やりたい放題の顧客に疲れ果てる店員やカスタマーセンター。理不尽な要求とは?
LIMO / 2020年3月28日 10時15分
やりたい放題の顧客に疲れ果てる店員やカスタマーセンター。理不尽な要求とは?
最近はカスタマーハラスメントという言葉が一般化してきて、「お客様だからといって何でもしていいわけじゃない」という意識が広まりつつあります。
それでも、最近のマスクやトイレットペーパーの買い占め騒動では、「私たちを責めないで」というドラッグストア店員の悲痛な声がSNSで拡散されるなど、信じられない要求を繰り返す顧客もいるようです。そこで今回は、理不尽で威圧的な態度の顧客とのバトルエピソードをご紹介します。
「ミスした商品の返金じゃなく全額負担しろ!」
まずは筆者がスーパーで目撃した話です。筆者が並んでいるレジ列のちょうど前にいた夫婦は、2つのカゴ満杯に買い物をしていました。カゴの中にはお菓子類やジュースがたくさん詰め込まれていて、「明日は休みだし、子どもたちが集まってお誕生日パーティーでもするのかな」と思いながらレジが終わるのを待っていたときのことです。
夫婦は2人ともスマホを眺めながら、「レジ袋はお使いになりますか?」「駐車券はございますか?」などという店員さんの声に「ああ」「うん」と適当な相槌を返しているのが気になりました。
会計が終わり、筆者の買い物カゴから店員さんが手際よく商品を取ってレジに通していると、先ほどの夫婦の旦那さんのほうがレシートを手にやってきました。「ちょっと、コレ計算間違いなんじゃないの?」と店員さんに話しかけます。サービスカウンターの目の前だったこともあり、すぐにベテランとおぼしき店員さんが駆け寄ってきました。
3人でレシートを眺め、「こんなもん買った覚えはないんだけど」と旦那さん。よくよく聞くと、筆者が先にレジに置いていた5kgのお米が計算に入ってしまっていたのだそう。お米は筆者のカゴの先に置いてあり、筆者の会計にも含まれていたのでどうやら店員さんがダブルカウントしてしまったようでした。
すぐにベテラン店員さんがそれを清算するため、筆者に「申し訳ございません、少々お待ちください」と声をかけてレジを開けて返金したところ、旦那さんが「なんでこんなことになるんだよ。レジ打ちの教育くらいしっかりしておけよ。こんなにもぼったくろうとしてたのか!」と罵声を飛ばします。すると奥さんもやってきて、「いつも使っているのになんでこんな仕打ちに合わないといけないの」と声を荒げます。
「ほかのお客様もいらっしゃいますので、一度こちらに」と言った店員さんの言葉を聞かず、最終的には「こんなにぼったくろうとしてたんだから全部チャラだろう(全額お店が負担するべきだろう)」と言っているのが聞こえました。夫婦2人が交互に話をするため、店員さんと店長さんらしき男性が何度抑えようとしても話を聞いてもらえません。
最終的にどう対処したのかは不明ですが、彼らが言うようにぼったくろうとしていたワケではないでしょう。また、すぐにミスを認めて返金していたにもかかわらずこのような騒ぎ立てるのは、あまりに不当な要求ではないでしょうか。
「ウチまで来い!」「書面で謝れ!」
次は通販化粧品メーカーで働くAさんから聞いた話です。ある日、商品が到着したときに容器が割れていたと電話が入りました。1本8,000円程度の化粧水のビンが割れていたという申し出で、商品購入者自身でなくその夫だと名乗る男性からの電話でした。Aさんはすぐに謝罪し「商品を再送いたします」と伝えたのですが、それだけでは収まりませんでした。
「本当は今日から使える予定だったのだから、早く自宅まで持ってこい」「きちんと書面に起こして謝罪するのが常識」「おたくのようなイメージが大事な企業がそんな対応でいいのか」などとまくしたててきたのです。
「おたくのオフィスはどこ?」と聞くので都内だと答えると、「ならうちまで車でも2時間かからないから早く持ってこい」と要求。「それはできないので商品を今日すぐに発送する、明日か明後日には届く」と回答しても譲りません。さらに書面での謝罪も再三要求してきたのだそう。
しかし、男性の上司に代わったところ、すんなり引き下がった様子。Aさんは「女性が相手だからと無理難題を言うクレームの電話が後を絶たない」と嘆いていました。
「さっきは無料って言ったじゃないか!」
続いて、自動車保険に付帯するロードサービスの手配窓口で電話対応をしていたBさんの話です。Bさんの会社のルールでは、ガソリン切れは年1回までは無料で対応、2回目以降は顧客が実費を負担ということになっていました。それはもちろん、自動車保険の契約の際にきちんと書面にも書いてあるルールです。しかし、何度もガソリン切れで連絡してきては無料での対応を求める顧客がいたのだそう。
Bさんが新人でまだ案内に不慣れな頃、うっかり「ガソリン代は無料です」と言いかけてしまいました。しかし、すぐに2回目以降は有料というルールを思い出し「少々お待ちください、確認いたします」と保留に、顧客の過去の対応履歴を見て「申し訳ございません。〇月×日にすでに無料で対応させていただいておりますので、今回はお客様の実費負担によるサービス提供となります」と伝えました。すると、「さっきは無料って言ったじゃないか」と怒鳴り声。
そこで詳しい確認をしないで案内してしまったことを丁重に謝罪し、履歴を確認したら2回目だということが判明したために今回は有料だと伝えても怒鳴り声はやみません。最終的にはこちらも男性上司に代わったところ、渋々納得してもらえたとのことでした。
「ここまで来た交通費をよこせ!」
最後はネット証券勤務のCさんの体験談です。受付の電話が鳴ったためにCさんが受付に向かったところ、どう見ても一般のお客さんの姿が。ネット証券では普段お客さんの対応は対面ではしていないため、びっくりしたのだそう。
「どうされましたか?」と声をかけると急に怒鳴り声をあげたと言います。思った通りの値段で株が買えなかったことへのクレームでした。しかし、よくよく話を聞いてみると注文内容自体が誤っており、顧客の誤解だったのです。
しかし、それを何度説明しても「どうせおたくの仕業だろう」「何か隠しているんだろう」「客には言えないことがあるんだな」などと繰り返すだけ。最終的には「ここまで来た交通費をよこせ」と言い、帰ろうとしません。結局3時間居座って、文句を言いながら帰ったのだそうです。
おわりに
仕事をしていると、不可解な要求をしてくる顧客に出会うこともありますが、まともに取り合っていると時間が無駄になってしまいます。企業側も、この手の顧客に対しては割り切った対応をしてもいいのではないでしょうか。企業にとっては、お客さんが大事なのと同じように、働いている従業員も大事なはずです。
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