子育てが終わらない老後に頭を抱える親たち。社会と関わりを断ち切った「ひきこもりの原因」
LIMO / 2020年1月13日 19時45分

子育てが終わらない老後に頭を抱える親たち。社会と関わりを断ち切った「ひきこもりの原因」
親として「子どもが社会人として自立すること」は寂しく感じる反面、どこかホッとするものなのではないでしょうか。ところが、いつまで経っても身の回りのことを親にしてもらい、子どもが家にひきこもってしまうケースも存在します。
そこで今回は、いつまでも子育てが終わらない状態と、それに伴う問題点を見ていきましょう。
深刻化する8050問題…ひきこもりの状態とは
40代や50代というと、「働き盛りで仕事や子育てに追われている世代」というイメージですよね。ところが、親と同居している状態でほとんど外出をしていない無職の人も、非常に多いのが現実です。
とくに50代の子の生活を80代の親が支えている「8050問題」は年々深刻化しており、大きな社会問題となっています。この状態が続けば、やがて親が亡くなり、自立できていない息子や娘が路頭に迷ってしまうでしょう。
2019年3月に内閣府が発表した「生活状況に関する調査(https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/life/h30/pdf/kekka_gaiyo.pdf)」によると、ひきこもりとは以下のような状態に当てはまる方になります。
・趣味の用事のときだけ外出する…推定24万8000人
・近所のコンビニなどに出かける…推定27万4000人
・自室からは出るが家からは出ない、または自室からほとんど出ない…推計9万1000人
※上記に当てはまる方で、その状態が6カ月以上続いている者のことを指します。しかし病気である場合や、妊娠、育児、介護、専業主婦・主夫などで6カ月以内に家族以外の人と会話した人を除外。また在宅ワーカーや自営業なども除きます。
なお、こちらは40~64歳のみを対象にした数字です。こう見ると、8050問題に直面している人の多さが感じられますね。
ひきこもりの原因はさまざま
ひきこもり生活を続けている人は、なぜ社会との関わりを断ち切ってしまったのでしょうか。その理由を探ると、人生におけるさまざまな壁が見えてきました。
・「45歳の息子は、就職活動がうまくいきませんでした。仕方なくフリーターとして働いたものの、プライドが邪魔をして辞めてしまったようです。それからというもの、仕事はせず、私にお小遣いをもらうようになりました。私はもうすぐ年金暮らしだし、そろそろ自立してほしいのですが…なかなか難しいようです」
・「息子は新卒で入社した会社でパワハラに遭い、2年目で退職してしまいました。精神的なダメージが大きかったようで、その後は家から一歩も出ようとしません。今年で40歳になるのですが、毎日部屋でネットばかりしているようです」
・「娘が20代のころ、病院で『パニック障害』だと診断されました。思うように仕事をすることができず、だんだん休みがちに。自主退職をして以来、ずっと家族以外と関わろうとしていません。症状は治まってきているのですが、社会に戻るには時間がかかりそうです」
ひきこもり問題を解決へ導くには?
一度社会から離れてしまうと、元に戻るハードルが一気に高くなってしまいます。だからこそ、ひきこもりの長期化を防ぐことが大切です。
とはいえ、家族だけでの対応には限界があります。できるだけスムーズに引きこもり問題を解決するには、第三者の協力が必要不可欠でしょう。
たとえば、厚生労働省が手掛ける「地域若者サポートステーション(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/saposute.html)」(サポステ)を利用するのもいいですね。ここでは、人とのかかわり方や働き方に関する支援を行なっています。コミュニケーション講座や職業体験をはじめ、ビジネスマナー講座、就活セミナー、パソコン講座など、その内容は多岐にわたります。
これ以外にも、ハローワークが行っている就労支援や、引きこもりの支援を専門とした民間団体、大人のひきこもり問題を支援するNPO法人も多く存在しています。なかには、外出が難しい人のため、家のなかでサポートを受けられる団体もありますよ。家族だけでひきこもり問題を抱えるのではなく、積極的に第三者の力を借りてみましょう。
まとめ
就活やパワハラ、病気など、さまざまな原因で引きこもる大人たち。彼らの生活を支えている親の負担は計り知れません。
いつまで子育てが続くんだろう…と不安を抱えている方は、支援団体に一度相談してみるのもいいでしょう。専門的なサポートを受けることで、解決の糸口が見つかるかもしれませんよ。
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