コロナでどう変わった?働く母の仕事と生活(後編)
LIMO / 2020年4月30日 19時15分
コロナでどう変わった?働く母の仕事と生活(後編)
~6人のWMが苦悩する、お金・健康・子育て~サービス業の巻
今回は「後編」をお届けします。(《前編》はこちら(https://limo.media/articles/-/17087))
Cさんのその後・・・
前編の最後にご紹介したCさんは、会社命令による自宅待機中です。
しかし、プライベートのLINEで、自分以外の数名の同僚がテレワークをしていることを知ってしまいました。
勤務歴も長く、スキルも職場でトップクラスだったはずなのに・・・自分にはなぜ声がかからなかったのか?
そんな思いから、会社への不信感を募らせるようになったとのこと。
「業務が通常運転に戻ったとしても、以前と同じモチベーションで働くのって難しい気がします。」
と思いのうちを語ってくれました。
夫のねぎらいの言葉が唯一の救い
Dさん(49歳)スーパーマーケット店員・パートタイム
家族構成:夫・長男(高校1年)・長女(小学4年)
「上の子が私立高校に入学したのを機に、週3日だった勤務を、5日に増やしました。
マスクの品切れに対するクレーム、買いだめお断りに協力してくれないお客・・・
午前だけの短時間シフトなのに、倒れるほどの忙しさです。
本社機能はテレワークに切り替わったようですが、店舗はそうはいきませんからね。
スタッフ全員、手洗い、うがい、マスク、手袋、店内の定期的消毒・・・できる限りの努力はしています。
でも、一度手にとった商品を戻す人や「ノーマスク・至近距離」で話しかけてこられる高齢のお客様なども多く、完璧な感染予防って難しいな、というのが現場の本音です。
ただ、ママ友数人から聞いたような「雇い止め」の話とは、今のところ無縁。
健康さえ損なわなければ、しばらく安定した収入は望めると思います。
「生活を支えるインフラのために頑張ってくれている。ありがとう」
夫からのねぎらいの言葉が、仕事に行く原動力となっています。
ステイホーム?とんでもない。
Eさん(52歳)ホームセンター勤務・パートタイム
家族構成:夫・長女(大学2年)・次女(高校2年)・長男(中学3年)
「近所のホームセンターで週4日働いています。
3月以降、「コロナが怖いから・・・」という理由で退職する人が数名。4月からシフトに入るはずだった学生さんも、同じ理由で親御さんの反対にあった、とかで辞退。
以前の6割のスタッフでお店を回すことになりました。
ステイホーム?とんでもない。
テレワーク用のデスクやチェアが飛ぶように売れている、というのは分かりますけど、
時間的な余裕ができたのか、DIYに挑戦し始める人も結構多いみたいで・・・木材カットコーナーの担当は出ずっぱりですよ。
お天気のいい土日には、園芸コーナーが特に混みます。
野菜の種とか、明るい色の花の鉢植えを買って帰る人が多いです。レジャーを控える代わりの楽しみなのかも。
これまでは平日勤務でしたが、4月からは土日のシフトも増えました。
夫はテレワーク、家事は休校中の子どもたちが率先してやってくれています。
家庭内での「3密」を避けるにはいいのかな?
健康には自信あるほうだけど、次の感染者は自分かも?という心配は常に持っていますね」
経営者としての不安
Fさん(48歳)書道教室運営・個人事業主
家族構成:夫・夫の母・長女(大学2年)
「書家です。創作活動のかたわら、自宅の1階で、近所の子どもたちに書道を教えています。
例年、4月は見学や入会が多いのですが、案の定、今年は激減でした。
教室をやめる子も数名出ていて、経営的にはとても不安な状態です。
2月末、学校の一斉休校が決まったときは「時間に追われることがない今こそ、創作のチャンス」と前向きに考えていました。
「先生みたいに大判の作品に挑戦したい!」という意欲ある子には、早めの時間に来てもらって別枠で指導をしたり・・・。
手洗い指導や手指の消毒液、空気清浄機や換気の面でも万全な体制を整えていたつもりです。
ところが、4月7日に緊急事態宣言が出され「教室でクラスターが発生したら・・・」という不安が頭をよぎるようになり、迷った末、いったん「コロナ休業」に入りました。
ところで、最近受付が始まった、県の「感染拡大防止協力金」って、うちも支給対象なのでしょうか?
問い合わせの電話がなかなか繋がらなくて・・・。
もし協力金の対象外ということであれば、教室再開に向けて早々に準備を始めたいです。
姿勢を正したり、筆を持つときに手を添えてあげたり、といった手ほどきができないので、オンライン指導は考えにくいですね。
書くこと、教えることは私のライフワーク。
とはいえ、一経営者としては収入を意識せざるを得えません。辛いです」
まとめにかえて
非正規雇用の不安定さ、経営者としての不安、正社員としてのプレッシャー・・・。
就労形態や職場環境によって、それぞれの悩みは異なりますが、6人のケースはいずれも「現在進行形」のお話です。
社会全体が混乱する今、“コロナ前“のように「安定性」や「働きやすさ」を声高に求めることにためらいを感じる人も多いでしょう。
自分と家族の生活・仕事・健康を守るため、今私たちに何ができるか、ゆっくり考えていきたいものですね。
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