投資で失敗するのはこんな人…失敗4パターンから学ぶ、意外な落とし穴
LIMO / 2020年1月20日 19時15分

投資で失敗するのはこんな人…失敗4パターンから学ぶ、意外な落とし穴
資産運用は手軽で身近な存在になってきています。株式や債券、国債や社債、FXや仮想通貨など、幅広い金融商品があり、巨額の資産を有する人は必ずと言っていいほど資産運用を行っています。
しかし一般の人がボーナスなどを元手に株式投資を始めてみると、「こんなはずではなかった」という状況に陥ることがあります。投資の失敗エピソードや、手堅く投資する方法について改めて考えてみましょう。
[1]株主優待を目当てに投資をしたが、株価が大きく低下した
株主優待のある株を選んで購入している方もいるでしょう。株主優待には、各社、非常に魅力的な商品やサービスが取り揃っています。その企業の優待サービスを気に入っているから、株価の変動にかかわらず長期で保有したい、という方もいるはずです。
その一方で、株主優待で〇〇が付いてくるから株を買った、という方もいます。その場合は、優待と株価のバランスをよく検討しておくべきでしょう。優待サービスを得たいために高めの株価でも購入してしまうと、メリット分が帳消しになってしまうくらいの売買をしてしまうこともあります。
[2]目論見が外れ「信用取引」で大きく損をした
投資の中でも信用取引が気になる方もいるのではないでしょうか。「信用取引」とは、自分の資金を担保(委託保証金)にして、元手以上の取引を行う投資方法です。
信用取引では、株価が上昇すれば、自己資金のみの投資よりも多くの利益を得ることができますが、下落した際には損失額も膨らむことになります。資金を借りて投資をしている状態ですので、適切な対策を講じていない場合は、「追証(おいしょう)」とよばれる追加保証金が必要となる場合もあります。
このように、信用取引での資産運用には大きな可能性と莫大な損失を負うリスクの両方が含まれていることをしっかり認識しておく必要があります。通常の運用とは違い、「投資に失敗をして借金が膨らんだ」ということが起こり得るのです。
[3]値動きの大きい株に投資をして、損した
株式投資で、値動きの大きい株に注目が集まることがありますね。株価の振れ幅の大きさを「価格変動リスク」と言います。短期間での値動きが大きくリターンが大きいため、話題に上りやすいという面もありますが、その反面、値下がりによる損失を被るリスクも高くなります。
値動きの大きさに目をつけて購入する場合は、その銘柄の履歴や株価上昇の原因などを把握しておく必要があるでしょう。
[4]値動きに一喜一憂してしまう
投資の鉄則は、「安いところで買って、高いところで売ればよい」ですが、「もっと上がるのでは」という欲が出てくることがあります。しかし保有しているうちに下がり始めると、焦って売却してしまう方もいます。
保有し続けて上昇するのか、下がっていくのか、判断は本当に難しいもの。それでも、一喜一憂するよりも、長い目で成り行きを見守ることが安定投資のコツだといえます。
また、その株式の値動きを熟知している投資家にとっては、下落傾向の時は株価が割安となった「買い時」でもあります。損失はどこまでなら許容できるのか、自分のルールを作って判断していきましょう。
「投資で損したくない!」という方にオススメの投資方法
株式や債券、国債などの投資商品の中で、投資の初心者向きと言われるのが「投資信託」です。少額から始めることができ、資金が少ない人でも手軽に「分散投資」が可能となります。
投資信託は投資家から集めたお金を、運用のプロが複数の株式や債券などに投資・運用をするパック型の金融商品です。もし1つの銘柄が値下がりしても、他の銘柄で利益を出していれば損失をカバーできる可能性があるというわけです。
長期の積立投資でリスク分散
リスク分散には、積立て型の投資も検討してみましょう。毎月決まった日に決まった金額で自動的に金融商品を買い付けていくのが「積立投資」です。国が推奨するiDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAも積立投資となります。
投資信託の値段は「基準価額(きじゅんかがく)」と呼ばれ、運用会社によっては1日に1回公表されます。基準価額は上下するため、同じ1万円分でも購入できる投資信託の口数は毎月変わってきます。基準価額が下がった月は多くの口数が買える一方で、上がった月は買える口数が少なくなります。積立を長く続けるほど買付単価が平準化され、利益が出やすくなると考えられているのです。
投資信託で勝ち組になる方法とは
金融庁が2019年に実施した「販売会社における比較可能な共通KPIの傾向分析(https://www.fsa.go.jp/news/29/sonota/20170728/bunseki2.pdf)」によると、投資信託で運用損益率がマイナスになった人の割合(運用損益別顧客比率)は46%だったことが明らかになりました。つまり、利益を出している人も5割程いるということになります。
では、投資信託の勝ち組になるためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
まず、投資信託も投資・運用です。必ずしも成功するとは限りません。そして投資信託は短期間で利益が出るタイプの投資方法でもないのです。黒字化の波に乗るまで気長にコツコツと続けていくのがポイントです。つまり、元の資金が少額であっても継続し、長期運用することで利益につながりやすいのが投資信託だといえます。
ただし、利益が出る気配がない場合は解約する、というマイルールも重要です。あらかじめ許容できる損失のラインを決めておき、そのラインに到達したら機械的に損切りするのも損失を最小限に抑える重要なポイントだといえます。
まとめにかえて
投資家の中には巨額の利益を上げている人もいますが、その域に達するのは容易ではありません。さまざまな失敗も勉強代となる場合があります。しかし、高齢になってから新たに投資を始めた場合は、そもそも失敗する余裕がないことを自覚しておきましょう。
退職金等のまとまった資金で投資を始めるよりも、少額であっても早めの時期から継続して積み立て型の投資信託を継続するのも手堅い方法です。
投資は手軽で身近になってきていますが、すぐに結果を求めず、長い視点で見守ることが大切でしょう。
【参考】
「販売会社における比較可能な共通KPIの傾向分析」金融庁
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
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