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なぜ母は父の「不倫」を許したのか?不倫されても離婚を選択しなかった理由とは

LIMO / 2020年2月1日 18時45分

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なぜ母は父の「不倫」を許したのか?不倫されても離婚を選択しなかった理由とは

不倫…それは、何も既婚者に限った問題ではありません。「私には無縁」と思っていても、既婚者にハマってしまう独身者も少なくありませんよね。

今回ご紹介するエピソードは、筆者の実父が20年以上前に犯した独身女性との過ち。
父の不倫を知っても離婚を選ばなかった母は、なぜそのような選択をしたのか?20年の歳月を経て、改めて母に聞いてみました。
※筆者個人の見解です。不倫は民法上の不法行為であり、それを容認する記事ではないことをご理解頂ければ幸いです。

父親の不倫

筆者の父親が不倫をしていたのは、今から20年ほど前。筆者が高校生の頃でした。

不倫相手は父が働いている会社にアルバイトとして勤務していた女性で、なんと「娘(筆者)と歳がそれほど変わらない」という若さ。

筆者の母が不倫に気づいたのではなく、なんと「父の方からカミングアウトしてきた」というから驚きです。

なんでも、不倫相手からフラれて傷心しきってしまった父は、あろうことか「不倫の事実を母に打ち明けて慰めてもらおうと思った」のだそう。

ちょっと常識では考え難い父の行動ですが、母はそんな父を見捨てることなく現在も一緒に暮らしています。

なぜ母は離婚を選択しなかったのか?

いわゆる「できちゃった婚」の父と母は、性格の不一致から衝突することも多く、筆者の記憶では「父と母が殴り合いのケンカ」をしていた記憶が鮮明に残っているほど。

父は「THE昭和の男」という感じで、レディーファーストなどとはほど遠く、幼い頃から「なぜ母は離婚しないのだろう」と疑問に思っていました。

今回の記事を執筆するにあたって母に連絡をしてみると、その日も『お父さんがね〜』と父の愚痴が始まりました。

不倫されたとき、なぜ離婚しなかったのか尋ねると、母はこのように答えたのです。

お父さんが不倫していたのは薄々気がついていたの。だって電話代が急に高くなったり、泊まりでどこかに出かけたりすることが多くなったし。でもあるときから急に電話代が安くなって泊まりもパタリとなくなったからね。“あぁ、不倫は終わったんだな”って思ったわけ

母が父の不倫に気がついていたことを知り、筆者は軽く衝撃を受けました。自分なら絶対に問い詰めちゃうな〜なんて思いつつ、母はこう続けます。

『離婚したいと思ったのは不倫されたからじゃなくて、結婚当初から思っていたこと。でも実際に行動を起こそうと思うと、子どものことだけじゃなくて経済的にも心配なことが多くて、結局ずるずる結婚生活を続けていた』と。

日本人にありがちな「家庭を守りたい姿勢」と「経済的不安」、その背景

母のように、本当は離婚したくても「両親揃っていた方が子どもには良いはず」「離婚後の生活が金銭的に不安」という声は筆者の周りでもよく聞きます。

このような考え方は年々変わってきてはいるものの、やはり日本では「子どものため」「お金のため」に離婚に踏み切れない人もいるのは事実。

筆者が以前暮らしていたオーストラリアでは離婚者も多く、「愛がなくなったら離婚するのが子どものためよ!」とか「お金は国の補助とパートタイムでなんとかなるわ!」と考えている現地人も少なくありませんでした。

オーストラリアの平均時給は20ドル近くもあり、土日や祝日に働くと時給が倍以上になることも珍しくないため、正社員ではなくてもしっかりと稼ぐことができます。

また、シングル親に対しての偏見もほとんどないため、日本に比べると「離婚しやすく、シングルでも生活しやすい国」だといえるのではないでしょうか。

「欠点を見ず長所を見る」と離婚予防になる?

また、母はこうも話してくれました。

『離婚したいって何度も思ったんだけどね、お父さんのたったひとつの行動が頭から離れないの。それは、あなた(筆者)が赤ちゃんの頃に大きな地震があってね。そしたらお父さん、あなたに物が当たらないようにって、あなたの上に覆いかぶさって守ってくれたの。その姿がずっと心の中に残っていて、離婚を考えるたびにそのときの温かい気持ちが蘇ってくる。そうすると、“お父さんにも良いところはある”って思えてねぇ。だから、今日まで一緒にいられたんだと思うよ』と…。

この話を聞いて、今まで「不倫をするなんて最低!」と父のことを毛嫌いしてきた筆者ですが、なんだか嬉しくなってしまったのです。

「最低だと思っていた父が、自分のことを必死で守ろうとしてくれた過去がある」と思えるようになってからは、なんだか温かな気持ちが芽生え、父の不貞を少しは許せるようになった自分がいます。

「腐れ縁」って本当にあるんだ

筆者もパートナーを持つ既婚者という立場上、不倫されないという保証はどこにもありません。

もし不倫をされた場合、自分ならどうするのか?離婚するかしないかはわかりませんが、母から教わった「相手の短所ばかりではなく長所にも目を向ける」という考え方は、少なからず「離婚したい!」と高まる気持ちを鎮めてくれるのではないかと感じました。

現在の父と母は、ケンカをしながらでも一緒に温泉へ行ったり誕生日にはランチに出かけたりと、歳を重ねるごとに2人で過ごす時間が増えている様子。

結局、父の不倫はその1度だけであったことから、母も三行半を突きつけずに添い遂げる決心ができたのだと思います。

父と母を見ていると、本当に「腐れ縁」ってあるのだなと気づかされます。

父と母のようになりたいかといわれれば首を傾げたくもなりますが、相手の長所にフォーカスを当てていく母の性格と馬鹿正直な父の性格は、筆者にとって見習うべきところもあると痛感させられました。

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