「巣ごもり消費」で減る支出・増える支出とは?
LIMO / 2020年3月28日 19時15分
「巣ごもり消費」で減る支出・増える支出とは?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響で「巣ごもり消費」が増加しています。「巣ごもり消費」とは、不要な外出は避け自宅で多くの時間を過ごしながらの消費活動を指していますが、「外出しないから節約になった」「巣ごもり消費だからこそ、支出が増えちゃった…」と様々な意見があるようです。
今回は「COVID-19による巣ごもり消費」の傾向と、「巣ごもり消費」の節約術をご紹介します。
「巣ごもり消費」の落とし穴とは
バンドルカード運営の㈱カンムが行った「巣ごもり消費に関する意識調査」(※)によると、「COVID-19の影響で生活スタイルは変わりましたか?」という問いに対して、「大きく変わった」(24%)「少し変わった」(42%)と回答した人が多く、合わせて66%の方が生活の変化を実感しているようです。
また、消費の変化については下記グラフのようになっています(グラフ参照)。
COVID-19による「巣ごもり消費」で、デリバリーやテイクアウトなどの「内食・中食」や、マスクなどの「薬・衛星用品」の消費増加を感じている人はそれぞれ44%、28%となっています。
小中高校の一斉休校やテレワーク導入の影響で、内食・中食は増加傾向にあるようです。その上外出自粛要請が出ている地域もあります。休日も家で食事となると、内食・中食を活用する人がより増える可能性があります。
一方で、「薬・衛星用品」はあまり増加していない印象です。マスクは買いたくても買えなかったり、一部の買い占めを行う消費者のみが「増えた」と回答している可能性もあります。
また「動画・音楽の配信サービス」「ゲーム・書籍・コミック」においては「増えた」と回答した人がそれぞれ約3割います。とくに学生が「増えた」と回答した人が多かったようで、5割に迫る勢いです。
そしてやはり…と思ってしまうのが、「外食」「旅行やイベント」の「減った」という回答者の多さです。とくにイベントの中止や延期が大きく影響しているようですね。
これ以外にも「光熱費」「ネットショッピングによる配送料」「テレワークに関する設備投資」など、巣ごもり消費だからこそ増える支出があるでしょう。
【参考】
「巣ごもり消費に関する意識調査(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000056.000012797.html)」バンドルカード運営の『(株)カンム』調べ
(対象:「バンドルカード」ユーザー948サンプル、方法:インターネット調査、期間:2020年3月18日~19日)
節約をするための第一歩は「目標設定」
「巣ごもり消費」でも節約の基本は同じです。
節約にもっとも効果があるのは、「固定費の見直し」です。毎月決まった支出である固定費を節約すれば、ストレスの発生や途中で放棄するリスクを抑えられます。
「巣ごもり消費」で支出の増加傾向にある「動画・音楽の配信サービス」は、定額サービスが多いです。まずサービスを利用する前に、無料お試しなどを活用して「本当に必要かどうか」を吟味することをオススメします。また「一斉休校が終わったらやめる」など、予め利用する期間を定めておくのも良いでしょう。
「動画・音楽の配信サービス」は前述の調査でもっとも「増えた」と回答した人が多かったのは、学生でした。一斉休校で学校がいきなり休みになった学生向けに、学研ホールディングスやZ会グループなどがオンライン授業を無料で公開しています。こちらを活用してみるのも良いでしょう。
また、自宅にいる時間が長い今こそ、家庭のお金状況を見直す良いチャンスです。
まずは現状の固定費をチェックし、改善策を見つけ出しましょう。大手キャリアから格安スマートフォンに乗り換える、利用していない有料サービスを解約するなど、ちょっとした工夫をすれば毎月の固定費がダウンするはず。継続的な節約効果を得られるので、自然と支出を抑えることができますよ。
光熱費についても、2016年の電力自由化、2017年の都市ガス自由化で様々なサービスが登場しています。サービスの切り替えでどれくらい節約できるか、この機会に計算しても良いでしょう。
そしてもし、家族の誰かがCOVID-19に感染してしまっても大丈夫なような食料品・日用品は確保しながら、しかし無駄な買い占め行為はしないことが、支出の増加を防ぐでしょう。
「家計簿」をスタートするチャンスでもある
固定費を改善した後は、生活費にも着手しましょう。そのうえで重要なのは、「家計簿をつけて項目ごとの支出額を把握すること」。正確な収支のバランスを知るためにも、途中で投げ出すことなく家計簿を記録する必要があります。
そこで、一般的なノートタイプのものではなく、家計簿アプリを使うのもよいでしょう。家計簿アプリなら、買い物をしたあとにレシートを読み取るだけで記録されるため、わざわざ家で記入する必要がありません。なかには、クレジットカードや電子マネー、銀行、通販サイトなどと連携できるアプリもありますよ。
また、自動販売機や切符などはレシートが発行されないため、つい家計簿に記録し忘れてしまう場合も珍しくありません。その点、家計簿アプリなら外出先でサッと記録できるので、記録モレが発生しにくいというメリットも得られます。
さらに、より節約意識を高めるために「今日はいくら使ったのか」「今月はあといくら使えるのか」をこまめにチェックしておきましょう。会社からの帰りや寝る前など、家計の状況を見直す時間を用意してみては。
「巣ごもり消費」のその後…
これまで節約が長続きしなかったからといって、「私は節約ができないタイプだ」と諦める必要はありません。「巣ごもり消費」だからこそ、お金の流れを見直すチャンスです。自分に合った方法で取り組めば、節約をうまく習慣化できるはずです。
前述のカンムの調査では、「COVID-19の影響が落ち着いたら、支出は?」との問いに「増えると思う」と回答した人が35%いました。もしCOVID-19が収束したらやりたいことがたくさんあるはずです。そのための予算を確保して、楽しみにしながら、今はじっと耐えましょう。そして節約の習慣はCOVID-19収束後も継続できるようにしたいですね。
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