”ずぼら掃除”のスペシャリストに、子育て中の掃除や夫に家事を促すコツを聞く
LIMO / 2020年2月27日 10時15分
”ずぼら掃除”のスペシャリストに、子育て中の掃除や夫に家事を促すコツを聞く
便利家電や家事アイテム、サービスがどんどん充実していく昨今。少し前と比べたら毎日の家事はグッとラクになりました。その一方、夫婦共働きで小さな子どもを育てていると、時間がない中で家事分担がスムーズにいかなくなることもしょっちゅうあります。
そこで2月12日にパナソニックが行った「パナソニックロボット掃除機 新製品セミナー」を取材。セミナーに登壇した“ずぼら掃除”を提唱する藤原千秋さんに、普段家事をやらない夫に掃除をさせるコツや、育児にもつながる家事や掃除への考え方についてお話を聞きました。
ロボット掃除機の難点は、床の物を片付けなくてはいけないこと
新製品セミナーでは、3月下旬にパナソニックから発売されるロボット掃除機RULOの機能発表が行われました。
そこで紹介されたのは、 掃除前のお片付けが不要になる複数の障害物検知センサー、見逃していた場所の徹底掃除ができるレーザーSLAM、段差のスムーズな乗り上げを可能にするアクティブリフト、音声操作や人の動きについて移動する業界初の「otomo(おとも)」機能などです。
ただ、こうしたロボット掃除機は便利だとはわかっていても、上手に使いこなすことが意外と難しい側面もあります。筆者もロボット掃除機を持っているものの、「ロボット掃除機を使う前に部屋を片付けなくてはいけないのが億劫だし、掃除機の方が確実にゴミを取れる」と思って頻繁には使用していません。
こうした状況に対し、藤原さんは「子育て中の家はもちろん、普通の人も家には床の上に物がたくさんあって当たり前」と言います。ただ、小さな子どもがいる家では、子どもの誤飲や転倒の原因になるものは、どんな掃除方法を選択しようが普段から排除しておく必要があることを念押ししていました。
藤原さんはそのためのコツとして、定期的に目線を下げて自分が子どもやネコになった気持ちで家を見てみること、カゴやバケツなど物を緊急避難できる場所を用意することを推奨します。
そして、「決して安くないロボット掃除機のコストパフォーマンスの良さを実感するには、歯磨きのように毎日スイッチを押して動かすことを習慣化して」と、ずぼら家事を便利家電で実践するポイントを主婦目線で語っていました。
夫に家事をやってもらいたかったら、弱い姿を見せること
家事の専門家である藤原さんに、筆者はどうしても聞きたいことがありました。それは、共働きがこれだけ増えているのにいつまで経っても家事の効率化や家事分担といったことを一生懸命に考えているのは妻ばかりという現状があるということ。セミナー終了後に、詳しいお話を聞いてみました。
――率直にお伺いします。どうやったら、夫が家事をしてくれるようになるのでしょうか。
藤原千秋さん(以下、藤原):うちは結婚して20年ですが、夫が家事をやってくれるようになるまで12年かかりました。でも、今は8割方の家事は夫がやってくれています。
一番は私のこだわりを捨てたことが大きかったと思います。家事は正解もゴールもがありません。でも、家族の命は守らなければいけない。夫の掃除機のかけ方や洗濯物の干し方が気に入らなくても、家族の誰も死にませんよね。そんな風に考えて、私のやり方やこだわりを捨てていたら、回を重ねるにつれて夫がこだわりをもって効率の良いやり方を見つけてくれるようになりました。
大事なことは、絶対に文句は言わず、妻のやり方をいちいち指導しないこと。夫のやり方を尊重するというのは、家事だけでなく子育てにも通じるのではないでしょうか。
――たしかに「やってくれているのだから文句は言うな」とはよく耳にします。文句を言わないことが夫自身の家事能力の成長にもつながる可能性があるということなんですね。やってもらったら全然やり方がダメでも「すごい!」とか言った方が良いのでしょうか。
藤原:それよりも、感謝を言うことの方が大事だと思います。ゴミ捨ててくれただけでも「ありがとうね」と。逆の立場で考えてみると、ゴミ捨てに行って「すごいね」はなんかムカつきますが、「ありがとう」だと嬉しいですよね。
「なんで私ばっかり感謝しなくちゃいけないの」と思うかもしれませんが、お礼を意識すると、物事を客観的に見る余裕が生まれると思います。自分以外の他人がゴミ捨てをしてくれたら単純に嬉しいですよね。そのような距離感を持って夫と家事に対する気持ちを少しずつ変えていくことが一つの方法かもしれないですね。
――いつも私がイライラして「家事やって!」と言って、しぶしぶ夫が家事をやるパターンが多いのですが、スムーズにやってもらうにはどうしたらいいでしょうか。
藤原:妻がやってあげればあげるほど、夫はやらなくなります。だから大事なのは、「この人(妻)は家事をやらないんだ。自分がやらないとダメなんだ」と思わせられるかどうか。嫌味や怒りを伝えるのではなく、弱ってください。嘘をつく必要はありませんが、気分が悪いとか疲れていると伝えて「助けて!」と泣き言を言う方が「やらなきゃ!」という思いにさせられると思います。
「妻にやらされている」というネガティブな感覚ではなく、「妻のタメになっている」という使命感や責任感を抱かせるとやる気になってくれる男性は少なくないのではないでしょうか。
子育て中は汚い家でいい! その写真は一生の思い出になる
――共働きで子育てもしていると、「ありがとう」と言われなくても、こちらが弱っていなくても「家事育児をサラっとやってほしい」という気持ちもゼロではありません…。
藤原:小さな子どもがいる時は一番大変です。私は、子どもが死ななければ98点だと思っています。家事の頑張りは、残りの2点をもらえるかもらえないかの違い。
あと5年もすれば子どもも手がかからず、自分でゴミ拾い程度の家事をしてくれるようになります。だから小さな子どもがいるご家庭では、子どもの安全面だけ考えて家は散らかってOK。お客さんが家に来なくてもいいし、誰にもいい格好をする必要なんてないと思います。
あとは、家族全体の家事量を減らすことも大事。健康を害したり命に関係のあること以外で総量を減らしてみて、家庭の中での「これくらいの家事をやればいい」という落としどころを見つけていってほしいですね。
――藤原さんは娘さんが3人いらっしゃいますが、お子さんへの家事手伝い教育で心掛けていることはありますか?
藤原:妻による“やらない家事”のいいところは、結果として夫も子どもも家事をやるようになることです。隙間や余地が残っていないと、人はやらないですから。
また、親は子どもがいる間に家事をすることも大事だと思います。自分がいない間に家が勝手にキレイになっていて「誰かがやってくれたんだ」と思わせるのではなく、親がいるからこそご飯が食べられて家もキレイなんだと見せびらかすこと。そうすることで、子どもたちが大人になった時に性別関係なく、自然と家事ができる人になるんじゃないかと思っています。
また、子育てで大変な人はぜひ、今の汚い家の写真を撮影してほしいです。その写真は15年後の自分を救います。飛び散っているおしりふき、散乱するおもちゃといった汚い家の様子や泣きわめいて暴れる子どもの姿は、自分が子育てを頑張っていた頃の大切な思い出になると思いますよ。
おわりに
家事の中でも特にゴールのない掃除は、「家を常にキレイにしなくては」「SNSでは、子どもが3人もいるのにおしゃれでキレイな家の人が多い」と、先入観を抱いたり他人と比べたりしがち。
便利家電を活用して家事をラクにすることも現代における重要なライフハックです。しかし、そもそも家事に対して総量を減らして完璧を求める気持ちを捨てることで、夫への不満が減ったり自分自身の家事に対する呪縛を消すことができたりするのかもしれません。藤原さんのすすめる方法をぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
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