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新たな働き方「ママ先生」が陥る落とし穴。仕事と育児を両立しやすいのか

LIMO / 2020年3月4日 19時45分

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新たな働き方「ママ先生」が陥る落とし穴。仕事と育児を両立しやすいのか

近年、共働き家庭が増加し、今では専業主婦は3人に1人といわれるまでになってきました。とはいえ、多くの働く女性にとってまだまだ課題は多く、ザ・ドリーム・コレクティブの行った「働き方の多様性に関する意識調査(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000054196.html)」によると、半数以上の女性が「今の職場にはキャリアアップのチャンスはない」と感じています。

そんな中、育児と仕事を両立しやすく、自分のやってきたことがキャリアにつながるもののひとつとして、「ママ先生」という働き方があります。自分の子供を含む同世代の子供に対しレッスンをおこなうことで、無理のない範囲で仕事をしながら自分自身も成長できる働き方です。

また、教わる側のママたちにとっても、子供の習い事は日々の送迎などを考えできれば近所で済ませたいものです。近くに住みプライベートでも頼りになるママ友先生は子供のことも理解してくれる頼りになる存在です。しかし、一見ウィンウィンに見えるこの関係、中には子供たちがお友達だからこそ起こる問題もあるようです。

先生の子供はトップが当然?

Sさんの娘さんはダンスが大好き。音楽に合わせ家でいつも踊る娘さんに、きちんとしたレッスンを受けさせてあげたいなと思っていたそうです。

そんな矢先、たまたま知り合ったママさんがご近所で子供たちにダンスを教えていることを知りました。聞けばSさんの娘さんと先生の娘さんは同級生。「硬く考えず、一緒に楽しみましょう」という言葉に惹かれ、娘さんをダンス教室に入会させることにしたそうです。

娘さんは基礎を教わり、何人かでポジションを決めながら踊るダンスに夢中になっていきました。同年代のお友達と楽しむ娘さんを見ながら、入会して本当に良かったと思ったそう。

しかし、1年ほど経ったある日、Sさんの心をざわつかせる出来事が起きました。ダンス教室で発表会が行われることになったのです。9人で踊るその曲でSさんの娘さんは一番端のポジションでした。最初はなんとも思わなかったSさんですが、娘さんはもう1曲のお教室全員で踊る曲も一番端。全体のバランスを見た背の順かとも思いましたが、そういった感じでもありません。そして、どちらの曲も先生の娘さんがセンターを任されています。

「先生の娘さんは確かに上手だし、母親である先生の要望を理解しているのもわかりました。でも、どうやらそれだけではないようだったんです。発表会の少し前に先生の娘さんのクラスメイトが2名お教室に入ってきました。その子たちは、まだそんなに慣れていない段階なのにいきなり娘より目立つ位置に立っていたんです…。親のひいき目なしにうちの子の方がうまいのにという気持ちになりました」

Sさんはモヤモヤを抱えたまま発表会を終えました。日ごろあんなに一生懸命頑張る娘さんを知っているだけに「もっとメインどころで踊らせてあげたかった」と思ったそうです。その日、親子そろって発表会の打ち上げに参加したSさん。たまたま、先生と新しく入った2人の保護者の会話を耳にしました。

「先生は2人の保護者に『仲のいいお友達が入ってくれて娘も気分よく踊れたよ!ありがとう!やっぱりセンターをやらせるからにはあの子に最高の状態で踊らせてあげたかったんだよね。2人がきてくれたから今回は成功できたよ!』なんて話をしていました。そのママ友たちも『確かに真ん中の3人息ピッタリだったよねー!』なんて盛り上がっていて…親である前に教室を率いる先生としてどうなの?!と怒りが湧いてきました」

プロ意識は?

お嬢さんの気持ちを考えるとイライラが収まらなかったというSさん。先生が一人になったのを見計らい話しかけにいったそうです。

「お教室の子供たちのことより、身内を優先しているように感じたことをどうしても伝えたかったんです。『先生には日ごろからお世話になっています。でも、今回の発表会に関してはもう少し継続して頑張っている子供のことも考えてほしかった』という旨のことをお話しました。すると先生は表情をこわばらせ『つまり何がいいたいんですか?』と冷たい声になりました。揉めたくないという気持ちもありましたが『今回の発表の振り付けや配置は公平だったのでしょうか』と私は発言しました」

Sさんの発言にムッとした表情になった先生。すこしケンカ腰になっていたこともあり「Sさんが娘さんのことを一番の思うように、私だって親ですよ?娘をセンターにしたい、一番に輝かせたいと思うのは当たり前じゃないですか?」といわれてしまったといいます。

「心のどこかで『先生は公平な観点でみてくれている』ことを期待していました。ですが、先生の感情的な発言はプロではなく完全に『一人の母親』。娘さんを大切に思う気持ちとお金をもらって指導することを分けられない人なんだとガッカリしました」

その後、Sさんは娘さんと話し合い、お月謝も高く送迎も大変になりましたが大手のダンス教室へと異動したといいます。

子供を抱える先生の葛藤

Sさんのダンスの先生のように「数いる生徒たちの中でうちの子を一番にしたい」と思う人がいるのは仕方のないことです。しかし、多くの先生と呼ばれる方々は、そういった「親」としての側面だけでなく「先生」という側面から生徒さん一人一人と関わろうとしてくれているようです。

・「ピアノを教えています。生徒の中には息子もいますが、本人はサッカーの方に興味があるのでいずれやめてしまうのだろうと思いながら教えています。そんな息子と、ピアノが大好きで習いに来ている子の熱量は当然違います。ピアノを仕事にしたいと思う子には指導も本気になるし、息子のように楽しめればよい子にはそういった教え方を。『その気がないのに先生の子供だから優秀でなければいけない』というのは子供本人の意思を尊重していないと思います」

・「ピアノを教えていますが、子供が真面目にやらないと私のストレスになるので別のお教室に通わせています。お金が勿体ないという方もいますが、親子というところがうまく切り離せる自信がなかったのでこれでよかったと思っています。ただ、子供が生徒だったとしても自分の子供を一番にするために他の子に教えるのに手を抜くなんてことは絶対にしません」

先生の数だけ、考え方も方法もさまざまなようです。

まとめ

自分の得意な分野で我が子にも輝いて欲しいと思う気持ちは、珍しい感情ではありません。しかし、その気持ちを先生という立場を利用して操作したり、親としての感情を優先してしまうことは、生徒さんやその保護者にとって気持ちのいいものではありません。

今回のダンスの先生のように「我が子を輝かせる」ことに夢中になってしまう人も一部にはいるものの、多くのママ先生たちは公平な目で一生懸命すべての子供たちに教えています。ママ先生にとって仕事として請け負っているレッスン。一般の企業で勤めるのであれば当然公私混同しないことも、我が子がそこにいることで普段より冷静な目で接しなければいけないという課題が残るようです。

最終的に、公私混同するかはその人次第。親しみやすい身近な存在だからこそ私情が混ざりやすいことも理解しながら、その人柄を見極めつつ信頼のおける先生と出会っていけるといいですね。

参考:ザ・ドリーム・コレクティブ 「働き方の多様性に関する意識調査(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000054196.html)」

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