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増加する専業主婦、独身女性の「ひきこもり」抱える孤独と女性特有の生きづらさ

LIMO / 2020年2月22日 20時50分

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増加する専業主婦、独身女性の「ひきこもり」抱える孤独と女性特有の生きづらさ

職場や学校での人間関係や受験・就職活動の失敗、病気などが原因で、学校に行きたくない、働きたくないと、家の外へ出ないひきこもりになってしまう人がいます。

2019年に内閣府が発表した「生活状況に関する調査(https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/life/h30/pdf-index.html)」による「広義のひきこもり(https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/life/h30/pdf/s2.pdf)」に該当する人の推計は、40~64歳の総人口4,235万人のうち61.3万人にのぼるとされます。

※(「広義のひきこもり(https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/life/h30/pdf/s2.pdf)とは「自室からほとんど出ない」「自室からは出るが、家からは出ない」「近所のコンビニなどには出かける」「趣味の用事のときだけ外出する」に当てはまる人で、その状態が6カ月以上続いている人のことを指す。病気である場合や、妊娠、育児、介護、専業主婦・主夫などで6カ月以内に家族以外の人と会話した人を除外。また、在宅ワーカーや自営業者なども除く。ただし、今回調査から「専業主婦・主夫」「家事手伝い」「家事をする、育児をする」人であっても、家族以外との接触が少ない人は含めている)

この「広義のひきこもり」に該当する人のうち、女性の割合は23.4%。男性に比べて少数であるとはいえ、一定数存在しているひきこもり女性たちがそうした状況に陥ってしまう背景には、特に30代以降の独身女性や専業主婦が抱えがちな、女性に特有の生きづらさや孤独といった事情があるようです。

周囲から期待される「女性らしさ」が重圧に

女性に特有のひきこもり原因のひとつとして、社会に出て周囲から求められる「女性らしい振舞いや能力」と自分自身とのギャップに対する苦悩があります。

「社会人になってしばらく経ち、いつまでも仕事のミスが減らない自分自身が嫌いになっていきました。当時の上司は『女性だったらこう出来て当たり前だろう』という言い方をする人で、そのプレッシャーに耐えられずに退職し、次第に外出すること自体が減っていって、家にひきこもるようになってしまいました。」

「昔から、いわゆる『空気の読めない』ところがあったと自覚しています。大人になって、よくある女性同士の褒め合いや同調、共感といった振舞いが上手く出来ないことで人間関係の悩みが増えて、どんどん人付き合いを避けるようになっていきました。」

社会に出ると様々な場面で実感させられる「あるべき女性像」や「女性に求められる役割」のような固定観念が、「私もそうならなくちゃ」という重圧になってしまうのでしょう。そのギャップを埋められない自分自身を「社会不適合者だ」「人付き合いが下手で苦痛だ」と感じて、外の世界を避けるひきこもりになってしまうようです。

妊娠・出産による社会からの断絶、ひきこもる主婦たち

冒頭の調査では、広義のひきこもりに該当する人のうち12.8%が専業主婦・主夫であるとされています。結婚や妊娠・出産を機に退職して専業主婦になり、その結果としてひきこもりになってしまうというパターンもあるようです。

「初めての出産後、いわゆる産後うつの状態になりました。『自分は母親としてふさわしいのか、この子をちゃんと育てられるのだろうか』という不安に押しつぶされそうになっているとき、外出先で目にする他のママたちはみんなキラキラ輝いて見えて、とてもその中に入っていく気が起きず、家にこもるようになりました。」

「夫が転勤族で、数年ごとに知らない土地に引っ越す生活が続いています。当然、友達はおろか知り合いもいないし、出かける先もないので、毎日ただただ孤独です。話し相手は夫だけ、最近では買い物に出る気にもならないのですべてネットで済ませてしまい、ほとんど家から出ていません。」

「結婚を機に退職したあと、私が外で働くことに夫が反対し続けているので、経済的に余裕がない状態が数年続いています。最低限の買い物しかできず、遊びになんてとてもいけないので友だちもいません。好きなことに時間もお金もかけられて、大勢の友だちと毎日賑やかに過ごしていたOL時代が嘘のような、心底寂しい生活です。」

「一人暮らしは寂しい」30代独身女性が実家にこもりがちに

不動産情報メディアのマンションサプリが行った、親や祖父母と同居している未婚の男女が対象のアンケート調査によると、同居理由の上位には「生活費の節約のため」や「家事や炊事をしてもらえるから」といったことが挙げられています。

そのなかで特徴的なのが、30代女性の第3位に入った「一人暮らしが寂しいから」という理由です。この回答は全体の15%にのぼり、同じ女性でも20代の4%と比べて大きな割合を占めています。

この年代の女性は、周囲の友人が次第に結婚したり出産したりして、独身の自分とは時間や話題が合わなくなっていきます。そのような状況を寂しく感じて、たとえ経済的には余裕があったとしても、精神的な理由から親との同居を選ぶというパターンもあるのでしょう。そうして実家暮らしを続けるうちに、ライフステージのズレてしまった友人たちとの関わりがますます減り、家のこもりがちになっていく人も少なくないのかもしれません。

まとめ

比率の高い男性の陰で見落とされがちな女性のひきこもりですが、女性ならではの背景からそうした状況に陥り、抜け出せなくなってしまっている人たちが存在しています。

再び外の世界へ踏み出そうとしている彼女たちへのサポートとして、今回ご紹介したような社会に出て感じる女性特有の生きづらさや周囲のライフステージの変化にともなう孤独感といった、苦悩する女性たちの実情に寄り添うアプローチが必要とされているのでしょう。

参照:内閣府「生活状況に関する調査(平成30年度)(https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/life/h30/pdf/kekka_gaiyo.pdf)」

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