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「育児は育自だから」なんて言われても!…「育自」はひと山越えてから思うもの

LIMO / 2020年4月6日 10時0分

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「育児は育自だから」なんて言われても!…「育自」はひと山越えてから思うもの

ネットなどでよく聞かれる「育児とは育自」という言葉。この言葉に勇気をもらい、励まされて育児中の辛いことや苦しいことを乗り越えられた…というママは多いでしょう。

しかし、その一方で、第三者からこの言葉を投げかけられて、心がくじけそうになってしまった…というママも少なくありません。

「育児は育自」が、時と場合によってはママを追い詰める刃のような言葉になってしまう…それはいったいどうしてでしょうか。

「育児は育自」が意味することは?

まず、「育児は育自」という言葉が持つ意味を、今一度考えてみましょう。

子育ては毎日がまるで修行のよう。いろいろ試行錯誤して、時に壁にぶつかり、時にこの上ない喜びを感じ…。子どもと真剣に日々向き合うことでいつの間にか自分も人間として成長している──そんなところでしょうか。

確かに初めての子育てのときは、慣れないことの連続。子どもと一緒に涙することも数知れず。

しかし、いつの間にかそんな日々を「あぁ、懐かしいなぁ」と振り返る余裕ができる。そして、人として、女性としての視点に「母として」の視点が加わり、今までよりもぐんと視野が広くなる…。

その点では、子育てを経て自分は成長できたな…と思えることは多々あります。ということは「育児は育自」とは言い得て妙なのかもしれません。

「育児は育自」が黒い呪文になるとき

しかし、この「育児は育自」という言葉、使い方やタイミングを間違えてしまうと、頑張っているママたちを傷つけることにつながってしまいます。

先日、知人がこんなエピソードを話してくれました。

「子どもがほんと夜寝なくて…。こっちも寝不足でイライラしてたときに、ついママ友に『寝不足で心に余裕を持てないんだ』と愚痴ったら、『だめよ、そんなことでイライラしたら。育児は育自なんだから。そういう経験がママを強くしてくれるのよ』と言われた」

思わず「なんじゃそりゃ!」と叫んでしまった筆者。

──子育て中に何度も降りかかる辛いこと、しんどいことはすべて「自分自身が成長するため」に必要不可欠なもの。だから、愚痴も文句も言わずにありがたく受け止めなさい。

はたしてそれが「育児は育自」の真意なのでしょうか?

「それって結局、母親は自分を犠牲にしなさい、育児は自分を成長させてくれるありがたいチャンスなのだからってこと?」

知人とふたりで「育児は育自」の持つ意味についてひとしきり考察して出した答え、それは「NO」。

ある経験が自分を成長させてくれるかどうか。それは自分自身で決めることであって、他人から「これはあなたを成長させてくれるものだから」なんて決めつけられることではないはず。

ましてや「育児がしんどい」と感じているママに向かって、戒めのように言う言葉ではない…。

必死で子育てを頑張っているママに対して「育児は育自だからね」と声をかける行為。そこには「あなたは今、人間として成長するために必要な経験をしているのだから、ありがたく受け入れなさい。もっともっと頑張りなさい」という、ある種の傲慢ささえ感じられます。

つまり、「育児は育自」とは、改めて自分自身が子育てを振り返ったときにしみじみと感じることであって、子育て真っ最中の一番しんどいときに、ましてや他人からかけられるような言葉ではないのです。

「育児は育自」は励ましの言葉ではない

言葉遊びのようなリズムの良い語感、さも含蓄のありそうな文字面ゆえに、子育てママへの励ましの言葉として使われることが多い「育児は育自」。

しかし、その言葉が「そうか、子育てとは頑張らなければいけないものなんだ」とママをますます追い詰めることもあります。

「赤ちゃんがなかなか眠ってくれない」「心に余裕がなくてつい家族にイライラしてしまう」という悩みを打ち明けられたときに、「育児は育自だよ、頑張れ」という返答をもらって、「あ、そうだったのか! じゃあ眠れなくても、しんどくても頑張らなきゃ!」と思うママが世の中にいったいどれくらいいるのでしょう。

ほとんどのママは「そっか…じゃあ、こんな風に愚痴を言って子育てをしんどいと思ってしまう私は、まだまだ未熟なんだな」と落ち込み、自分を責めてしまうのではないでしょうか。

あまり深く考えずに耳ざわりのいい言葉を選び、ママたちを追い詰めてしまうことのないように気を付けたいものです。

まとめ

「育児」とはなんのためにするのか?

それは、愛する子どもを幸せな環境で一人前に育ててあげるため。そう、「子どものため」であり、決して「自分のため」ではありません。「自分のため」ではないからこそしんどい瞬間がたくさんあるのです。

でも、それも過ぎてしまえばすべていい思い出。あれこれ懐かしく振り返ったときに「あぁ、そういえばあんなことがあったから自分も学んだな」とほんのちょっぴり思えれば上等です。

「育児」における「育自」とは、小さなオマケ程度のもので、決してそれが子育てのメインではないのです。

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