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日本企業に残る”女性差別的”風土。働く女性4人が感じる男女格差の日常とは?

LIMO / 2020年2月12日 20時20分

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日本企業に残る”女性差別的”風土。働く女性4人が感じる男女格差の日常とは?

昨年12月に発表された、世界経済フォーラム(WEF)による「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」で153か国中121位だった日本。ジェンダーギャップとは、経済、教育、健康、政治の4分野のデータをもとに、男女格差を分析した指数です。

この121位という結果は前年の110位からさらにランクを落とし、先進国の中では圧倒的に低い順位。その現実が示すように、日本ではいまだに働く女性が「女性蔑視や差別」を感じることがあると言います。そこで今回は、4人の女性に職場で感じる男女格差について聞いてみました。

女性は会議に出られない

ある金融機関で働くAさん。Aさんの職場では、女性が会議に出られないのだと言います。

「同じ課長代理でも会議に出られるのは男性だけ。女性の課長代理本人は、そういうものなんだと思っていたみたいで、異議を唱えることはなかった。私が入社する前に何かあったのかもしれないけれど…。彼女はいつも皆の会議資料を置いて、会議室から出てくる」とのこと。会議室には男性しかおらず、女性社員の姿はないと言います。

「会議のスケジュールを組んで、会議参加者にスケジューラーを飛ばすのも、会議室を押さえるのも、資料を人数分印刷して会議室のテーブルにセットしておくのも女性」なのだそう。

「ほかにも、来客時のお茶出し、ゴミ出しも掃除もシュレッダーのゴミを集めるのも、コピー機が故障したときに修理のスタッフを呼んで対応するのも、とにかく雑用という雑用は全部女性。男性:女性の割合は7:3くらいなのに。男性が快適に仕事できるよう環境を整えるのに女性が使われている気がする」と語ります。

女性が雑用に回されることが多い状況に不満を抱いている様子ですが、Aさん自身もまだ30代に差し掛かったばかり。社内の女性にも若い人が多いので何も言えないのだと言います。ただ、同じ世代の男性と女性でも仕事の内容が異なるようで、女性蔑視は確実にあると思うと話していました。

セクハラしても昇進できる

あるIT企業で働いているBさんは、社内のセクハラに対する扱いに違和感を抱いていると言います。

「半年ほど前にセクハラで処分を受けた人がいる。でも、その人は直後に昇格。処分の対象者の名前は出なかったものの、周囲の女性が何人か彼についてヒアリングを受けているのも知っている。それなのに、すぐに昇格できているのが信じられない」とのこと。Bさんは処分対象者の名前が明かされなかったのも不服だそう。

「ほかの処分については、はっきりと名前が出る。それなのに、セクハラの処分については名前が出ない。人事の言い方的には『仕事がデキるからあまり大ごとにしたくない』という感じ。被害に遭った女性たちは『名前を出して処分を公表してほしい』と訴えたのに人事は動かなかった」と話します。

Bさんの会社ではセクハラがらみの処分はそれが初めてだったのだそう。「最近ようやくコンサルを入れて、きちんとセクハラやパワハラの対策をするようになった。その人の処分がきっかけになって、みんながセクハラに対して意識を持てばいいと思ったけれど…。どんなに優れたコンサルを入れたって会社自体が変わろうとしなければ意味がない」とため息をついていました。

「家事育児を女がするのは普通、男が手伝うと偉い」という雰囲気

2人の育児をしながらメーカー勤務をするCさん。誰もが知る大手企業ですが、職場の環境は居心地のいいものではないと言います。

「うちの会社は育児は女性の仕事という感じ。保育園が結構遅くまで預かってくれるので時短は使っていない。家庭内のルールは、仕事が早く終わりそうなほうがお迎えに行くというもの。夫自身は理解してくれていて、仕事が早く終わりそうかどうかをその日の昼過ぎに連絡をくれる」とのこと。しかし、周囲の人の発言には違和感を抱くと言います。

「お互い地方出張が入ることもある。夫より私のほうが専門的な知識を要する仕事をしているし、立場も上だからと夫は私の出張を優先してくれる。でも、周囲の人から『たまには旦那さんも地方出張に行かせてあげたら? 息抜きも必要だよ』と言われた。私は地方出張に行く前に料理をまとめて作ったり、着替えや保育園への持ち物を準備したりして、とても息抜きなんてできないんですけど?」と憤りを抱えています。

また、「夫がお迎えに行くと言うと『旦那さん偉いな~』とか『旦那さんってイクメンだよね。いいな』と言うけれど、私のほうが育児の負担は明らかに大きい。夫自身は『収入もオレのほうが低いうえに、あまり育児も家事も上手に分担できてなくてごめん』と言ってくれる」と旦那さんには感謝している様子。

「夫もそれぞれの家族も理解があるのに、職場の人だけが『育児と家事は女の仕事』『男が育児と家事を手伝うのは偉い』と思っているみたい」とため息。周囲に悪気はないようですが、こうした価値観はなかなか変わらないのかもしれません。

女性は絶対に男性より早く昇格しない

最後のDさんはIT企業勤務。Dさんが疑問を持っているのは会社の昇格システムだと言います。

「どんなに優秀な女性がいても、同期の男性よりも絶対に早く昇進昇格することがない。本当に優秀で成績トップの女性の先輩が、なかなか昇進できなくて皆が『なぜ?』って噂していた。もともと私の部署はマネージャーがやめて、その後釜にちょうどいいって皆思っていたのに」と言います。

「結局、他部署から彼女の同期がやってきてマネージャーになった。仕事ぶりはパッとせず、部署のマネージャーをやるほどの知識もスキルもない。なぜそんな人がわざわざ他部署から異動になってマネージャーになるのか謎すぎて、女の先輩に聞いたら『うちは男の人が昇格しない限り、同期の女の人は昇格できないんだよ』と当たり前のように言われた。それってあんまりじゃない? 合理的とは言えないし、明らかに女性差別を感じる」と憤りを隠せない様子。

もちろん、そのことは会社の規定で明文化されておらず、入社前にそういうルールを耳にしたこともなかったというDさん。暗黙の了解のような感じで、評価基準も不明なため、そうした人事について何か言いたくても言いにくいのだそうです。

おわりに

こうして話を聞くと、まだまだ日本には多くの男女の格差が残っているようです。このような習慣や意識が残っていると女性にとっては働きづらい環境になってしまいます。1日も早く、こうした企業風土が消えることを願います。

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