東京五輪の謎:「ボランティア不足だからパソナが派遣を募集してるって本当?」
LIMO / 2020年2月24日 20時20分
東京五輪の謎:「ボランティア不足だからパソナが派遣を募集してるって本当?」
大会ボランティアのライターが組織委員会に突入取材!(2)
東京オリンピックの開催まで半年を切ったというのに、いまだに「同じ仕事なのにパソナは有償で、ボランティアは無償」といったニュースを目にすることが多い。
私(ライター)は、大会ボランティアとして参加する予定だが、評判が悪いまま大会に参加するのは不安だ。そこで組織委員会に取材。ボランティア目線でかなり突っ込んだ質問もしたところ、意外な事実が見えてきた!
シリーズ第2回は、ボランティアや派遣社員はちゃんと集まっているのか?という疑問を中心に聞いている(参考:第1回『東京五輪の謎「パソナの派遣職員とボランティア、本当のところどう違うんですか!?」(https://limo.media/articles/-/16098)』)。
取材に答えてくれた、公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の担当者は以下の通り。
総務局 ボランティア推進部 部長 兼 人事部 担当部長 傳 夏樹氏
総務局 ボランティア推進部 ボランティア推進課長代理 古瀬 浩一氏
総務局 人事部 採用課長 朱 賢太氏
<取材・文/下原一晃 フリーライター。東京五輪・パラリンピックに、大会ボランティア(フィールドキャスト)および、東京都の都市ボランティア(シティキャスト)として参加予定>
ボランティアの「承諾」はこれから。現時点では不足は生じていない
――SNSなどでは、「ボランティアが集まらないから」「ボランティアが大量に辞退しているから」パソナで募集しているのだというコメントなども見かけましたが、そうではないということですか。
傳:まず、先ほど朱がお話ししたように、派遣社員とボランティアはスタッフとしての性質が異なります。代替の関係にありません。
さらに大会ボランティアの数も不足しているわけではありません。大会ボランティアを募集するときには「自らの手で2020大会を成功させたい方是非応募してください」と呼びかけました。結果大変多くの方に応募いただきました。具体的には、8万人の定員に対して20万人以上の方に応募いただきました。非常にありがたく思っています。
ちなみに、応募者のうち44%が外国籍の方でしたが、大会運営にはどうしても日本語が必要な部分が多くあることなどから、最終的には12%程度となりました。一方で、その分、12万人の方に活動への参加をお断りすることになり、大変申し訳なく思っています。
現在、大会ボランティアの研修、「フィールドキャスト共通研修」を行っています。この後の流れとしては、3月以降に具体的な役割・活動場所をお知らせする予定です。
その内容を「承諾」いただくことで、正式に役割・活動場所が決まります。そのときになって、役割や活動場所が希望と合わないという理由で承諾されないボランティアも出てくるかもしれませんが、現時点で、辞退された方はほとんどいません。
――大会ボランティアのオリエンテーション(説明会・面談)では、大会関係者が会場間を移動する車両の運転などの活動を行う「移動サポート」への応募が目標を下回っているという説明がありましたが、その後どうなったのですか。
傳:おかげさまで、「移動サポートでも問題ない」「なんでもやる」と多くのボランティアの方に手を挙げていただけました。3月になってみないと確実なことは言えませんが、現時点では「移動サポート」は不足しておりません。
「移動サポート」以外の活動でもボランティアの数は十分に確保できています。しかし、新聞やSNSなどを見たボランティアの方から、共通研修などの場で「ボランティアが足らないのなら、私の活動日数を増やしてもいい」と言っていただき、大変ありがたく思っています。
現状は適切な人員が配置できると考えていますが、正直なところ、大会が始まると何が起こっても不思議ではありません。足らなくなると大変ですが、人が余っても手持ちぶさたになります。これは過去大会でも起こった話です。どれぐらいの人員がいいのか、本番が始まってからも微調整を続けることになると思います。
そして、万が一、想定外の事象が発生し、人員が不足するような事態になった場合には、ボランティアの皆さんに「もう1日追加で来ていただける方はいませんか」といったお願いをすることもあるかもしれません。
派遣社員はまだ募集広告が出ているが?
――ボランティアが不足しているわけではないということですね。逆に、派遣社員は集まっているのですか。昨年11月に広告が出て、約2000人を募集するとのことでしたが、いまだに広告が出ていますね。
朱:派遣職員のほうにも多くの方の応募をいただいています。ただし、これからまだまだ人材が必要になります。1月1日現在で3400人弱の人数がいると言いましたが、大会時には職員だけで約8000人になる予定です。
その差である約4000人以上の方を直接雇用、パートナー企業や自治体からの出向者、派遣職員と雇用形態はさまざまですが、これから受け入れます。職員の数はこれから大会が近づくにつれさらに増えます。
――追加の4600人の中に、パソナで募集している2000人も含まれているということですか。
朱:正確には人数ではなくジョブタイトルの数であり、2000人ではなく2000ポジションです。1つのポジションで複数の人員を採用することもありますので、実際には派遣職員は2000人以上になります。
これまでは準備フェーズで、組織委のスタッフも建物の建設や車両の調達など、まさに準備の仕事をしてきました。今後はこれらがそろった上で、会場でどのように運用をしていくかというフェーズに入ります。
ボランティアの皆さんについても、実際にどのように活動してもらうかという計画を立てなければなりません。「この建物のこの場所に、何日の何時に何人のボランティアが必要か」といった計画表をまさに今、職員が一緒になって作っているところです。
それとは別に6月ごろからは、先ほどご説明したように、会場に入って仕事をする職員も増えてきます。会場に配置される職員は6月ごろから1カ月~2カ月の勤務になります。
つづく:第3回は「大会ボランティアと都市ボランティアの違い」について(2月29日公開予定)
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