時短ママを待ち受ける罠。結局フルタイムと同じなのに残業代も昇進もなし…
LIMO / 2020年2月3日 20時10分

時短ママを待ち受ける罠。結局フルタイムと同じなのに残業代も昇進もなし…
かわいい赤ちゃんとの育休を終え、職場復帰へ。フルタイムよりも時短勤務の方が、仕事と家庭の両立がしやすそうに見えるかもしれません。子どもが小学生になるまでは時短を使い、仕事の範囲も給料も減らして復帰する先輩ママは一見、何もかも手に入れているかのように映るでしょう。
しかし、本当にそうでしょうか? オバマ元大統領の妻であるミシェル・オバマは著書『Becoming』にて、時短勤務は罠になりかねないと述べています。オバマ夫人や筆者の友人のケースも踏まえ、待ち受けていた罠を見てみましょう。
第一子の出産後、時短で復帰した結果...
オバマ夫人は、第一子であるマリアちゃんの産後、シカゴ大学副学部長のポジションにハーフタイムで戻る権利を交渉し、勝ち取りました。家族との時間が増えてキャリアも捨てずに済むと、多くのママにように考えたのかもしれません。
しかし結果は、復帰前と同じように会議に出席せねばならない上に、仕事の量や範囲もほとんど変わりませんでした。オバマ夫人は著書にてこう語っています。
「(以下引用)唯一の違いは、給料が半分になるとともに、週20時間の勤務時間にすべてを押し込まなければならなくなったこと。会議が延びれば、家に飛んで帰ってマリアを拾って、午後の習い事に間に合うように送って行かねばなりません(マリアは熱心でハッピー、私は汗だくで過呼吸)。
私にとってそれは、正気の沙汰ではない二重苦のようでした。家で仕事の電話を受けるたびに罪悪感を持ち、職場で仕事中にふと「マリアはピーナツアレルギーかもしれない」と思ってしまうことにも罪悪感を持つ毎日。
自由を増やすためにパートタイムで働き始めたはずなのに、蓋を開けてみると何もかもが中途半端で、人生のすべての境界線があいまいになってしまいました(引用終わり)」
フルタイムと同じ仕事量でも待遇は...
筆者の友人にも、総合商社で10時~16時の時短で働くママがいます。彼女は育休中には、時短の制度が整っているので安心して復帰できると言っていました。
ところが、いざ始まってみると、労働時間と仕事量がアンバランスで、残った仕事を家に持ち帰り、時には日付を超えても働く日々。もちろん残業代は出ず、不満ばかりたまるとのことです。
友人は時短勤務ですが、周囲の商社マンたちはフルタイムなので、会議の時間や仕事も、彼らの都合で動きます。結果、18時まで会議に出て、ダッシュで保育園へ迎えに行き、子どもを寝かしつけて、22時から仕事を再開する...。結局フルタイムと変わらないと、何度も嘆いていました。
決められた労働時間を超えざるをえないのなら、フルタイムの方が仕事に見合う給料や昇進が得られる分、マシかもしれません。時短では、いくら労働時間外に頑張ってもその分の給料は出ません。成果も、周りの人には時短のイメージが強く、認めてもらいにくいかもしれません。
まとめにかえて
仕事時間が1日12時間以上だったり、深夜まで働くことの多い外資系コンサルなど、仕事量を50%まで抑える必要がある職業の場合、時短を選んだほうが賢明かもしれません。
しかし、9時~17時の勤務を10時~16時にするなど、80%の時間に抑えて給料も昇格も諦めるくらいなら、本当に時短勤務を選ぶべきなのか慎重に考える必要があります。
時短勤務以外の道としては、上司と話し合ってみたり、環境を変えることが難しいのであれば部署異動をしたり、働くママの多い会社への転職を視野に入れてみるのも一つの手段です。今はインターネットがあれば仕事ができる時代なので、フリーランスになるのも選択肢になりえるでしょう。
時短勤務は、オバマ夫人や筆者の友人のような罠にはまってしまう可能性もあるので、自分のワークライフバランスや家族と相談の上、よく考えて選択をしてくださいね。
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