この人とは合わないかも…収束見えない生活が続き「浮き彫りになる価値観の違い」
LIMO / 2020年3月13日 21時15分
この人とは合わないかも…収束見えない生活が続き「浮き彫りになる価値観の違い」
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が続く中、臨時休校期間中の子どもの過ごし方や大手企業による在宅勤務指示など、さまざまな場所で衛生面や非常事態における考え方の違いが浮き彫りになってきています。
考え方は人それぞれとはいえ、判断を誤れば命を脅かす危険もある今回の問題。価値観の異なる人に対して、どのような姿勢で関わっていくべきなのか。身近にあるエピソードをもとに考えていきたいと思います。
気にしすぎ?神経質?心配するのはおかしなこと…?
店頭から姿を消したマスクや消毒液。増加の一途を辿る感染者数…。未知のウイルスの存在に大きな不安や恐怖を感じながらも、「気にしすぎ」「神経質」というレッテルを貼られることを恐れ、さらに疲弊してしまっている人も少なくないようです。
・「小中高の臨時休校に合わせて子どもの幼稚園も自由登園になりました。集団化することの感染リスクを考え、期間中はお休みすることにしたのですが、同じクラスのママさんから『気にしすぎ!みんな登園してるよ』ってLINEが来て…。こんなことなら通常保育か休園かのどちらかにして欲しかったです」
・「感染拡大のニュースが出はじめてから、小学生の娘には毎日マスクをして登校させていました。ある朝、娘が急に『マスクをしてる人なんてまわりにいない。恥ずかしい』と言って泣き出してしまって…。その後すぐに臨時休校になったので少し安心しましたが、自分の考えを貫くべきか、娘の気持ちを尊重すべきかとても悩みました」
・「夫はアクティブな人で、これまで毎週末は必ずどこかに出掛けていました。テレビでも不要不急の外出は控えるようにと言っていたので、先日『しばらく週末は家でゆっくりしよう』と夫に提案したんです。そしたら急に夫の機嫌が悪くなり、喧嘩に。こんな時に意見が食い違うなんて、この人とは合わないかも…って思ってしまいました」
このように、積極的に感染症対策に努めている人たちの多くは、自分の行動や考えが絶対的に正しいと確信を持てないまま、最大限自分が安心できる方法を模索している状況です。「神経質だね」と言ってくる人に対して「無神経だ!」と怒りを覚える気持ちもわかりますが、考えてみれば、何が本当の正解なのかわからないのは相手も同じです。ひとまず他人の意見についてはスルーし、まずは家庭内で納得のいくまで話し合ってみてはいかがでしょうか。
自分は冷静なつもりだけど…何を信じればいいの?
積極的に感染症対策に励む人たちがいる一方で、そうした人々の行動や世間の自粛ムードに戸惑いを感じている人たちもいます。
・「咳やくしゃみもないですし、健康状態も良いので普段通りの生活をしていますが、マスクをしていないからか、なんだか最近周りの目や態度が冷たい気がします。マスクはどこも品切れですし、何とも言えないストレスを感じています」
・「送別会が相次いで中止になって、ついには同僚との飲み会も中止になってしまい、正直ウンザリしています。倒産する会社なんかも出てきているようなので、自分としては少しでも経済活動に貢献したいのですが…。みんなちょっと騒ぎすぎじゃないですか?」
・「会社からは休んでも良いと言われているのですが、子どもも臨時休校中ずっと家にいる方がストレスで身体にも悪いと思うので、子どもは学童に行かせて私も通常通り出勤しています。学童が閉所にならなくて本当に良かったです」
このように、基本的にこれまでと同じスタンスで過ごす人たちにとって、このところの世間の自粛ムードや人々の警戒モードは「ちょっと面倒」な状態です。また、非常時にも落ち着いて行動ができる人は、パニックを起こさないためには欠かせない存在でもあります。
とはいえ、相手は未知のウイルスであり、そのような「見えない敵」に対して不安を感じる人が多くいることも事実。感染防止に努め、不安を少しでも取り除こうとしている人たちを「神経質だ!」と非難することは控えましょう。
戦うべきは人ではなく、ウイルスだということ
現時点において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、その実態や感染源、感染経路、治療法など、はっきりとしていないことだらけです。
人それぞれ考え方が違うのは当たり前のこと。しかし、この問題に関しては価値観の違いや、ましてや「自己責任」といった言葉で片付けてしまってはいけないことは明らかです。
今戦うべきは人ではなくウイルスです。「警戒モード」の人は「通常モード」の人を軽蔑することはやめたほうがよさそうです。そして、ソースが明らかとなっている、正確な情報を集めるように心がけましょう。また、「通常モード」の人は決して「警戒モード」の人を非難せず、感染症に対する正しい知識を身に付けるよう心がけましょう。小中高の臨時休校からもわかるように、今は非常時です。「いつもと同じでOK」ではありません。
まとめ
ネット上では「コロナ疲れ」や「コロナ鬱」「コロハラ」などといった言葉も見られるようになり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による人々への精神的な影響が日増しに色濃くなっています。
繰り返しになりますが、今戦うべきは人ではなくウイルスです。「警戒モード」の人も「通常モード」の人も、今は異なる価値観を持つ人への理解を深めるチャンスだと捉え、一丸となってこのピンチを乗り越えていきましょう。
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