、調査結果によると低下傾向が続いています。2006年には保険金額の平均が3000万円を超えていた時期もあったのですが、直近のこのデータのように当時より約1,000万円も下がっているのです

負担が大きい?毎月の保険料

保険の払込保険料は、年間収入の中でどのくらいの割合を占めるのでしょうか。上述の調査の「世帯年間払込保険料対世帯年収比率」によると、全生保(※1)では収入に対して7.2%となっています。

世帯収入の平均値は622万円です(※2)。ただし、保険の契約は生命保険に限りません。それ以外にも、医療保険や自動車保険、住宅の火災保険もあり、中には子どもの人数分の学資保険を契約している家庭もあるでしょう。

平均年収620万円の可処分所得は約470万円であることを考えると、家計における保険料の負担は決して軽いものではないといえます。そのため、死亡保障1つに重点を置くよりも、医療保障や他の保険も含めて、保障を分散する傾向が広がってきているといえそうです。

(※1)全生保
「民保(かんぽ生命を含む)」「簡保」「JA」「県民共済」「生協等」の4つの機関の総称、またはこれらの機関が扱う生命保険商品の総称として使われています。「簡保」は2007年10月の郵政民営化以前の簡易保険商品

(※2)総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2018年(平成30年)平均結果(二人以上の世帯)(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2018_gai6.pdf)」<参考1-2> 表 貯蓄現在高及び年間収入の推移(二人以上の世帯)

子育て家庭に適した生命保険の契約金額とは?

ただし、平均データはあくまでも平均です。子育て期のため保障が特に必要だと感じる場合は、子どもや世帯主の年齢をもとに家庭ごとの必要額を算出してみましょう。
以下は世帯主の年齢層別の保険金額データです。

《世帯主の年齢別でみた世帯普通死亡保険金額(全生保)》
• 29歳以下:2,475万円
• 30-34歳:2,883万円
• 35-39歳:2,857万円
• 40-44歳:3,032万円
• 45-49歳:3,050万円
• 50-54歳:3,183万円
• 55-59歳:2,618万円
• 60-64歳:2,493万円
• 65-69歳:1,615万円

世帯主が30代から50代前半という子育ての時期に保険金額が最も高くなる傾向にあることが分かります。その後は必要な保障額の見直しが行われていきます。

子育て期にあり保険金額3,000万円で契約した場合、年収が平均的な600万円台であれば約5年分の備えに該当します。ただし、保険だけで準備しようとすると契約金額に比例して払込保険料も上がっていきます。保険以外の方法も含めて、トータルでリスク管理を考えていきましょう。

リスク管理はトータルで「遺族年金」「死亡退職金」「団信」そして「貯蓄」

もしもの時に頼りになる保険として、公的年金である「遺族年金」、勤務先からの「死亡退職金」や「弔慰金」もあります。「学資保険」、住宅ローンを利用中で「団信」を契約している家庭もあるでしょう。もちろん貯蓄であれば使いみちも自由です。

遺族年金

遺族年金は、受給要件を満たした国民年金や厚生年金保険の被保険者(過去に被保険者であった方を含む)の死亡により、生計を維持されていた遺族が受けることができる年金です。

死亡退職金・弔慰金

会社に勤めていた人が亡くなった場合は、会社の規定により死亡退職金や弔慰金が支払われます。勤続年数や給与の額、社内規定により金額が異なります。

学資保険

保険契約者に万が一のことがあった場合、その後の保険料の支払いが免除になります。契約期日には保険の満期金を受け取ることが可能です。

団信(団体信用生命保険)

住宅ローン利用中で「団信(団体信用生命保険)」に加入している場合は、契約者死亡の際に以降のローンの支払いが免除され完了します。

貯蓄

教育費、医療費、老後資金など自由に使える貯蓄(投資)として、税制優遇のある「NISA」や「つみたてNISA」などの制度もあります。貯蓄ですので掛け捨てになることはありませんが、「NISA」や「つみたてNISA」を活用する場合は投資のため、元本を保証するものではありません。

さいごに

もしもの際に備えておくことはもちろん重要ですが、備え方には多種多様な方法があります。リスク対策は分散していくことがポイントです。複数の方法で検討していきましょう。

【参考】
「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査(速報版)」生命保険文化センター
「家計調査報告(貯蓄・負債編)2018年(平成30年)平均結果(二人以上の世帯)」総務省統計局
「遺族年金(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/20150401-03.html)」日本年金機構
「No.4117 相続税の課税対象になる死亡退職金(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4117.htm)」 国税庁
「団体信用生命保険(http://www.zenshinhoren.or.jp/danshin/)」全国信用保証協会連合会
「NISAとは(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html)」金融庁

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

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