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漢字テストの前に答えを配布! 高得点を取れて当たり前…それでいいの?

LIMO / 2020年1月21日 10時15分

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漢字テストの前に答えを配布! 高得点を取れて当たり前…それでいいの?

小学生時代、月に1回程度の頻度で行われた大判の漢字50問テストを覚えているでしょうか。昭和の頃からある、あの漢字テストは、時が流れて令和となった現在も続いていますが、昔では考えられなかったことが起きています。

なんと、事前にテストが実施されることを先生が通知し、答えを配布するのです。

もちろん、学校や担任の考えによって対応が異なることもありますが、答えの事前配布は珍しいことではなくなっています。漢字テストの答えを事前に子供達に渡すメリットは本当にあるのでしょうか。

漢字テストの数日前に答えを配る先生

本格的に漢字を習い始めるのは小学1年生の夏休み明けからですが、さすがに1年生では事前配布はあまり行われないようです。学年の出来不出来も関係してきますが、小学1年生で「再テストが行われた」という話を耳にしたことはないですし、筆者の子供たちの学年でもありませんでした。

裏を返せば、小学1年生の段階では、さほど生徒間の差がないのでしょう。では、何年生頃から漢字テストの答えが事前に配布されるのか気になるところですが、習う漢字数が増える小学3年生、早くても2年生の後半から答えやテストそのものが配布されるようになってきます。

筆者は、上の子が小学3年生の時、数日後に行われる漢字テストのコピーと答えを先生から渡されたと聞いたときには心底驚きました。「今日の漢字の宿題はテストを丸暗記すること」と平然とした顔で言われ、時代の流れを感じたものです。

近所の先輩ママと道端や公園で会うたびに質問をしていくと、「昔では考えられないけど今はそれが主流みたい」という答えが。さらに、他県に住む知り合いに話を聞いてみても同様に、答えやテストが数日前に配られていると教えてくれました。

90点以上取れないと再テストになる

前もってテストや答えが配布されているということは、先生側が生徒に求める点数も自ずと高くなってくるということです。細かい点数はその都度変化しますが、概ね90点以下となった生徒が再テストを受けるケースが一般的です。

放課後は習い事などがあり、再テストは休み時間に実施されるので供達も必死になって漢字を覚えようとします。しかし、学年が上がるにつれてこうした手法をとったとしても、条件の点数をクリアする生徒の数は減っていくようです。

また、場合によっては再々テストも実施されるなど、事前配布していても点数が取れない子が出てきます。前もってどういった漢字が出されるか分かっていても、やはり全員が同じように高得点を取れるわけでないのです。

高学年になると既習漢字も増え、複雑な漢字を習います。テストで出される漢字を覚えようとしても、日頃から勉強していなければ簡単に暗記することは難しいのに変わりはないのです。

事前配布なしの実力勝負で受けると差が出やすい

漢字の抜き打ちテストがほとんど行われない中、年明け早々小学3年生になる筆者の子供が人生初めて告知なしの漢字テストを経験しました。担任の先生は他の小学校から転任して1年目ということもあるのか、これまでも自己流の指導をしている印象がありました。そして、新年から昭和的な抜き打ちテストを実施したのです。

「今からテストをします」と言われた子供たちはその場で大騒ぎし、正月休みから抜けきっていない我が子は散々な結果となったのは言うまでもありません。しかし、多くの子が「お母さんに見せたくない」と思うような点数を取っている中でも、満点など高得点を叩き出す子はいるのです。

事前配布なしだと、その子本来の実力が分かり、自分の勉強不足を再認識させるメリットもあります。その反面、点数が悪くても「今回は事前にわからなかったから」と深刻に受け取らず軽く流してしまう子もいるはずです。

抜き打ちテストの後、テストのコピーと答案を渡されて練習した上、再度テストが実施されました。大半の子が合格したものの、その多くは「事前にどの漢字が出るか分かっていた方が楽で良い」と口々に言っていたそうです。

あらかじめ配布されると場当たり的な覚え方になる危険性も

小学校低学年から、漢字テストが事前に覚える方法で行われることに慣れていると「テストで点数取れればいいや」と甘い考えになり、真の漢字定着に繋がらない危険性があります。

また、こうしたテストを繰り返し受けていると、自分の実力も分からなくなります。「いつも90点以上取っているから自分は大丈夫」と変に自信を持ち、継続的に漢字練習をしなくなるかもしれません。

さらに、高得点を取っていることに慣れていると、抜き打ちテストで低い点数を取った時にショックを受けて勉強と向き合えなくなることも考えられます。

前もって漢字テストの内容が分かっていると、ちゃんと暗記をすれば高得点は約束されたも当然です。しかし、果たしてそれが子供の勉強のためになっているのか疑問符がつきます。

たしかに、高得点を取れればモチベーションを維持する効果が期待できますが、本当の学力を身に着けることに繋がるのでしょうか。毎回事前配布をするのではなく、時には抜き打ちテストも行って子供の真の実力を分からせることも大切だと思います。

漢字テストを取り巻く環境はある意味「ぬるま湯」

「いつも漢字テストは高得点」と安心していると、テスト形式がガラリと変わる中学校以降に子供の真の実力を知り、慌てる羽目になります。イマドキの小学校の漢字テストは、保護者世代とは異なっていると認識し、市販教材やオンラインの無料教材を賢く利用して定期的に家庭で子供の漢字力を確認してみましょう。

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