「はじまりは、夫の故郷での部屋探し」近くに引っ越したことで深まった「姑との溝」
LIMO / 2020年1月6日 10時15分
「はじまりは、夫の故郷での部屋探し」近くに引っ越したことで深まった「姑との溝」
古今東西、絶えることがない嫁姑問題。「姑にあんなことを言われた。」「姑にこんなことをされた。」と訴える人が後を絶ちません。しかし、中には、姑に悪気がないのをわかっているだけに、対応に苦慮するお嫁さんもいるようです。
今回は、「義実家のそばに引っ越したことで、世話好き・イベント好きの姑と溝が深まった気がする」というEさんの体験談をみてみましょう。
はじまりは、夫の故郷での部屋探しから
Eさん一家は、子どもたちが2歳、0歳の時に夫の故郷への長距離引っ越しを体験しました。
まずは住居の確保ということで、部屋探しのために義実家に宿泊させてもらったときのことです。ついて早々、「実は部屋はだいたい目をつけておいたの。」と姑が何枚もの図面を出してきたのです。「本当はね、全部契約まで済ませて、あとは引っ越すだけにしてあげようと思ったんだけど…。でも、不動産屋さんが、ご本人たちが来れるならに見てもらえってとりあってくれなくて。
だから、内見の予約だけ入れさせてもらったの。一緒にいきましょうね。」という、全く悪気のない姑の言葉に戸惑うEさん。というのもEさんの感覚では、結婚した子どもの部屋探しに親がついてくるのはおかしいような気がするし、ましてや勝手に契約までしようというのはあり得なかったからです。
内見当日、宣言通り姑はついてきました。夫が運転する車の助手席に乗り込み、あちらに行けこちらに行けと、不動産屋めぐりから内見まで、すべてを仕切る姑。おそらく、人生の先輩として部屋の良し悪しを見極めてくれる気満々だったのでしょう。
最初のうちこそ、まあまあ部屋を見学することができていたEさんでしたが、そのうち子どもたちが家の見学ばかりで飽きてきました。午後ともなると子どもたちを行く先々でなだめすかし、不動産屋さんの話を聞くどころではありません。気もそぞろに見学をしているEさんをよそに、あれやこれやと話をすすめてしまう姑と夫。
しかも、「妻の好きなところでいいよ。」スタンスの夫は、姑の「ここでどう?」という言葉に、よほど嫌なことがない限り「Eさんがいいなら。」と丸投げしてくるのです。結局、姑の「ここがいいんじゃない?」攻撃にあらがえなかったEさんは、適当なところで手を打つしかありませんでした。
引っ越し当日も張り切ってきてくれたけれど
引っ越し当日も姑の世話焼きは続きます。「平日だから男手は集まらないけど、女手は集めたわ。」と、なんと姑、義姉、義妹が引っ越し先のアパートに現れたのです。荷ときをしてあげようという心遣いだったようなのですが、義妹に至っては当時1歳の子どもを連れての登場。
Eさんは、「危ないから。」と帰ってもらおうとしましたが、「いいじゃない。義妹の子が、あなたの子どもたちのいい遊び相手になるでしょう?せっかく来てくれたのに。」と姑はとりあってくれません。しかも、なぜか1歳の子を気にすることなく片づけに専念してくれる義妹。結局、Eさんが0歳から2歳の子どもたちの相手をしながら片づけをする羽目に…。
そんなEさんに、次々と「これはどこに?」「あれはどこに?」と指示を求めてくる姑。うまく指示を出せないEさんに業を煮やしたのか、姑が一言。「ああ、もう。Eさんは子どの相手で忙しいようだから、全部やってあげましょう」。
その声をきっかけに、3人は、Eさんの承諾を得ることなく、段ボールを片っ端から開けだしました。さすがに洋服や下着類は箱のまま部屋に入れてくれましたが、キッチン用品や食器は、姑たちの感覚でいろんなところに片づけられていきます。夫は、家電の配線に夢中で、背後で繰り広げられる光景には全く気付いていない様子。
義姉が、そっと耳元でささやきます。「ごめんね。言うこと聞かないとあとがうるさいの。気に入らなければ後で直しておいてね。」Eさんはその瞬間、この家では、姑の世話焼きを受け入れないと生活していけないのだと悟ったといいます。
引っ越し翌日も驚きの連続
結局、引っ越しはすみましたが、どこに何が入れられたかがわからず、アパートでは、夕食を作ることもお風呂に入ることもままなりません。その日は姑の勧めで、義実家で夕食をごちそうになり、お風呂もいただいて、とりあえずひっぱりだした布団で寝ました。
その翌日のこと。夕方近くになって玄関のチャイムが鳴りました。でてみると、義両親が玄関先に立っています。Eさんがでていくと、姑はにこにこ笑いながら「お風呂、まだでしょ?」と聞いてきました。意味が分からず戸惑うEさん。すると姑が口を開きました。「ここではね、引っ越し直後の誰も入っていないお風呂に入ると縁起がいいといわれているの。昨日はうちで入ったから、ここはまだ誰も入ってないはずでしょう?お父さんと私がいただきたいの。」とにっこり。
最初は断ろうとしたEさんですが、ふいに義姉の言葉が頭をよぎります。ここでもめても・・・と、義両親をお風呂に案内するしかありませんでした。
まとめ
「姑も年を取って、こんなのはだいぶ減りました。子どもの家庭のイベントに『手伝いたい』『参加したい』という気持ちはわかるんです。おそらく悪気もないでしょう。
でも、自分が、自然と圧力を加えていることには気が付いていないんでしょうね。波風立てたくないので、ちょっと強気の異文化圏の方だと思って当たらず触らす付き合うようにしています。」と苦笑いのEさん。嫁と姑の溝は、なかなか埋まらないもののようです。
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