在宅勤務で激変した夫、父親好きになった子ども。我が家で起きた驚きの変化
LIMO / 2020年5月7日 10時45分
在宅勤務で激変した夫、父親好きになった子ども。我が家で起きた驚きの変化
何かと暗い話題ばかり注目されている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。感染拡大防止のための休業や小中高校一斉休校、また在宅勤務に切り替わったことでも、収入激減や子どもの勉強面への心配、夫婦仲の悪化など数えきれないほどのネガティブな情報が飛び交っています。
4月初めから夫婦ともに在宅勤務になった筆者宅。子どもの保育園も登園自粛させるなど、これまでと違う生活スタイルになって大変なことはたくさんあります。しかし、こんな辛い状況だからこそ夫婦でいかに前向きに乗り越えていくかにトライ中。夫婦ともに在宅勤務になってから1カ月間経過した現段階で発見した、ポジティブな変化についてお伝えします。
夫は家事育児をしなかったのではなく、できなかったことを知った
筆者の夫はこれまで、毎日通勤に1時間以上をかけて会社に出勤し、平日は朝早くから夜遅くまで働くいわゆる激務でした。抱えている案件によっては土日に仕事が入ったり、家で何かしらの作業をすることもしばしば。そのため1歳8カ月の子どもを平日はもちろん筆者がワンオペで育児をし、土日にはたまに夫が手伝ってくれるようなスタイルでした。
今回のコロナ禍で在宅勤務に切り替わり、家で仕事をしている夫は「出勤しなくてもできる仕事がこんなにあった」「電車に乗らない生活ってこんなにイライラしないんだね」と口にするようになりました。そして、驚くことにこれまで見たことがないほど自主的に家事育児に取り組んでいます。
始業前は毎朝のようにシンク内に食器が残っていたら洗ってくれ、仕事が終わるとこちらから頼まなくてもお風呂掃除を済ませて子どもと一緒にお風呂へ。昼食や夕食も、週の半分くらいは率先して準備してくれるようになりました。会社に行くために毎日往復2時間、1週間に10時間も電車に乗っていた時間を、可能な限り家事育児に充ててくれたのです。
こうした夫の姿を見て、筆者は「そうか。これまで家事育児を“しなかった”のではなく、時間もないし本当にヘトヘトだったから“できなかった”んだ」と思いました。
平日は家に寝に帰ってくるような生活で、土日も「疲れている」としょっちゅう寝ていた夫。在宅勤務によって、どことなく表情が険しくなくなった夫を見ながら「1週間に10時間も満員電車に乗っていたらそりゃ顔も強張るか」と納得でき、家事育児をしない夫にイライラしていたこれまでの自分を反省するようになりました。
「子どもを見ながら仕事をする大変さ」「子どもと過ごす喜び」を知った夫
筆者は自営業のため、緊急事態宣言が出る前の3月末からすでに子どもの保育園登園を自粛させていました。子どもが家にいながらの仕事はかなり大変だけれども、有事なのだから子どもが昼寝している時間や夜中になんとか頑張って仕事をこなそう、と考えたからです。
しかし、実際に1歳8カ月の男の子と1日中過ごしながら仕事もこなすのは、かなりハードルが高いものでした。そこで先述の通り、4月初めから在宅勤務になった夫が可能な限り家事育児をサポートしてくれるようになると、少しずつ筆者も仕事のペースがつかめてくるように。
そんな中、仕事とプライベートをハッキリ分けることが難しい在宅勤務を1カ月経験した夫はあるとき、「子どもが家にいながら仕事するって無理だよね」とポツリ。そして「こんなに長い時間子どもと一緒にいるのは生まれてから初めてだけど、本来はこうじゃなきゃダメだよね」とも続けました。
これまで筆者がなぜ「ワンオペ育児は大変!」「子ども見ながら仕事なんて無理!」といつも言っていたのか、この1カ月でその意味が少し理解できたというのです。その一方で、これまで激務で子どもと一緒に過ごす時間がいかに短かったのか、その状況が親としていかにもったいないことをしてきたのかが身に染みているようでした。
これまで筆者が言葉でいくら「こんなに可愛い時期は今しかないんだよ」と説明しても「わかってるけど、仕事も大事だから」の一点張りだった夫に、このような変化が起きたのは我が家ではとても大きな出来事でした。
子どもがどんどん父親のことを好きになった
また、仕事部屋にこもって仕事をしているとはいえ、家にずっと夫がいることで子どもにも大きな変化がありました。これまでは家の中で夫を見てもほぼ反応なし、泣いているときに夫が抱っこしようものなら余計にギャン泣きしていた子どもが、どんどん父親大好きになってきたのです。
これまでは夫と筆者が目の前にいると100%筆者のほうに駆け寄ってきた子どもが、最近では見事に半々くらいの割合に。夫に笑顔を向けることも増えてきました。あまりにも夫への接し方が変わった子どもを見ると、きっとこれまでは夫のことを父親ではなく、たまに家にいる同居人くらいにしか思っていなかったのだろうとしみじみ感じてしまいます。
コロナの感染状況が落ち着いたら、夫はこれまで通りの激務に戻るでしょう。しかし、今こうして在宅勤務をしていることで、今まで感じていたモヤモヤが少し解消され、今まで当然だと思っていた家庭内の常識が崩される事態に遭遇しています。
夫婦がお互いにこれまでの相手の状況を理解できただけでも、まだまだ続くコロナ禍を乗り切るだけでなく今後何十年も続くであろう家庭生活を送る上ではとても大きな変化でした。
そして今の大変なコロナ禍において、少しでも好転した出来事を見つけることで、イライラや不安に駆られず平穏な家庭生活をなんとか送られていることにも気付きました。ニュースを見れば暗いことばかりですが、せめて家の中や身近な生活の範囲で少しでもポジティブなことを見つけてこの危機を乗り切る流れになってほしいと思います。
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