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コロナ後の「ニューノーマル」になるものとは?~テレワークの実態とオンライン接客の「特別感」~

LIMO / 2020年5月31日 18時45分

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コロナ後の「ニューノーマル」になるものとは?~テレワークの実態とオンライン接客の「特別感」~

今まで経験した事のない外出自粛という不便の中、インターネットやIoT(インターネットで繋がる電子機器)、そしてソーシャルネットワークを駆使することで、多くのことが自宅にいながらも出来ることが実証されました。

テレワークやリモート接客は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大以前からも始めている企業はありました。しかしその普及率は低く、今回必要に迫られ、企業も従業員も突然はじめることになり、その戸惑いや課題がよく話題に挙げられています。

今後、日本でもリモートワークは根付いていくのでしょうか。リモート化は工夫次第で顧客拡大や地方創生など、今まで滞っていた課題解決の糸口が見つかるかもしれません。

テレワークの実態と未来

一体、今回のコロナ禍でテレワークをしている人はどれほどいるのでしょうか。

厚生労働省(※1)はLINE㈱の協力のもとにLINE登録者を対象にした「新型コロナ対策のための全国調査」を定期的に実施しています。その第3回目(4/12~13)の調査結果(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11109.html)によると、オフィスワーカーのテレワーク実施率は27%ということがわかりました。東京が52%となっていますが、中には5%未満という県も目立ち、全体的には一桁台が多いようです。

また、労働市場調査研究会社のパーソル総合研究所が行った『テレワーク継続意向調査』(https://rc.persol-group.co.jp/news/202004170001.html)(※2)では、「新型コロナが収束した後もテレワークを続けたい人は53.2%。20代と30代では6割を超えている」ということです。

同調査ではテレワークで労働時間や仕事量が減ったという人は36.2%で、半分以上は変わらないと回答しているということです。労働時間が減って時間に融通が利くのは、会社だけにしばられたくないミレニアル世代にとっては魅力的な働き方のようです。

今後、テレワークが働き方のニューノーマルとなるかは現実的には課題も多いです。しかし規模にもよりますが、企業にとってもテレワークにすることでオフィスなどの経費を削減できるケースが多いといわれていることから、企業側もテレワークの利得を考え直すチャンスかもしれません。

「オンライン接客」で特別扱いの買い物体験

外出自粛では飲食店と並んで最も痛手を受けていた販売接客業ですが、Zoomなどを通して「リモート接客販売」という新しい販売スタイルに取り組む販売業者が増えているようです。

WWDジャパン(※3(https://www.wwdjapan.com/articles/1079975))ではアパレルブランドのALLYOURS(オールユアーズ)が代表の木村昌史氏による「プライベートZOOM接客」を4月半ばからを始めたことを紹介しています。オールユアーズは「同時期に始めた『かんたん!質問箱』や2019年から実施している『自宅試着サービス』などと組み合わせ、オンライン上での接客を推進している」ということです。

同サイトのインタビューに木村代表は「オンライン接客の可能性をもっと追求していきたい」「地方のお客さんのニーズがあることを考えると、コロナ収束後もリアル店舗と併用にするのが効果的だとも考えている」とコロナ収束後の継続を示唆しています。

オンライン接客では細かなアドバイスを受けられ、店舗とは違った「特別扱い」という体験もできるというメリットがあり、今後も新しい買い物の楽しみ方としてニューノーマルとなりそうです。

リモート化で地方創生に貢献

このような、テレワークやリモート接客は、東京一極集中の改善に役立つのではないかといわれています。

実はリモート化と地方創生を繋げた「逆参勤交代構想」というアイデアを三菱総合研究所では2017年からを提唱しています(※4)(http://platinum.mri.co.jp/recommendations/column/post-coronavirus)。

「『逆参勤交代』とは江戸の参勤交代とは逆に都市生活者の地方への期間限定型リモートワーク」ということです。「週に数日は本業、週に数日は地域のために貢献する」と、単なるリモートワークでも転勤でもありません。

企業としては地方創生というSDGs(持続可能な開発目標)に貢献しつつ「地域課題の解決に自社の技術やサービス」を取り入れるというビジネスにもなり、働き方改革への取り組みにもなります。個人にはワークライフバランスがとれたゆとりある生活、地域には経済活性化などといった、関わる者すべてにベネフィットが期待できるという構想です。

これには多様なモデルがあるようですが、例えば、長年の経験を活かして地元企業を支援するというモデルは、個人のセカンドキャリアのきっかけになるかもしれません。また、離職することなく故郷で仕事を続け、親の介護もでき、地域貢献もできるというモデルは介護問題を解決できるかもしれません。とても画期的な構想です。是非実現して欲しいものです。

前述のようなオンライン接客では、地方の専門店が限られた地元住民相手だけでなく、全国的に接客販売が可能になり、顧客を拡大するチャンスにもなるのではないでしょうか。それにより、その土地の特色を活かしたビジネスを始めようという人も現れれば、地域経済も活気づきます。

よく、「ピンチはチャンス」と言う言葉を聞きますが、我々にとって今がその時なのかもしれません。厳しい時期は続きますが、問題は案外ちょっとした発想の転換で大きな成功に繋がるかもしれません。

参考

(※1)『第1-3回「新型コロナ対策のための全国調査」からわかったことをお知らせします。』(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11109.html)厚生労働省
(※2)『テレワーク継続意向調査』(https://rc.persol-group.co.jp/news/202004170001.html)パーソル総合研究所
(※3)『オールユアーズが考える「ZOOM接客がポストコロナに秘める可能性」』(https://www.wwdjapan.com/articles/1079975)WWDジャパン
(※4)『ポスト・コロナ時代の働き方・住まい方~明るい逆参勤交代が日本を変える~』(http://platinum.mri.co.jp/recommendations/column/post-coronavirus)プラチナ社会研究会

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