食だけではない!「ヴィーガン」が与える大きな影響力とは

LIMO / 2020年3月5日 19時45分

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食だけではない!「ヴィーガン」が与える大きな影響力とは

ディズニーやナイキは「ヴィーガン・フレンドリー」へ

日本人の間では菜食主義に徹底した食生活はあまり人気はないようです。しかし、欧米では個人の食の好みはどうあれ、「ヴィーガニズム」は社会現象となっています。

ディズニー、ナイキ、リーボックなど食には直接関係ない大手企業までが「ヴィーガン・フレンドリー」に乗り出し、「ヴィーガン経済」が本格化してきました。

様々な菜食主義のカタチ

欧米では菜食主義者が年々増え続けています。菜食主義と一言で言っても、肉、魚、乳製品など、動物由来のモノは一切口にしないという徹底した菜食主義者をヴィーガンといい、ベジタリアンは肉、魚は食べないが、卵は食べるとか、乳製品はOKなど…複数のタイプがあるようです。

最近では、「Flexitarians(フレキシタリアンズ)」という造語も現れました。要はたまに肉や魚も食べるというゆるいベジタリアンらしいです。

また、ヴィーガンになる理由についても、ミレニアル世代では、環境保護や動物愛護という道徳を考慮している場合が多いようです。

その一方で、成人病予防といった健康維持を目的として肉食を避ける中高年も増えています。道徳上のヴィーガンに関しては、食物だけではなく、革製品など、動物由来の素材を使用したモノは一切使わないという徹底ぶりです。

ディズニーとインポッシブル・フーズが提携

タイプは何であれ、動物由来の食物を避けようとしている人が増加している社会現象に伴って肉や乳製品の代替食の需要が高まり、代替商品が次々と市場に出回るようになりました。

そのなかでも、本物の肉に近い風味や感触を味わえると評判の植物由来の代替肉を開発したアメリカの「ビヨンド・ミート社」「インポッシブル・フーズ社」は2019年急成長を遂げたことは昨年話題になりました。

特に、ビヨンド・ミート社は2019年5月に新規株式公開し、その後3カ月の間に一時600%高騰しました。インポッシブル・フーズ社はまだ、株式公開はしていませんが、バーガー・キングと提携し「インポッシブル・ワッパー」などのファストフードメニューで人気を博しています。

2019年9月にディズニー社はディズニーパークやリゾート内のメジャーなレストラン等にヴィーガンメニューを加えていくことを発表しました。

また2月にはインポッシブル・フーズ社とパートナーシップを提携し、インポッシブル・バーガーを「ディズニー推進」植物由来のバーガーとしてパークやリゾートだけではなく、ディズニークルーズラインでも提供していくことや、今後インポッシブル・ミートを使用したヴィーガンメニューを充実させていく、とヴィーガンフレンドリーに本腰を入れる姿勢を示しました(※1)。

米Bloomberg(※2)によれば、「投資銀行Barclays Plcは、今後10年間で代替肉市場は1,400億ドル規模になるだろうと予測している」ということですが、これはディズニーのニュース前の予測ですから、ディス二―が関わってくればそれ以上になることも期待されます。

ナイキ、リーボックも環境保護を意識

ヴィーガンの経済的な影響は食物だけではありません。動物由来の素材を使いたくないということで、最近は革や動物性の接着剤を使用しない靴や革製品の代替品も人気を集めています。

特に最近はランニングシューズなどの運動靴が人気のようで、ライフスタイルシューズだけではなく、本格的な運動にも耐え得る植物由来の素材が開発されています。2019年8月に、ナイキがエコフレンドリーな英ストリートファッションブランド「マハリシ(Maharashi)」と提携して開発したヴィーガンシューズ「Nike Air Max 90」を限定販売しました。

その後12月にリーボックが新製品として、上部はユーカリ成分の素材を使用し底部分は天然ゴムと唐胡麻などを使用した、完全に植物由来のランニングシューズ「Forever Floatride GROW」を発表しました。市場に出回るのは2020年の秋ということです。

2019年に市場調査会社の米NPDが実施した調査で、運動靴の主な消費者であるミレニアル世代や次のZ世代は環境保護への関心が高いということが分かりました。NPDのスポーツ産業部門シニアアドバイザー、パウエル氏は、調査回答者の約35%が値段が高くても環境保護を考慮した靴を購入すると答えたとCNN Businessに話しています(※3)。

2019年8月にはファッション業界の環境保護の取組み強化を目的とする「ファッション協定」も発足され、G7サミットで発表されました。仏マクロン大統領の要請により仏ケーリング社CEOが主導し、アパレル関連の有名企業約30社が加盟。ナイキやアディダス、プーマも名を連ねています。

また、ナイキは2030年までに自社からの二酸化炭素排出量を30%削減することを表明したということです(※3)。

ヴィ―ガ二ズムや代替肉の健康への影響については賛否両論です。ただ、環境問題が深刻化する中、若い世代がそれについて関心が高いことから、今後、ヴィーガ二ズムの経済への影響はさらに注目を集めるのではないでしょうか。

(※1)“Disney is adding Impossible to its menus(https://www.cnn.com/2020/02/25/business/disney-impossible-partnership/index.html)”CNN BUSINESS
(※2)“The Vegan Economy(https://www.bloomberg.com/quicktake/the-vegan-economy)”Bloomberg
(※3)“Vegan sneakers set to be next sustainable plant-based craze in 2020(https://edition.cnn.com/2019/12/14/business/plant-shoe-vegan/index.html)” CNN BUSINESS

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