職場の古い意識にゲンナリ…「お給料」「キャリアアップ」に男女格差の壁
LIMO / 2020年5月21日 20時30分
職場の古い意識にゲンナリ…「お給料」「キャリアアップ」に男女格差の壁
世界経済フォーラム(WEF)は毎年、経済・教育・健康・政治の4分野のデータをもとに、男女格差を分析した指数(ジェンダーギャップ)を発表しています。
2019年12月に出された「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数 2020(http://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2019/202003/202003_07.html)」では、日本は153か国中121位と下位に位置しています。しかも、前年の110位からさらにランクを落としたという結果で、先進国の中では圧倒的に低い数字でした。
日本で特に順位が低いのは経済と政治の分野で、女性リーダーが他国に比べても圧倒的に少なく、女性が活躍できる機会が少ないことが影響しているようです。それ以外の働く現場でも、いまだに女性蔑視や差別が残っていると思う人も少なくないのではないでしょうか。
「お給料が少ない!」「キャリアアップに絶望…」
また、女性リーダー育成に焦点を当てた「ダイバーシティ&インクルージョン」を専門とするオーストラリアのコンサルティング企業・The Dream Collective Global Pty Ltdは、日本全国の男女800人を対象にした「働き方の多様性に関する意識調査(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000054196.html)」を今年3月に発表しています(以下に記すパーセンテージは小数点以下四捨五入)。
同調査によると、「現在の職場環境に満足していない」という人が37%(「あまり満足していない:約26%」「全く満足していない:約12%」の合計)。その理由を男女別に見ると、「給料が少ない」ことを挙げた男性が57%であるのに対して女性は69%と10ポイント以上の差があります。
実際に、「平成30年分 民間給与実態統計調査(国税庁)(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan/gaiyou/2018.htm)」でも、給与所得者の平均給与は男性545万、女性293万円と、男女間の給料には大きな隔たりがあることがわかります。
「働き方の多様性に関する意識調査」に戻ると、全体の6割近く(59%)が今の職場に「キャリアアップのチャンスはない」と回答(「あまりあると思わない:約37%」「全くあると思わない」:約21%」の合計)。
その理由を性・年齢別に見ると、特に20代女性が60%がチャンスがないと感じているのに対して、20代男性は43%と、17ポイントの差がありました。キャリアを形成する若年層の段階で、キャリアアップに諦めを感じてしまう女性が多いことがわかります。
女性が働きにくさを感じた経験談
では、実際に女性が男性に比べると働くのが大変だと感じるのはどんなときなのか、その経験談をに紹介します。
「同じ成果を出しても評価されるのはいつも男性社員。女性はなかなか昇給できない環境で、育休を取って管理職になった人は皆無です。時代錯誤の会社体質で、どうせ頑張っても評価されないと思うと憤りを感じます」
「いまだに女性は男性社員より早く出社しなくてはいけないというルールがあるんです。すでに30分前に出社しているのに、『女性は気が効くと思って雇っているんだから』と言われてムカつきます」
「飲み会に参加すると下ネタのオンパレード。聞くに耐えない会話でどう返答すれば良いかいつも困りますし、誰に相談すれば良いかも分からないほどセクハラに無頓着な会社なのが辛いです」
「私の会社では男女で同じ役職でも女性は会議に参加することができません。しかし、会議のスケジュール調整をして会議室を押さえ、資料を人数分印刷して会議室のテーブルにセットしておくのは女性の仕事。女性をただの雑用としか見てないことをヒシヒシと感じます」
「育児は女性の仕事という考えの人が多く、他の会社で働く夫が保育園の送迎をしているというと『いま流行りのイクメンだね』とからかうような言い方をされます。共働きなので当たり前だと思いますが、子どものことは妻の私がやるべきだと思っているのでしょう。他人には関係ないことなのに…」
女性が活躍できる社会は来るのか?
日本の共働き世帯は2019年で1245万。これは専業主婦世帯575万の倍以上です(出所:独立行政法人 労働政策研究・研修機構(https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0212.html))。
にもかかわらず、女性が働きにくさを感じてしまう職場環境は少なくないようです。女性が働きにくさをと感じれば、いくら制度があったとしても出産などのタイミングで辞めてしまったり、優秀な人材でもあえて管理職のレースから降りるという選択をする場合もあるでしょう。
しかし、家事や育児をこなしながらも頑張りたいと思っている女性が活躍できる環境ならば、男女問わず会社全体の士気も上がっていくのではないでしょうか。どの職場を選んでも、女性が生き生きと働ける社会になると良いですね。
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