株価が1年で2倍以上に!「業務スーパー」運営の神戸物産、注目点はタピオカだけにあらず
LIMO / 2020年1月21日 11時35分
株価が1年で2倍以上に!「業務スーパー」運営の神戸物産、注目点はタピオカだけにあらず
タピオカ銘柄として株式市場で知られているのが、「業務スーパー」をFC(フランチャイズ)運営する神戸物産(3038)です。
神戸物産は、八百屋や食品スーパーなども業務スーパーのFC加盟店としており、従来型食品スーパーの近代化を進める企業としての側面も有しています。
冷凍タピオカで一躍有名になった業務スーパー
最近は若干ブーム沈静化の兆しもありますが、繁華街を歩けば今も多くのタピオカティー店の姿が目に入ります。そんなタピオカブームで株価が上昇したのが、業務スーパーを運営する神戸物産です。
業務スーパーでは業務用の冷凍タピオカを販売しており、タピオカブームにより冷凍タピオカがバカ売れ。また、冷凍なら家庭でもタピオカが楽しめると報じられたことも、業務スーパーと神戸物産に注目が集まった一因です。
そして各方面から注目を浴びた結果、神戸物産の株価は昨年急上昇しています。
2019年1月に1,700~1,800円の間で推移した株価は、2020年1月10日には4,000円の大台を突破。約1年で2倍以上の上昇を見せました。神戸物産は、今ではすっかりタピオカ銘柄として株式市場で認知されています。
神戸物産はコンビニ以上にFC本部に特化
FCといえばコンビニを思い浮かべる方が多いと思いますが、コンビニの各店舗はFC加盟店のオーナーが運営し、本部が商品供給や運営ノウハウを提供しています。つまり、本部は厳密な意味で小売業ではありません。
これと同様、神戸物産もFC本部としてFC加盟店に商品を卸売りするビジネスモデルです。
ただしコンビニ業界はオーナーの引退などにより、直営店が増加傾向にあります。一方、業務スーパーは2019年10月期の総店舗数845店舗のうち直営店は2店舗のみと、FC展開に特化したビジネスモデルを堅持しています。
なお、同社は業務スーパーのFC展開の他にも外食事業などを展開していますが、売上の大半は業務スーパー事業で構成されています。
2019年10月期に大幅な増収増益を果たす
神戸物産の直近3期分の業績推移は下記の通りです。
2017年10月期 売上高2,515億円、営業利益146億円、当期純利益83億円
2018年10月期 売上高2,672億円、営業利益157億円、当期純利益104億円
2019年10月期 売上高2,996億円、営業利益192億円、当期純利益121億円
2020年10月期(予想) 売上高3,118億円、営業利益203億円、当期純利益133億円
神戸物産はタピオカブーム以前から堅調な業績推移を見せていましたが、タピオカブームを背景に、2019年10月期は大幅な増収増益となりました。
また、加盟店から仕入れ値の1%をロイヤリティーとして受け取ることで、手堅く利益を上げられる体制を構築しています。
地場の八百屋や食品スーパーも業務スーパーのFC加盟店に
FCビジネスには、経営の近代化が遅れたビジネス分野の変革を促進するという側面があります。業務スーパーのFC加盟店にも、八百屋や食品スーパーなど、昔ながらの事業者が含まれています。
人口減少社会の日本では、従来型の経営で行き詰まる食品スーパー店も少なくありません。筆者宅の近所の業務スーパーも、以前は地元の食品スーパーでした。
業務スーパーの成長は、FC加盟店を通じて食品スーパー業界の近代化を進めていると考えることもできるでしょう。
おわりに
冷凍タピオカで一躍メディアへの露出が増えた業務スーパーは、食品スーパーのFC本部特化型企業として、従来の食品スーパーなどもFC加盟店としつつ、成長を続けています。
ただし業務スーパーを運営する神戸物産の株価はタピオカ銘柄として人気化した結果、2020年1月16日終値で予想PER(株価収益率)34倍と、買われ過ぎの状態にあります。
今後さらなる成長により、高い予想PERを正当化することができるのか、同社の株価及び業績の行方が注目されます。
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