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特別支援学級ってどんな感じ?ADHDの息子が通う小学校の1日に密着

LIMO / 2020年1月17日 20時45分

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特別支援学級ってどんな感じ?ADHDの息子が通う小学校の1日に密着

特別支援学級(特学)とは、教育上特別な支援を必要とする児童や生徒のために置くことができるクラスです。
特学への在籍を検討している保護者さんの中には、そもそも「特学ではどのような学びが行われているのか?」と疑問に感じている方も少なくありません。

そこで今回は、筆者の長男(「注意欠陥多動性障害(ADHD)」の診断を受けています)が在籍している特学の1日に密着し、どのような授業が行われているのかをお伝えして行きたいと思います

そもそも「特別支援教育」とは?

文部科学省によると、「障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うもの」(※1)としています。

自閉スペクトラム症(障害)(ASD)やADHD、学習障害(LD)などの発達障害を抱え、特別な支援が必要な子どもが通うことができます。もちろん、その他の障害があり支援を必要としている子どももその対象となります。

※特別支援教育の受け方などは、お住まいの市区町村により手続きが異なります。また詳しい内容については、文部科学省のパンフレット「特別支援教育(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main/004.htm)」をご参照ください
ここでは1人の児童の特学の生活を、母親の目線でお伝えしております。

登校〜朝礼

大人が直接施設へ子どもを送迎する保育園時代とは異なり、小学校では子どもたちだけでの「集団登下校」が始まります。

しかし、我が家の長男は集団登校で「列を乱す」「遊び始める」などといった行動が目立つため、朝は親が車で校門前まで送ることにしています。

学校に着くとまずは特学のクラスにランドセルなどの荷物を置き、朝の準備を開始!

長男の気分によっては普通級の朝礼に参加することもあり、その日の気分に合わせてフレキシブルに対応してくれます

長男は新しい環境に慣れるのがとても苦手なタイプであったため、1学期は学校へ向かわせるのに苦労しました。

朝から「学校へは行かない!」といい始めることも多く、ようやく学校に送ったと思ったら「どうしても家に帰りたいそうで…」と担任の先生から電話がかかってくることも一度や二度ではありませんでした。

新しい環境に戸惑いを感じすぎてしまうのも、発達障害を抱える子どもたちにしばしば見られる特徴ですが、特学ではできるだけ子どもの気持ちを大切にしてくれています。

「体を動かすのが好きな子には体育館で運動させる」「朝の準備は個々に応じてフォローし無理強いしない」など、特学では気持ちのいい朝のスタートが切れるように工夫してくれているのが印象的です

1時間目〜4時間目

通常学級では曜日ごとに時間割が決められていますが、長男が在籍する特学では時間割は「あってないようなもの」。

45分着席して授業をすることが苦手なため、生活の中に上手く学びを取り入れて学習が進められるように配慮してありました

例えば算数は、机に座って問題を解くのではなく、人生ゲームをしながらすごろくの出た目を使って足し算や引き算をする。

ひらがなの習得も、もちろん座って行うことができない長男でしたが、お菓子作りが好きという長男の性質を利用して「お菓子を作るためのレシピを書く」「作ったお菓子を先生たちに配る際の手紙を書く」といったように、上手く興味付けをしていただき、次第に文字の習得に意欲を示すようにもなりました

また、基本的には長男の「その日やりたい学習」を叶えてくれることが多く、体育を2時間たっぷりしたり、外へ散歩に出かけながら身近な生き物に触れる「生活」の授業を行ってもらったりと、本人は楽しそうです。

長男はかなり自分の意思を通すタイプなので、ほとんどを特学で過ごしていますが、同じ特学に在籍している他の学年の子どもたちは「音楽や体育は通常学級の子どもたちと一緒に、国語や算数は特学でじっくりと」というスタイルが多く見られます。

給食〜昼休み

長男の学校は生徒数が少ないため、給食は各クラスではなく「全校生徒が給食室に集まって食事をする」というスタイル。

アットホームでいいなぁと感じていましたが、長男はガヤガヤした場所や大人数が集まる場所が苦手です。

1学期のほとんどはなかなか給食室に入ることができず、別室で担任の先生と2人で食べる日が続きました。

こうした個々の特性や苦手なことにしっかりと対応してくれるのも、特学ならではの良さだと感じています。

特学では「苦手なことは無理強いしない」「得意なことはどんどん伸ばす」という教育が行われているため、子どもが嫌がることを無理やり行わせるような行動が一切見られないのが印象的でした。

そんな風に、温かく見守られながら過ごした長男。2学期頃からは全校生徒での給食時間もストレスなく過ごせるようになり、給食の後は友達と外や体育館で楽しく遊ぶ時間も増えたと聞いています。

今でこそ「大人の目がなくても」安全に遊ぶことができるようになった長男ですが、保育園時代は副担任の先生がつきっきりで見ていないとすぐに手が出てしまっていました。

入学当初にそのことを相談すると、しばらくは業間や昼休み時間も長男の姿が見えるところに担任の先生を配置してくださり、友達とのトラブルにも迅速に対応できるように配慮してくださいました。

終礼〜下校

掃除の時間や終礼なども長男の気持ちを第一に考えてくれるスタイルは変わらず、強制することなく上手に社会性を身につけさせてくれようとする学校側の指導には本当に頭が下がる思いでいっぱいです。

「今日はみんなと一緒に終礼したよ〜」「掃除頑張ったよ〜」などと長男が話してくれる頻度もぐっと増え、小学校生活が充実していることをうかがわせてくれます。

また、特学の一角には畳コーナーが設備してあり、気持ちが高ぶったときにゆっくりと落ち着くことができるスペースも確保してあります。

給食を食べて眠たくなったら畳の上でごろ〜んとすることもあるそうで、いい気持ちの切り替え場所になっているとのこと。

集団登校はまだ難しい長男ですが、少人数でのんびりと歩くことができる下校は楽しいといっていて、近所の子どもたちとぺちゃくちゃおしゃべりをしながら歩いて帰ってきます。

そんな長男の姿を見ていると、「ゆっくりだけれど、確実に成長しているなぁ」としみじみ実感。
それもこれも、特学の「無理強いしない」「個々に合わせた教育を行う」というスタイルがあってこそだと強く実感しています。

特学は個性を大切にするクラス

今回ご紹介したのは、あくまでも我が家の長男が在籍する特学の1日です。

市区町村の考え方によって特学の授業方針は異なりますが、そもそも特学とは「教育上特別な支援を必要とする児童や生徒のために置くことができる」クラス。

特学の先生たちは、定期的に発達障害などの研修を受けたり教育委員会からアドバイスを受けたりして、常に「子どもの個性に合わせた学び方」を研究し続けていらっしゃることがほとんどでしょう。

筆者は「できることなら通常学級に在籍してほしい」と思った時期もありますが、特学でのびのびと過ごす長男を見ていると、心の底から「特学にして良かったなぁ」と感じるのです。

特学を希望するか否かは、かなりデリケートな問題です。結果的に我が家の長男には特学が合っていたわけですが、子どもによっては通常学級が向いている場合もあるでしょう。

教育委員会に相談することによって「特学の見学に行く」こともできるはずですので、特学在籍を考えている保護者さんは、まずは見学に足を運ばれてみると具体的なイメージがつかめるはずです。

【参考】
(※1)「特別支援教育について(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main.htm)」文部科学省

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