汚部屋脱出のきっかけは、息子の「ママ、どこかへ行っちゃうの?」
LIMO / 2020年4月13日 10時0分

汚部屋脱出のきっかけは、息子の「ママ、どこかへ行っちゃうの?」
掃除が嫌いなわけでも、散らかった部屋が好きなわけでもありません。ただ、やるなら完璧にやりたいという思いが邪魔をし、うまく掃除が進められず、いつも部屋が散らかり放題のわが家。
ある日、やっと掃除をする時間を確保できたので、気合いを入れてリビングを大掃除しました。すると、キレイになった部屋を見た息子が目に涙を浮かべて言ったのです。
「ママ、どこかへ行っちゃうの?」
一人暮らしを始めて、掃除が苦手なことに気付く
筆者の悩みは、自分のキャパ以上に“完璧”を求めてしまうことです。ただ、この悩みを自覚したのは大学生になり、一人暮らしを始めてから。
幼い頃は、自分のキャパを超えるという状況に遭遇したことがほとんどなく、指示されずとも家事を手伝ったり、さほど勉強せずともテストの点数が良かったり…。親や親戚から「えらいね〜!」「良くできた子ねぇ〜」なんて言われることも多く、褒められるとつい調子に乗り、何でも率先して行う子どもでした。
今、振り返ると親の手の平でうまいように転がされていたのかも(笑)。また一度手をつけたものは、最後まで完璧にやり抜きたい!という信念も持っていたように思います。
ところが、一人暮らしを始めた頃から、徐々にほころびが出るように…。慣れない土地での暮らしに加え、勉学、自炊、そのほかの家事、バイトなどが重なり、すべてを完璧にこなすことが難しい状況に陥ります。そしてキャパオーバーした結果、やらなければならない事に自然と優先順位を付け、対外的な評価につながることを優先するようになりました。
つまり、勉学やバイト、友人との関係づくりなどを優先し、人に迷惑のかからない家事や自炊は後回し…。
家事の中でも特に、掃除が苦手でした。なぜなら、掃除をやるなら完璧にキレイにしたい! 中途半端はイヤなのです。しかし常に時間に追われていたため、「時間が十分とれたときにやろう!」と思っているうちに自宅は散らかり放題の状態に。掃除は好きなのに、苦手、下手なのだと初めて自覚したのでした。
リビングと子ども部屋が一体化し、カオス状態に
それから時は過ぎ、結婚を機に10年を超えた一人暮らし生活も幕を閉じます。一人暮らし生活の中で判明した「掃除が苦手」という自己認識を活かし、夫との共同生活が始まってからはこまめに掃除をするように心がけました。おかげさまで突然の来客も歓迎できる、清潔な空間が保たれていたのです。
しかし、長男が生まれ、初めての育児が始まり、さらに長男が2歳になる前に次男の妊娠が判明し、ひどいつわりに耐えながらの長男の育児…そしてデフォルトの家事が重なりました。
またも筆者は完全にキャパオーバーしてしまったのです。徐々に掃除に手が回らなくなり、部屋は散らかっていきました。
特に被害を受けたのが、引き戸1枚を隔てて隣り合うリビングと子ども部屋。次男が生まれるまでは、完全に個別の部屋として使っていました。しかし現在は、引き戸が常に開け放たれ、まるで一つの部屋のようになってしまっています。
リビングにまで子どものおもちゃが散乱し、子ども部屋のブランコはいつのまにか子どもの洋服掛けに、ベビーベッドは季節ものやサイズアウトした洋服を入れた段ボール置き場に…完全にカオス状態です。
子どもと夫が出かけた隙に、猛烈な勢いで掃除を決行
筆者自身、散らかり放題で良いとは微塵も思っておらず、毎日掃除ができなかった後悔を抱きながら眠りにつくほど。しかし、やるならピカピカに掃除したい!という思いが邪魔をして、なかなか重い腰があがらないのです。
そんなある日、夫から息子2人を連れて水族館へ遊びに行く“男3人旅”の計画を提案されました。もちろん筆者は大賛成! だって、彼らは夕方まで帰りません。1日あれば、思いっきりリビングの掃除ができます。
彼らを見送ると、すぐにリビング&子ども部屋の掃除に取り掛かりました。
床に散らかっているおもちゃを分別しておもちゃ箱に収納
ベビーベッドを占拠していた段ボールを押し入れに収納
ブランコにかかっていた洋服を片付け、遊具として復活!
床だけでなく壁も全面から拭き&水拭き
ラグをコインランドリーで洗濯
エアコンのフィルターを掃除
テレビに付いた指紋やよだれのふき取り
汚れたおもちゃをバスタブでオキシ漬け(万能クリーナー「オキシクリーン」で浸け置き洗い)
──など、思いつく限りの掃除を遂行しました。もちろん部屋はピッカピカ! そして玄関には、ゴミ出し袋3つ分の大量のゴミが…。
ピカピカになったリビングを見た息子が涙目! なぜ?
久しぶりにキレイになった部屋を見て、筆者自身は大満足! 家族も絶対喜んでくれるだろうと、彼らの帰りを楽しみに待っていたのです。
ところが、息子のリアクションは全く予想だにしないものでした。まず、玄関に置かれた大量のゴミを見て、
長男:「何これ? どうしたの? 何を捨てるの?」
と怪訝な顔。そして美しく生まれ変わったリビング&子ども部屋を見て、
長男:「ママ…どこかへ行っちゃうの?」
と声を震わせながら、涙目で言うのです。
予想外の事態に、筆者も戸惑ってしまいました。長男によくよく話を聞いてみると、筆者が掃除をするのはお盆やお正月に帰省する前だけだと思っていたらしいのです。実家が遠方にあるため、長期休みには1週間以上家を留守にするのがわが家のパターン。
ところが、いつもと違う時期に筆者一人で突然掃除をしたので、「ママがどこか遠くへ出かけて行ってしまう」と思ったようなのです。
母として、反省しかありません。
この一件で、子どもの教育的な面からも、常日頃から掃除をする姿を見せておくことは大切なのだと実感。またそれまでは、自分ができてもいないのに子どもたちに「ちゃんとお片付けをして!」なんておこがましくて言えないという心境でしたが、息子たちに「ママは掃除が苦手だから、手伝ってね!」と伝えられたことで、少し気持ちが楽になったように思います。
これからは完璧を求めるのではなく、子どもたちや夫と協力し、こまめなお片付けや掃除を心掛け、キレイな部屋をキープしようと決意したのでした。
完璧じゃなくていい! 家族みんなでこまめな掃除
筆者のように、中途半端が嫌いな性格が邪魔をして、掃除がうまく進まず悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
完璧主義の性格を根っこから変えることは難しいため、あえて苦手なことを周囲に伝えてみてはいかがでしょう。家族に協力してもらうようになってから、筆者は今できる部分だけのちょっとした掃除も楽しめるようになりました。
“今できること”の積み重ねをしばらくは続けてみよう!と思えるきっかけになった、息子の一言でした。
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