「私、自分を殺しての親孝行はもうやめました」婚活、親優先…正月帰省で決めたこと
LIMO / 2020年1月7日 9時45分
「私、自分を殺しての親孝行はもうやめました」婚活、親優先…正月帰省で決めたこと
年末年始は親や兄弟、親戚と会う機会も増える時期です。楽しい時間を共に過ごした人も多いかと思います。しかし、いくら血がつながっていたとしても「どうしても親と合わない」という人もいるものです。育ててもらった感謝から大人になってもまだ「親のために頑張らないと」と思い苦しみ続ける人たち。それ、もうやめてみませんか?
帰省、もうやめました
大学進学を機に上京し、そのまま東京で就職したというSさん。彼女は愚痴っぽい両親が子供の頃から苦手でした。しかし、両親はSさんに「盆暮れ正月くらいは必ず帰ってこい」と口うるさく言っていたため「これは最低限の親孝行なんだ」と自分に言い聞かせて帰省していたそうです。
「帰省して喜んでくれるのであればいいんです。でも、うちの親は『都会に行っても相変わらずお前はパッとしない』だの『東京での生活に調子に乗ってロクに貯金もしていないんだろう』なんて顔を見るたびそんなことしかいいません。近所の幼馴染は就職の際、地元に戻ったのですがその子と比べられ『あの子は昔から親孝行だった。お前みたいに親を捨てる子とは大違いだ』なんていわれる始末。
こちらとしては普段から親を十分気にかけているつもりだったのに、親の目にはそんな風に映っていたんだな、と思ったら何かが崩れ落ちてしまって。『もう親の声を聴きたくない』その一心で、正月の帰省をやめてみたんです」
年末年始は仕事が休みの会社に勤めていたSさん。親に嘘をつくのが心苦しく「本当に仕事を休めない会社で働いてみよう」と元旦から仕事があるサービス業に転職しました。両親からは「そんな会社にわざわざ勤めるなんて馬鹿だ」と電話で文句をいわれましたが、両親から浴びせられる言葉から解き放たれ、初めて清々しいお正月を過ごしたそう。
「いきなり親に嘘をつく勇気はありませんでしたが、こうやって仕事を免罪符にして帰省をしないという道もある、と気づけたことでストレスから逃げられるとは思いませんでした。相変わらず親は『次はいつ帰ってくるんだ』といいますが、まだまとめて休みが取れない、とだけ返事をしています。心苦しいことも多いですが、両親の誕生日や父の日・母の日の贈り物は続け『会わないことで自分のメンタルを保つ』ことをしばらくは優先していきたい」と語ってくれました。
親のための婚活、やめました
自営業を営む両親の元、一人っ子として育てられたKさん。子供の頃から自然と「お婿に来て、家業を一緒に継いでくれる人と結婚する」ものだと思い込んで育ったそうです。とはいえ、Kさんが好きになった人が必ずしも次男や三男というわけではありませんでした。Kさんはそのたびに苦しみ、親に交際がバレるたび「長男なの?」「うちを継いでくれる人なんでしょうね?」と追い詰められてきました。
そんなことに悩み疲れ、すっかり男性との交際から遠ざかっていたKさん。母親から「このまま私たちは孫の顔を見られないのか」「このままだとうちの商売やお墓はどうなるの?お母さん、ご先祖様に顔向けができないわ」と泣かれたことで「この人は私の幸せなんてどうでもいいんだ」と気持ちが冷めてしまったそうです。
「今までは『私のためにこの家のことを受け入れてくれる人』を心のどこかで探していました。しかし、私のことなんて全く考えていない親のために私が結婚・出産する意味とは?と考えてしまって。もう、そういうものから卒業しようと思いました。すると自然と体が軽くなり、また恋をしてみたくなりました。
今好きな人は趣味の合うすごく年上の人です。前の奥さんとの間に子供もいるので、もう子供はいらないといっています。私自身も彼といることが幸せなので、どうしても子供が欲しいとは思わず、ただ彼と年を重ねていきたいと願っています。まだこのことは親には言っていません。当然反対されると思いますが、私の幸せは私のもの。親や家のために小さな頃から我慢してきた自分とさよならできた今が一番幸せです」
親の喜ぶ返事、やめました
実家暮らしのYさんは優秀だった姉に比べおとなしく、いつも両親からできない子として扱われてきました。親元を離れて一人暮らしするチャンスも何度かありましたが「あんたが一人で暮らせるわけがない」といわれるたび、自立するきっかけを逃してきたそう。
「両親はいつまでも『できない私を守る自分たち』でいることに優越感を覚えているような人たちでした。確かに子供の頃は、家のことを完璧にやる母・企業人だった父を尊敬していました。しかし、私も社会に出て働くようになり『両親はそこまで完璧な人間ではなく、いろんな面を持っている』ことに気づき始めました」
でも、それがわかってからも「お父さんはすごい」「お母さんのおかげただよ」とついつい口にしてしまっていたというYさん。それはまるで永遠に上司の接待が続いているかのようだったそうです。「でも、ある日母の不注意でお風呂場が水浸しになったことがあって。それを注意したところ『人を年より扱いして生意気だ!』と大騒ぎされました。
そのことで『親も年を取ったことに気づかせなければいけない』と気づいたというか。この先、父だっていつまでも車を運転できるかわかりません。免許を返納させるときになってから急に意見をしても間に合わない。そんな気持ちから、親に対してのイエスマンでいることをやめる決心をしました」
最初のうちは、何を言っても「急に嫌な子になった」などと言われていたYさん。しかし、今まで親と本音で話してこなかった自分とは思えないほど徐々に本音が出てくるようになったそう。最近では「あんたは不器用だから無理」といわれ通わせてもらえなかった教習所に自ら通い、父がいつ引退しても送迎ができる様に免許の取得を目指しているそうです。
まとめ
「親を悲しませるのは裏切り行為だ」と思い込んでいる人たちは一定量存在します。少し前に社会問題にもなった「毒親問題」。これは子供だけの問題ではありません。成人した大人でも毒親に洗脳され、自由に生きられていない人はたくさんいます。そんな苦しみの中にいる人は、勇気を出して親の顔ばかり見るのをいったんやめてみてはどうでしょうか。自分の人生を歩む小さな一歩となるかもしれません。
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