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「脱“保険貧乏”のススメ」何となく安心だから払い続けている…は要注意

LIMO / 2020年3月5日 19時15分

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「脱“保険貧乏”のススメ」何となく安心だから払い続けている…は要注意

ライフステージの変化に合わせ、保障内容のアップデートを!

「もしものときの備え」として死亡保険に加入している人は多いでしょう。しかし、必要以上に加入した結果、家計が圧迫されてしまうケースも珍しくありません。

そのような「保険貧乏」になってしまうと、日頃のやりくりや将来への貯蓄にも影響が出てきますよね。こうした事態にならないように、今回は死亡保険に関する知識をおさらいしていきましょう。

みんなの「死亡保険金額」はどれくらい?

さて、よそのお宅は死亡保険にいくらかけているのでしょうか。必要とされる保障はそれぞれの家庭によってさまざまとはいえ、面と向かって聞きづらい話題ですよね。

そこで、生命保険文化センター発表の『平成30年度 生命保険に関する全国実態調査(https://www.jili.or.jp/research/report/pdf/h30zenkoku/2018honshi_all.pdf)』をもとに、年代ごとの保障内容の違いをみてみましょう。

【世帯主の年齢別でみた世帯の普通死亡保険金額(全生保)】
29歳以下:2,475万円
30-34歳:2,883万円
35-39歳:2,857万円
40-44歳:3,032万円
45-49歳:3,050万円
50-54歳:3,183万円
55-59歳:2,618万円
60-64歳:2,493万円
65-69歳:1,615万円
全体:2,255万円

普通死亡保険金額が最も高いのは、世帯主が50-54歳の世帯という結果になりました。その後は、年代が上がるにつれて金額が減少しています。教育費や住宅ローンの返済といった大きな出費がひと段落し、保障内容を整理する家庭が多いのかもしれませんね。

自分亡きあとの家計を試算してみる

では、みなさんは死亡保険金額をどのように決めましたか?

保険会社の営業マンに勧められるままに加入したり、同僚や友人の話を聞いて、とりあえず同じくらいの金額にしてみたり・・・という人も多いのではないでしょうか?そのような場合は、ちょっと注意が必要かもしれません。

いざというときに必要な金額は家庭によって異なります。

「自分が死んでも3,000万円もあれば、家族はなんとかなるだろう」――そんな漠然とした安心感のために掛け金を払い続けている人は、すでに「保険貧乏予備軍」かもしれません。

解約返戻金なしの終身保険が主流になっていることもありますので、年齢・家族構成・健康状態などを考慮しながら、定期的に保障内容の見直しをすることはとても大切なことだといえます。

「あの世」に行った後のことを考えるのは気乗りがしない人も多いと思いますが、ぜひ一度「自分が死んだ3カ月後→半年後→1年後」の家計をシミュレーションしてみましょう。「そこまで高額な保障は必要ないかも・・・」などと見通しが立ち、不要な保険を解約し貯蓄に回せるケースも考えられます。

“もしも”の場合、家族が安心して暮らせるように・・・

家計の支出で最も大きなウエイトを占め、死後も残るのは住宅ローンや教育費ではないでしょうか。これらについては、万が一のとき残された家族の生活の基盤が崩れてしまうことがないよう、元気なうちから対策をしておくのが一般的でしょう。

■住宅ローン

住宅ローンを組む際に団体信用生命保険(通称:団信)に加入すれば、返済中に万が一のことがあった場合はローンの返済が不要になります。団信に入ることを義務付けているローンもあります。

しかし、最近は団信に入らないほうがお得なケースもあります。団信は保険料が年齢や健康状態にかかわらず決定されますが、民間の保険は若い人や健康な人、喫煙しない人などに向けた保険料割引もあるからです。これから住宅ローンを組む人は、団信ではなく民間の死亡保険を利用するという選択があることを知っておきましょう。

教育費

また、子どもの教育資金を確保する目的で考えると、「学資保険(子ども保険)」は有効な選択肢のひとつだといえるでしょう。学資保険も満期時に満期保険金を受け取ることができ、もし途中で契約者(親)に万が一のことが起きた場合は、その後の保険料払い込みが免除となります。

住宅ローンや学費以外にも、車やリフォームなどの大きなローンが残っている場合は、預貯金額を考慮して死亡保険金でカバーするという方法もアリでしょう。

忘れていませんか?「公的年金」の存在

あなたが死亡した場合、確かにあなたからの収入は途絶えます。しかし、死亡保険金以外にも公的な年金があります。家族の収入がいきなりゼロになるわけではありません。

遺族基礎年金

あなたが国民年金を加入期間の3分の2以上払っていて、受給資格期間が25年以上ある状態で亡くなった場合、子どもには遺族基礎年金が支払われます。

現在の遺族基礎年金額は年間78万100円に加え、18歳になった年度の末日(3月31日)を経過していない子について、第1子・第2子は22万4,500円、第3子以降は1人あたり7万4,800円が支給されます(※)。
(※)この場合、子の数え方は、支給対象者のうち18歳に最も近い子を第1子、2番目に近い子を第2子と呼びます。長男・長女が必ず第1子と呼ばれるわけではありません。

遺族厚生年金

あなたが厚生年金保険に入っていたら、残された家族には遺族厚生年金が支払われます。受給できるのは在職中に亡くなった人、あるいは被保険者期間中のケガや病気がもとで亡くなった場合でその初診日から5年以内に死亡した人、老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある状態で亡くなった人です。

先ほどの遺族基礎年金は子どもがいる家庭だけに資格がありました。遺族厚生年金はあなたによって生計を維持されていた妻、子、孫、父母、祖父母など、条件付きではありますが対象者が広がります。

死亡一時金

国民年金を払っていた人には、これ以外に12~32万円の死亡一時金も出ます。もちろん、家族が若ければこれらの遺族年金だけでこの先ずっと暮らすのは難しいでしょう。しかし、残された配偶者の就業や、子どもの就職・独立などが見込めれば、年金だけの生活にならいケースが多いのではないでしょうか。

大切なのは生前から家族と家計の状況を共有し、カバーされていないローンや預貯金、遺族年金、配偶者の収入などを総合的に考え、家庭にフィットした保険を選ぶことです。

こういったお金を数える行為は悪いことではありません。こうした話し合いがなく、残された人が苦労するケースも多いのです。自分が死んだあと、お金が原因で家庭が崩壊してしまうことがないよう、保険は金融リテラシーを高くもって選びたいものですね。

まとめ

保険はマイホームに次いで人生で2番目に高い買い物だといわれることがあります。
例えば30~60歳まで毎年約40万円の保険料を支払い続けた場合、30年間で1,200万円にもなるのです。

いかがでしょう?これだけの大きな額であると自覚できれば、保険の見直しにも重い腰を上げることができる人も多いのではないでしょうか。

それぞれのライフステージに合わせて、「無理なく・無駄なく」かつ家族が安心できる保障内容にアップデートしていきたいですね。

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

【参考URL】
『平成30年度 生命保険に関する全国実態調査(https://www.jili.or.jp/research/report/pdf/h30zenkoku/2018honshi_all.pdf)』生命保険文化センター
『遺族年金(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/20150401-03.html)』日本年金機構
『死亡一時金(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/sonota-kyufu/1go-dokuji/20140422-01.html)』日本年金機構

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